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読書

ミステリ熱継続中

◇『江神二郎の洞察』(有栖川有栖) 学生アリスの大学入学から約1年間の出来事を綴った、江神シリーズ短編集。収録作品が1986年のデビュー作から2012年の書き下ろし作品までに及んでいる事もあってか、少々ちらかった印象。短編集のアベレージとし…

久々のミステリ熱

周期的に、偏ってミステリー小説が読みたい! という波が来るのですが、ここしばらく、その波が到来。海外の古典中心に手を出しておりました。 ◇『オランダ靴の秘密』(エラリー・クイーン) ◇『チャイナオレンジの秘密』(〃) クイーンは、ドルリー・レー…

2016年を振り返る:読書編

今年も、『シアター!』(有川浩)3巻が出なかった。 (去年・一昨年・一昨昨年のコピペ) 今年は諸事情で図書館に通いやすくなり、上半期はこの数年ご無沙汰していた作家の本を色々と漁り回っている内に、森見登美彦と石持浅見ブームが再燃して、既読の作…

『無限がいっぱい』(ロバート・シェクリイ)、読了

名手シェクリイの短編集。もともとシェクリイは好きなのですが、やっぱり面白いなぁ。 特にお気に入りは、地球の生活に馴染めず独り辺境の惑星に移住した青年が、一世代前の航行システムを用いて辺境宇宙を飛んでいた事で現代地球の科学技術に取り残されてい…

青崎有吾2冊

◇『体育館の殺人』 放課後の旧体育館の舞台上で、何者かに刺殺された放送部部長が発見される。死体が発見された時、現場に居合わせた複数の人物の存在により、体育館は一種の“密室”と化していた。警察の捜査により、犯行が可能だった唯一の人物として卓球部…

『終わりなき戦い』(ジョー・ホールドマン)、読了

画期的な宇宙航法であるコラプサー・ジャンプを発見した人類は、それにより多数の移民船や探検船を果てしない宇宙へ送り出したが、その内の一隻が正体不明の異星人の攻撃を受けるという事態が発生する。人類はトーランと名付けたこの異星人と戦争状態に突入…

久々に西澤保彦

『腕貫探偵』、読了。腕貫探偵 (実業之日本社文庫)作者: 西澤保彦出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2011/12/03メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 4回この商品を含むブログ (23件) を見る 市民サーヴィス課臨時出張所 櫃洗市のみなさまへ 日頃のご意見…

『特撮仕事人』、読了

特撮仕事人 (マーブルブックス)作者: 佛田洋出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2012/06/28メディア: 単行本(ソフトカバー) クリック: 4回この商品を含むブログ (2件) を見る戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズなどで特撮監督を務める佛田洋の、インタ…

妖怪と古本

○『絶対城先輩の妖怪学講座』(峰守ひろかず)1〜5 絶対城先輩の妖怪学講座 (メディアワークス文庫)作者: 峰守ひろかず出版社/メーカー: アスキーメディアワークス発売日: 2013/04/25メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る 東勢大学文学部四号…

『ペンギン・ハイウェイ』(森見登美彦)、読了

ペンギン・ハイウェイ (角川文庫)作者: 森見登美彦,くまおり純出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)発売日: 2012/11/22メディア: 文庫購入: 17人 クリック: 459回この商品を含むブログ (85件) を見る 小学4年生のぼくが暮らす郊外の街に…

春に読書の波が来た2

○『折れた竜骨』(米澤穂信) 折れた竜骨 (ミステリ・フロンティア)作者: 米澤穂信出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2010/11/27メディア: 単行本 クリック: 92回この商品を含むブログ (121件) を見る 時は1190年――ロンドンから北海を行くこと3日ほど…

春に読書の波が来た

○『新釈 走れメロス 他四篇』(森見登美彦) 京都吉田界隈に、一部関係者のみに勇名を馳せる、斎藤秀太郎という孤高の学生が居た。ただひたすら文章にのみ情熱を注ぎ、留年と休学を巧みに使いこなして大学に居続けながら、11年の歳月が流れたが、その文明…

『超人幻想 神化三六年』(會川昇)、読了

超人幻想 神化三六年 (ハヤカワ文庫JA)作者: 會川昇,團夢見,原作=BONES・會川昇出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2015/09/17メディア: 文庫この商品を含むブログ (9件) を見る 神化三六年三月――東京テレビ放送(TTH)のディレクター・木更嘉津馬は、生放…

久々に石持浅海と森見登美彦

○『煽動者』 (石持浅海) 主人公・片桐は、反政府組織の一員である。その組織『V』の目的は、一般市民に被害を与えないよう最大限の配慮をしながら、現政府に対する国民の不信を高めていき、やがてスムーズに政府を転覆させ、この国をより良い方向へ導いて…

久々に石持浅海2

●『玩具店の英雄』 『月の扉』の探偵役だった通称“座間味くん”が、気の置けない酒の席で警察関係者から過去の事件の話を聞いて、そこに隠された思わぬ真実を解き明かす、というシリーズ短編第2弾。 『月の扉』は非常に好きな長編なのですが、これは出来悪し…

『たんぽぽ娘』(ロバート・F・ヤング)

「ジョナサンと宇宙クジラ」などで知られる、ヤングの日本オリジナル短編集。 短編集のアベレージとしては『ジョナサンと宇宙クジラ』(これは個人的に非常に好きな短編集)の方が高かったですが、それなりに面白かったです。ヤング作品はアイデアの切れで勝…

久々の石持浅海

短編連載が増えて文章が粗くなったり、一時期ちょっと血なまぐさい方向に走りすぎている感じがあって、碓氷優佳もの以外からは離れていたのですが、数年ぶりに石持浅海を2冊。 ◇『二歩前を歩く』 ひとりでに廊下を歩くスリッパ、なぜか自分の前をよけていく…

最近の読書

●『定本 徳川家康』(本多隆成/吉川弘文館) 徳川家康の事跡を、軍事・政治の両面から詳細に紐解いた概説本。 「この時、○○はこう考えていたのではないか」といった類の推論をほぼ用いず、資料と最新の研究成果(刊行当時の2009年頃まで)をベースに“歴…

2015年を振り返る:読書編

今年も、『シアター!』(有川浩)3巻が出なかった。 (去年・一昨年のコピペ) そんな有川さんは今年は<コロボックル物語>シリーズ(佐藤さとる)の公式続編を出したそうで、幼少の頃シリーズ愛読者だったので気になっているのですが、文庫待ちかなぁ………

『遙かなる地球の歌』(アーサー・C・クラーク)、読了

太陽の爆発による太陽系の壊滅を察知した人類は、自らの種を残すべく、遺伝情報を積載した播種宇宙船を建造し、別の惑星系へと送り出した……数百年に渡る旅の末、惑星サラッサに辿り着いたその内の一隻は、植民に成功。陸地の不足による人口統制の問題はあり…

『コンチネンタル・オプの事件簿』(ダシール・ハメット)、読了

ハードボイルドの生みの親として知られるダシール・ハメットの、名無しの探偵(オプ)を主人公にしたシリーズの、短編集。 海外ミステリに傾倒した際にかかるはしかみたいなもので、ハードボイルドに手を出した際に買って本棚に放置していたのですが、面白か…

『密室大集合』(エドワード・D・ホック編)、読了

1984年刊行。広義の密室テーマ(典型的な密室殺人、脱出不能な筈の空間での奇妙な犯罪、一本道での消失トリック、など)を集めたアンソロジー。ジョン・ディクスン・カーやエラリー・クイーンの巨匠から、初めて聞く名前まで、全20編の大ボリューム。…

『ワイルド・カード1 大いなる序章(上・下)』感想

1946年9月15日――第二次世界大戦の余韻覚めやらぬアメリカ・マンハッタン上空で、異星人がもたらしたウィルス爆弾が爆発し、撒き散らされたウィルスに感染した者の90%、推定1万人が死亡するという大惨劇が発生する。生き残った10%もまた、後に…

『ゲイルズバーグの春を愛す』(ジャック・フィニイ)、読了

有名な表題作だけ読んで、置きっ放しにしていた短編集を読了。 そこそこ面白かったのは、「ゲイルズバーグの春を愛す」、「おい、こっちをむけ!」「コイン・コレクション」。 全体的には今ひとつ。 SFとかミステリとか、ある程度、ジャンルが明確に決まっ…

『ドリーム・パーク』感想

『ドリーム・パーク』(ラリー・ニーヴン&スティーヴン・バーンズ/1981年)、読了。 物語の舞台は、2051年の最新技術の粋を集めて作られたテーマパーク――ドリーム・パーク。そこでは子供から大人までを楽しませる様々なアトラクションが日々華やか…

最近の読書

◇『ブラッド・ミュージック』(グレッグ・ベア) 知性ある細胞を作り出した天才科学者ヴァージルだが、禁止された分野の実験に手を出した事で、会社を解雇されてしまう。実験の中止を余儀なくされたヴァージルは、思わずその細胞を自分の体内に注射する事で…

2014年を振り返る:読書編

今年も、『シアター!』(有川浩)3巻が出なかった。 (去年のコピペ) えー、今年も、タグを振り返ってみたらあまり本を読んで居ませんでした、反省。 それなりに楽しんだのは、『英国パラソル奇譚』かなー。アレクシア女史、倫敦で吸血鬼と戦う (英国パラ…

『重力が衰えるとき』&『太陽の炎』(G・A・エフィンジャー)、感想

電脳ソケットに装着する事で、別人になりきりその性質と技能を得る事が出来る人格モジュール――モディーと、一時的知識を与えてくれるアドオン――ダディー。脳改造が一般化し、人々はモジュール一つで自分のものではない性質と技能を得られるようになっていた…

『流れよわが涙、と警官は言った』(フィリップ・K・ディック)、感想

調子が微妙なので本でも読むか、と手に取ったのがディックだったのは我ながらどうかと思った。 人気TVショーの司会者にして歌手、三千万人のファンを持ち、優れた容姿と能力に恵まれたタレントのジェイスン・タヴァナーは、ある夜、女性関係の問題から瀕死…

『SF九つの犯罪』、読了

ミステリSFアンソロジー。 収録9編中、「とどめの一撃」(ジャック・ヴァンス)、「マウスピース」(エドワード・ウェレン)、「予定犯罪者」(ウィリアム・テン)、が特に面白かった。 「とどめの一撃」は、閉鎖空間のステーション内で発生した殺人事件…