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「キーワード削除投票システム案」について

というわけで、先日の予告通り、現在検討されている「キーワード削除投票システム案」について、反対意見を少し。
システムの概要に関しては、キーワード説明の方をご参照下さい。
まあとにかく、単純明快にして最大の問題点は、
100人が「存続」を求めていても101人が「削除」したいと思えば削除されてしまう事
これに尽きます。
これは数字的に非常に単純な例えですが、まあ、50対51でも、10対11でも、基本的には同じ事です。はたして、「はてなダイアリー」の基本理念を考えた場合、100に対する101でも“「削除」票が過半数を占めた場合”とみなして削除するべきなのか? と。もっといえば、1000対1001でも削除されるわけで、それは実は一見公平に見えて全くそうでは無いのではないでしょうか?
そもそも、先のモデレーションシステムに関してもそうですが、どうも「はてな」側は誤爆問題などを大きく取り上げすぎた結果、本来の原則である筈の「同じキーワードを使っている日記を探しだすことができる(自動リンクシステム的側面) 」を蔑ろにしかねない本末転倒に陥っているのではないかと、個人的には思えます。
勿論、例えば「ひらがな二文字のキーワード」など、非常に無駄なリンクを故意に誘発するとおぼしきキーワードなどに関する何らかの対処と抑制は必要だとは思いますが、それらは本来、キーワード作成に関するルールの整備により対応するべきだと思います。まず、「キーワード作成ガイドライン」をもっとしっかり整備した上で、そのルールに明らかに抵触するキーワードに対して個別に対応するという形の方が適正であると考えます。というか、作成段階でのルールさえしっかりと整備しておけば、“それに抵触している”という事を理由に、報告があれば運営側がある程度機械的(その旨、作成者・編集者に連絡した上で)に削除してしまっても良いかとは思うのですが。
(※注:ただまあ、この試案の場合、故意にあるキーワードをルールに抵触するように変更した上で運営側に報告して削除をはかる、などという行動が起こりうる可能性もあるわけですが、寸前の編集者と報告者が同じだったり、そういう状況が続けば何かおかしいという事が運営側に伝わるので、まあ大丈夫であろうと考えます)
……ただし、この場合、私の認識している限りでも幾つか揉めているとおぼしき、“あまりにも当たり前すぎる名詞”に関する問題は、結局時間をかけるしかなくなりますが。ただちょっと、今回の削除システム案そのものが、そういった累積しているもめ事にまとめて一始末つけようとして発案されたのではないかと、穿った見方なのは承知の上で少し気になっています。鼠殺すのに大砲持ち出すみたいな。
後一つ気になっているのが、はてな側は


はてなダイアリーのユーザーが5万人を超え、ユーザーの増加と多様な価値観の同居を可能とするシステムが必要であると考える
と述べてましてこれは理想としては結構なのですが、モデレーションシステムにおける「リンク不要」票の入り方など御覧いただければおわかりの通り、残念ながら「多様な(他者の)価値観」に対して理解や配慮のない動き(故意に書かなければ誤爆のしようもないキーワードに“自分と関係ないから”という理由だけでマイナス投票する動き)が存在している事に関しては、ご一考いただければ幸いと考えます。
要するに、「自分は芸能関係には興味が無いから芸能人の名前にはマイナス票を入れる」とか「自分は競馬には興味が無いから競走馬の名前にはマイナス票を入れる」とか「どうでもいいはてなダイアリークラブにはマイナス票を入れる」とか、ですね。
現行、試案そのままのシステムを実装するならば、この延長線上で問題が起こるのは必至であると考えます。



それからおまけに、ちょっとした数字の話。
このシステム案に関して運営側が賛否を問う投票をしておりまして、7月2日の21時過ぎぐらいの途中経過が、こんな感じです。


賛成 461票
反対 255票
その他 8票
−−−
投票総数 724票
賛成票が反対票を大幅に上回っておりますが、では本当にこの数字に意味があるのでしょうか?
運営側の発表によりますと、現在「はてなダイアリー」のユーザー数は約50000
市民権を得るのに1ヶ月かかりますから、近年大幅に増加したという前提で非常に大雑把に、現在の市民権所持者が80%の40000人と考えます。
更にこの中で、キーワード作成に関わったり各種システムに興味を持っているユーザーとなるとまた少なくなりますからその割合が10%と考えましょう(本当はもう少し多いと思いますが)。とすると、その数が4000
一応この4000という(大雑把にマイナスを繰り返した)数字を基準に考えても、そもそも投票総数が過半数をまるで満たしません
(4000を基準にして)賛成票が約11.5%、反対票が約6%。
数字として“一応の参考”にはなるかもしれませんが、何かの論拠にするには、お話にならない、と言って良いでしょう。
ちなみに、40000を基準にすれば約1%の賛成票。50000を基準にすれば1%にも足りません。
キーワードモデレーションシステムはこれより更に少ない数を判断基準として動いていますし、仮にこの削除システムが実装された場合も、投票総数が1000を越えるという事はちょっと考えにくいでしょう。
多数決は是、過半数を越えれば了解、という考え方があるようですが、そもそも何に対する過半数なのか? 時に誤解があるようですが、「過半数」というのは、ある枠組みがあって初めて意味を成す言葉であります。「投票総数に対する過半数」で良いではないかと言われるかもしれませんが、ユーザー数約50000という明確なパッケージ(それを基準として私が大幅にさっぴいて出した数字でも4000)があるにも関わらす、その中の総数10でも200でも500でも、それが多数決の原則を行使するのにふさわしい数字であるのかといえば、はなはだ疑問であると考えます。
このシステムを仮に実装するとしたら、少なくとも「最終的に×××票以下の削除票は無効」とするなり何なりの、ハードルを設けるべきであると思います。はてなダイアリーの基本理念を考える限り、削除は最後の手段であり、ハードルを設けるのは当然であると考えます。……あくまでこれは仮に実装されるとしたらの要望であり、私は基本的にこの案には反対でありますが。
……まあつまり、根本的に現行のはてなダイアリー(利用ユーザーを含む意)の在り方と、多数決というシステムが噛み合ってないと考えるわけです。最低限の総意とも程遠い所にあると思われる数字が反映されてしまうルールというのは、いかがなものでしょうか?
以上、要望>id:hatenadiary