まあまだ、『魔法戦隊マジレンジャー』がそういう方向に行くのかどうかはわかりませんが、「家族」テーマ(もしくはそれに類するもの)というのは周期的にどっかで出てくるテーマではあって(これは戦隊物の内在する啓発・道徳的要素を考えた時には極めて普通といえる)、とりあえず近い所でそれをやっていたのが『救急戦隊ゴーゴーファイブ』。
マジが母子家庭なのに対して、ゴーゴーは父子家庭……というか離散家族(笑) その分、兄弟の結束が強い所に父帰るでさざ波が、というわけでスタンスはだいぶ違います。*1
とりあえず初回における“兄弟・家族”の描き方としては、『マジレンジャー』より『ゴーゴーファイブ』の方が巧かったのは確か。まあ、ゴーゴーの方は、時期的にちょうど脂の乗っていた頃の荒川稔久、てのはあったと思いますが。マイク真木演ずる父帰る、もなかなかインパクト十分でしたし。
その点、マジの方はまだ、兄妹だったり家族だったりという感じが伝わってこない、というのは正直な所。Bパートへの伏線も含めてレッドに焦点を置きすぎたかな、と。2話との二段構えで巧くまとめる気かもしれませんが。
ゴーゴーの方が父帰るから始まる物語だとすると、(予告見る限り)逆にマジの場合は、居たものが居なくなる所から始まる物語なのかな、という推測はまあ付くのですが、それによって生まれる結束だったりヒビだったりを、どう描いていくのかは興味深い所。
……まあ、流して別の方向に話が行く可能性はありますが(笑)
とりあえず現時点では、ちゃんと兄弟を描けるのかな、という不安がありますし。
ゴーゴーはそこの所は巧かったんですよねぇ。細かくは覚えてないので何がポイントだったかは思い出せないのですが、第1話からばっちり、巽家は5兄弟してました。
それでいながらテーマ的に失敗したのは何だったのかなぁ……(^^; わざわざ敵勢力まで一族で幹部が兄妹という設定を用いておきながら、今ひとつうまく行かず。味方ほど敵を巧く描けなかったというは一つあると思いますが。あとは兄妹揃って割とシスコンの気があって、末の妹(マツリちゃん)にみんながみんな、ほだされすぎたか(笑)
まあ、あんまりドロドロとされても確かに困るのですが、でもネタ的には父と子の確執はもう少しドロドロとやってほしかったです。
……一応今更ですが、誤解されるとあれなので書きますが、別に『ゴーゴーファイブ』嫌いなわけではありません。熱さとか、ロボットとか、マトイ兄ちゃんの“必殺死んだふり戦法”*2とか、好きでしたし。ただ、年間通して評価できるかというちょっと微妙、という事で。
で、やや形は違いますが、“父と子”という点においていえば実はゴーゴーより巧くやってしまっていた気がするのが『電磁戦隊メガレンジャー』だったりするのですが…………この話は次回。