はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

野生の青年

◆八手四郎次郎さん
 >「自分(ゴーシュ)はルパン陣営の内部事情を知っている」ことを遠回しに伝えたものだったんでしょうかね?
それ怖いですねぇ……ゴーシュとコグレが、付き合っていたらどうしましょう……。
 >コグレが「双眼鏡?」と微妙な反応を示したのも、"双眼鏡を持つギャングラー幹部"が自分の正体を知っていると分かっていて、
 >「ゴーシュの線から魁利君に私の素性を探られると厄介ですね」と懸念した、ということなのかなあ、と。
双眼鏡そのものよりも、双眼鏡を持ったギャングラー、に問題がある、というのはミスディレクションとして面白いですね。双眼鏡関係は次回あっさり……という可能性もありそうですが、どう転がるのか楽しみです。
 >どうもゴーシュって単なる「ボスをたらしこんで自分の欲望を満足させようと目論む毒婦」ってだけではない不気味さがあって
 >(デストラ兄貴は対照的に裏表のない性格に見えますが)、ギャングラー陣営最大の不確定要素なんじゃないか
ギャングラー側はこの辺り、どこを定番でいって、どこでひねってくるのか、というは面白そうな部分です。
◆スピリットヒューマンさん
 >赤にばかり焦点が当たっているような気がして、戦闘シーンでも黄色と青は添え物扱いな気がしてならないので、早いとこ単独のメイン回をやって欲しいのですが、
異色の赤なのでまず赤中心、というのはわかるとして、青はまだしも黄は完全に割を食ってしまっていますね(^^; 悪い意味で、とりあえず女性キャラは後回しでも何とかなるだろう……的な作りというか。
 >次回早くも親玉と顔合わせのようなので第2話でも思ったのですが、色々急展開すぎてイマイチ乗り切れないので、もう少し落ち着いてほしいなあと個人的に思うところです。
理央サイドを同格に置く、というのが作劇上の狙いなのでしょうが、そこが面白みになるのかどうか、というのは不安がちょっとありますよね。
◆輝剣さん
 >マスターシャーフーとジャンが子供たちから人気になる→掃除をしたがる子が増える→親御さんニッコリで財布が緩む
 >というコンボが決まるはずだったんでしょうねぇ。
よくある話ではありますが、セロリマンに続いて、ちょっと露骨ではありましたね(笑)
 >そういえばこの戦隊、現状明らかにリーダーはランなのにセンターはジャンという不思議な戦隊ですよね。
気がつくと主導権を握っている、というのはままありますが、そこの説得力はワンポイントなにか欲しかったですね。ジャンがリーダシップなどとは無縁だったキャラだっただけに。
 >伊藤かずえさんのお子さんも腕白だったそうでジャンへの接し方も母親みたいですよね、ジャンはお母さん達からは「温かい目」で見られていたんでしょうね。
ああ成る程、野生児主人公を持ち込む事により、「母と子」の関係を投影しているんですねー。
 >パワータイプの怪人にレッドが技や策を用いず、正面からパワーでぶつかって勝つというのは珍しいですよね。
馬鹿っぽい勝負になってしまう所に「修行」という要素をうまく持ち込んで、長所を伸ばして上回る、というのは巧い具合になりましたね。
 >可愛げがあるレッドですよね、ジャン。ただ可愛げのあるキャラというのは年上からは好かれても年下からはあまり…
これワンポイント無いと身勝手キャラ一直線になってしまうので、社会性は無いけれど根っこの所にそういう部分がある、というのを早めにやってくれたのは良かったなと思います。そこが子供に魅力的に映るか、というとまた難しいのでしょうが(^^;
 >……大丈夫、五毒拳のリーダーは策を弄するタイプですから。え、他の4人?あ、いや強いですよ中ボス格ですから
すみません、あまり予断を持ちたくないので、その辺りは、秘密にしておいていただけると助かります(^^;
 >そういえば、第1話と2話の撮影順ですがジャンのファーストカットが2話のヌンチャクだったそうなので、アフレコも2話の方が先だった可能性はあります。
ああいきなり、「はいこの衣装で」と、半裸で森の中からスタートするほど鬼ではなかったのですね……(笑)
 >一年を通じて「怖いけどなれっこ」になったそうですが、過酷な現場ですねぇ。
何か他の作品のキャストで、爆風が暖かいので段々と火薬ありの撮影が嬉しくなっている、みたいなインタビューを読んだ記憶があり……近年は注目度が上昇して、戦隊経由で売れる俳優さんが次々と出ているのはホント嬉しいですね。
◆Nさん
 >精神年齢5歳児の少年が真咲のそれっぽい言葉(例:"負けないわ""無限のパワー")にまんまと乗せられてしまっているなかなか酷いシーンに思えてきました(笑)。
真咲さんはいわゆるモチベータータイプというか、部下転がしの巧さが、ある意味で恐怖なのかもですね……。面倒くさそうなレツのツボも鮮やかに突いていましたし(笑)
 >それを踏まえて以降のギュウヤ戦を見ると、完っ全にジャンが洗脳されているようにしかみえなくなってしまい、変な所でジワジワきています(笑)。
筋肉は、光だ! そして光は、闇に打ち勝つ!!
◆五月サツキさん
 >本筋に寄った話をサブライターに割り振るのはちょっと驚きですが、違和感もあまりなかったので、期待できますね。
情報の出し入れは明確にオーダーがあったのでしょうが、キャラの動かし方は悪くなかったですよね。今後もっと自由度の高い話を書かせてみるのか、起用の仕方は気になるところです。
 >人が沢山失踪しているわけですが、事件として取り上げられているのは初美花の女子高の生徒だけなんですね。人が消えたことについて、同じ手口だとはバレなかったのか……。
ザミーゴ案件はどうも謎の失踪事件扱いになっているようですが、コレクションの作用なのか、何らかの圧力がかかっているのか……今後、パトレンが真相に気付いて迫っていくという展開も期待できそうで楽しみです。
 >ジム・カーター、GMSさんの予想通りなかなかいい性格をしてましたね。事務の反乱が起きる回もある……でしょうか(笑)。
まだまだ本性を隠している気がしてなりません(笑)
 >理央様の迸る闇の力をお楽しみいただけているようで嬉しいです(笑)。ヤイバ先輩と仲良くなれそうですよねえ……。
あと1年遅く生まれてくれば……(笑)
 >ジャンと共に視聴者である子供も成長していく、というのを狙ったのかなーと思いました。
戦隊の年少キャラってスケジュール調整の問題が出たり、他メンバーとの目線の合わせづらさがネックになったりしますが、子供視点への寄り添いを野生児という設定で描く、というのは巧く考えましたよね。

『獣拳戦隊ゲキレンジャー』感想・第4話

◆修行その4「ゾワゾワ!五毒拳」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:横手美智子
「五毒拳――特別、邪悪凶暴な臨技を究め、その身の内に、熱、痛み、寒さ、痺れ、吐き気の毒を持つという、臨獣殿精鋭の五人」
光の速さで一秒間に百の突き繰り出す地獄の手数王・トカゲ拳士。
変幻自在の動きから冷酷非情な攻撃を放つ一撃必殺の狙撃手・コブラ拳士。
微笑みと舞で敵を翻弄してトドメを刺す戦慄の踊り子・サソリ拳士。
想定外の反応と攻撃を用いる対応不能の惑乱者・ヤモリ拳士。
鉛の神経と鉛の体を持つ鋼鉄鉄壁の守護者・カエル拳士。
5拳士の紹介シーンが入り、こういうの好物ですが、メレ様が煽れば煽るほど五毒拳の出落ち感が増幅されていき、蟲毒○三冥獣とか、ビーク○ッシャー四鎧将とかを嫌でも思い出して震えが止まりません。
「邪悪を究めし五人のリンリンシー、五毒拳。おまえ達が出陣する意味、わかっているわね?」
アバン全部使ってメレ様がたっぷり可愛げをアピール(あれ?)した所でOPに入り、これはまあ、人気出るよねメレ様、と深く納得(笑)
その頃、ゲキレンジャースケートリンクで修行中で…………ええと、あの……マスターシャーフーがあの着ぐるみで滅茶苦茶華麗に滑っているのですが、なにこれ、凄すぎて怖い。
「諦めは未来を閉ざす。行き止まりへの道じゃぞ。して……もうひとり、ニキニキ小僧は、どうした?」
老師は3人に、フィギュアスケートの大技・カレイドスパイラルジャンプを飛ぶ修行を課し、ジャンにぶつかられそうになって、そのカレイドスパイラルジャンプで華麗に回避した女性客こそが特別コーチ、一体全体どういう繋がりだったのか、本人役で登場したフィギュアスケーター八木沼純子
という立て続けに動揺する展開なのですが、それに紛れて八木沼純子さんもさらっと老師を受け入れており、割とこの世界、ごく普通に街を獣人が闊歩しているのか、それとも、スクラッチから派遣されたゆるキャラだと思われているのか。
臨獣殿では理央様が、1話でジャンが気絶していた時に見たのと同じような夢を見てうなされ、メレに心配されていた。
「また夢を見た……激突か、融和か、巡り会いの予感がする」
目を開いた理央様は激獣拳に報いを与えるべく、五毒拳に出撃を指令。
「――五毒拳が、来る」
真咲に呼び出され、スクラッチのビル(?)に付けられた臨獣殿の印を目にした老師の言い方が格好良く、強敵たぶん強敵だと思う強敵じゃないかなまちょっと覚悟はしておけ到来の予感で盛り上げてきます。
スケートリンクでは八木沼純子が、高難度ジャンプなど出来るわけがないと最初から弱気なランとレツに対し、諦めない限り未来は開かれる、と助言。
「あの元気少年、いいわね。我武者羅で、一生懸命で、なんだか無茶苦茶だけど」
無謀で単純なジャンを肯定的に描くに際し、無理無茶無策が結果的に成功してしまうのではなく、失敗しながらもめげずに奮闘し続ける姿を評価する、というのは納得しやすく、『マジレンジャー』の反省点を踏まえているのだろうか、と思うところ。
“なにをもって勇気とするのか?”という新魔法のDL条件が曖昧だった『マジ』に対し、修行(課題)と達成(克服)を明確にしているのも、プロデューサー繋がりもあって『マジ』の継承作、という印象があります。最も、あまりにも明確に可視化しすぎると、展開(勝利への道筋)が型にはまりすぎるという難点も生じてしまうので、その辺りをどう捌いていくのかは今後の注目点。
街を蹂躙する五毒拳は赤青白緑黄のイメージカラーが割り振られており、ゲキレンジャーの前で異形に変身すると揃い踏みを決め、第4話にして臨獣戦隊という怒濤のハイペース。
なお、名乗りはムカデ(白)が最初なのに、同輩をたしなめる落ち着いた口調などからも、センターでリーダーはコブラ(青)の模様。
異形に転じた五毒拳は、コブラは普通に格好いいし、カエルの、カエル顔が腹にあって頭部は毒々しい模様のイボ、というのは面白いデザインです。……それにしても五毒拳、凄腕の怪拳士軍団というよりは、山風忍法帖ノリなのですが、私が『ニンニンジャー』で見たかったのはもしかしたらこれだったのかもしれない、と思ってみたり(笑)
五毒拳との歴然とした実力差に追い詰められたゲキレンジャーは、老師のミラクルスピンエスケープによって救出されるが、その老師に襲いかかるメレ様。
「激獣拳は終わりよ。そして臨獣拳の世が始まる。ご降臨とともに」
「超超、超ゾワゾワだ」
メレが喜悦の表情を浮かべ、ジャンは不吉な予感に身を震わせ、吹きすさぶ風、弾ける紫の雷光、そして次々と現れてスクラムを組む五毒拳――
「違う! 超ゾワゾワなのは……」
ジャンが恐るべき闇の気配を感じたその時、爆発で黒煙を撒き散らしながらダークネスミラージュジャンプで地中から現れたリオ様は、五毒拳がその身でスクラムして作り上げた、人間玉座平然と座ったーーー!!
まったく座り心地は良く無さそうなのですが、下賤どもと同じ地面の上に立つ気はない、と王様ムーヴで徹底して他者を見下ろし、悠然と両手を広げながらこれが我が玉座だ文句あるか、と溢れんばかりの自信を見せつけて腰掛ける……というか担がれている理央様、そこの竹林にヤイバ先輩が潜んでいたら、鼻血出して心臓麻痺で死にそうなレベルの高さです。
また、臨獣殿が理央によって甦ったリンシー達で構成された死者の王国であるならば、理央が君臨するのはまさしく死者の玉座であり、その虚栄を象徴的に現しているように見えるのは今後の広がりにもなりそう。
「夢は、おまえとの戦いを告げていたのか、シャーフー」
絵面としては正直スレスレというよりアウトですが、これは断じてギャグではないと、シリアスに畳みかけてくる理央様。
「魔道の邪拳に魅入られよって、嘆かわしい事じゃ……」
「俺をまだ 聖子ちゃん派 弟子だと思っているなら、心得違いも甚だしい」
理央は元80年代アイドル推し、じゃなかった、元激獣拳士でシャーフーの弟子、深刻なジャンル間の闘争により臨獣拳アクガタに移籍した裏切り者である、と判明。
定番の関係性といえますが、変に引っ張らずにさくさくと明かしてきたのはスッキリして良かったかな、と思います。
……という事は雑巾がけその他お宝映像が保管されていそうですが、理央の修行時代はまだそこまでデジタル化が進んでいなかったのか、それともそんなお宝映像に一切動揺しないほど、闇の力が高まってしまったのか……!
「ところでメレ、ここに修行時代の理央がカップラーメンを食べている時のお宝写真があるんじゃがの」とかやればメレ様を買収できそうな気がしないでもないですが、それよりとにかく、脱いだ!
老師と理央の闘気が激しくぶつかり合い、理央は臨獣ライオン拳臨技・臨気鎧装により、いわばリンブラックへと変身。
「猛き事、獅子のごとく。強き事、また獅子のごとく。世界を制する者、我が名は黒獅子――理央」
俺は俺のキャッチコピーは自分で付ける、とかつての師の前で自ら披露した理央様ですが、「獅子のごとく」×2が、強調したというよりネタが思いつかなかったように聞こえてしまい、6点(10点満点)。
不闘の誓いゆえか、拳を交えながらも防御と回避に徹する老師を黒獅子・理央は徐々に追い詰めてゆき、必殺のライオン神拳が放たれたその時、老師を守ろうと割って入ったゲキレッドのタイガー神拳が、これまでにない凄まじい威力でそれを相殺。
「おまえと戦うのは俺だ!」
「な、な、な、なに言ってんの!? どきなさい! 理央様は、あんたみたいな格下とは戦わないわ」
「……そうか。シャーフーではなく、おまえが、俺の感じた、予感だったか」
「超ゾワゾワなのに、俺、ニキニキしてる。俺、おまえと戦う。おまえも俺と戦え!」
成り行きで獣拳の派閥争いに巻き込まれた要素の強かったジャンですが、本能的に持っていた正義の気持ち(公の大義)とはまた別に、本能的に持っていたより強い者と戦いたいという気持ち(個人の意志)が浮かび上がり、相反する感情の中で他者との関係性を構築する、というのは良かったです。
ここでただ理央が悪だから戦う、というだけだと一面的になってしまうのですが、理央との出会いによりジャンの中にある別の感覚が刺激された、というのはキャラクターとして立体的になりました。
また理央が登場して老師との激突からここまで、一連のシーンのBGMの壮大さが、理央をギャグにせずに世界観を示す事を助けてくれ、良い劇伴でした。一気にハードル上げすぎてこの後が少し不安になりますが、立ち上がりにおける因縁の初対面として、出し惜しみなく劇的に盛り上げてくれたのは秀逸。
「――面白い」
理央の指示によりジャンは緑の毒を撃ち込まれ、巨大化した五毒拳相手に解毒剤を手に入れる毒試合を要求される。合体した3人だが合体時の感覚共有により3人揃って毒に苦しめられ、更に次々と繰り出される五毒拳の連続攻撃に大ピンチ。
「期待外れだったな」
「まだ終わっとらんぞ。あの3人はお主が持たなかったもの、持とうとしなかったものを持っておる」
「なんだと」
険しい表情になった理央の見つめる中、ゲキトージャの中で立ち上がる若き激獣拳士達。
「諦めない!」
「そうだ! 諦めは、行き止まりへの道。ぼく達トライアングルは、決して未来を閉ざしたりなんか、しないんだ!」
「ゾワゾワのキリキリなんかに負けねぇ!」
絶妙に残念ポイントを稼いでくる青ですが、黄の台詞はほぼ相槌で青がこの回のキーワードを全て言ってしまう、という台詞の配分バランスが悪すぎるのはどうにかならなかったものか(^^;
諦めない事を選んだゲキトージャは起死回生の激獣カレイドスパイラルジャンプで五毒拳を蹴散らすと解毒剤を入手し、ご、ごどくけーーーんっ!!
勝利条件を別に設定して、倒さなくてもOKという形で格を落とさない工夫はしましたが、割と思い切り蹴り飛ばされた五毒拳の将来が大変心配です。頑張れ五毒拳、最低限、高校インターハイレベル以上の力は見せてくれ!
「この先あの弟子達が、我が臨獣拳との戦いを、勝ち抜けると?」
「諦めぬ限り、未来に続く道は開けるもんじゃ」
「…………ふっ。ではその夢が潰えるまでの束の間、生き長らえるが良い」
終始シャーフーを見下ろし続けた理央様は、ブリリアントカイゼルスピンで退場し、アイドル時代の癖が抜けません。……そういえば臨獣拳士がよくグルグル回りながら地面に潜って退場するので、獣拳の基本スキルなのかもですが。
かくして窮地をくぐり抜けたビーストアーツだが、空には巨大な臨獣拳の印が浮かぶ。果たして、相打つ宿命の虎と獅子の間には、如何なる因縁が隠されているのか……空に浮かぶ理央様の哄笑で、つづく。