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落ち穂拾いと参考までに

タロットにおける「Hierophant」とは何ぞや、というお話。大変楽しく読ませていただきました。
面白かったので、蛇足かとは思いますが、ちょっと混ぜて下さい。
そういえば昔、調べた事があったなぁ……と思って探したら、当時のメモ的なノートが出てきたので。複数の資料から切れ端をメモっているという困った代物で、どれがどこからという原典もわからなければ、今見ると自分でもよくわからないのですが、まあ、参考までに。
以下、ブロック内は、そのノートにメモしてあった事柄をそのまま書いたものです。複数の資料にあたっているので、別の解釈が同時に書いてあったりもしますが、御了承下さい。

5:教皇*1 (ヴァウ) 「霊感」 レッドオレンジ
ヒエロファント――神聖な事柄を明らかにする者
大魔術師(マーガス) 『変質』
善悪を見分ける知恵、地上への営みへの神の介在、無私の愛という観念
天と地、神と人、黄金と卑金属の「媒介者」
(太陽)光の源「上なるもの」 と (月)光を反射する「下なるもの」の結合
牡牛、ビーナス*2、ゼニアオイ

2:女教皇 (ギメル) 「女の尋ね人」 ブルー
二重性、対立物、その間にいるもの、女性、処女、グノーシス(神の究極の知識*)、聖母
月:天国への門、不吉、未開と不毛
犬:ヘカテの飼う動物
ハシバミ、アーモンド


*神の究極の知識 → 己についての完全な知識……無意識、潜在意識的処女

とりあえず自分で読み返して、カード名の後の()内の言葉が何を意味しているのかわかりません(おぃ)
牡牛とか何とかは、象徴とされる動植物だと思います多分。
さて肝心の「Hierophant」に関しては、既にkannさんが詳しく書かれていますが、シャーマン的な仲介者、という意味づけが一番適切なのかな、と。もう少し突っ込むのならば、神秘性と日常性の間に存在するもの(間をつなぐもの)であるのかな、と。
また「皇帝」には教皇の分身という解釈がつく場合もあるそうで、となると、“物質の支配者”に対する“精神世界の支配者”という意味づけもあるのかもしれません。
とりあえずまあ、向こう側、或いは、中間層、の存在なのでしょう。
「女教皇」の方は今ひとつわかりにくいのですが、面白いなと思うのは象徴するイメージの一つ「女の尋ね人」。これ何で“女の”と付いているかというと、「奇術師(魔術師)」が、「尋ね人」なのですよ。この二つの対応は、ちょっと面白いな、と。
そうそう、有名な“セフィロートの木”の、それぞれを繋ぐ道にタロットのイメージをあてはめた図、というのがあるのですが*3、頂点のケテルに通じているルートに対応しているのは、愚者、奇術師、女教皇、だったりします。ちなみに一番下(マルクト)から頂点まで最短ルートだと、世界→節制→女教皇、の順。
これのポイントは、より高次の段階に進むには、概ねどっかで死なないといけない事。まあそれはそうか、とは思いますが。大体最初から、「世界」「審判」*4「月」の三択。死ぬか狂うか迫られます。まあ、ここでいう「死」とは、向こう側へ行く為の手段のようなものですが。
こういうのも多分、幾つかのパターンがあったりするのでしょうけどねぇ。この図は結構、タロットの意味も含め、色々な解釈が広げられて面白かったりします。まあ、“今”を基準に解釈をするという行為は、専門家としてやるのでなければ、本当にどこまでも話を広げられるわけなんですが。それが面白くはあるけれど、同時に落とし穴でもあり。でも結局、何より面白いのは、想像の範囲が存在する、という事なのだと思うわけで。イメージとイメージを繋げる、というのはそれ故に面白い。
……と、話が明後日の方向にずれました。
タロットの起源に関しては、私が昔あたった資料には、「イタリアのカードゲーム、タロッキから?」という説が紹介されておりました。まあ、こーいうのは、それも有り、これも有り、みたいな感じで受け止めてますが。
そういえば、タロットカードというのは、西洋オカルト史の積み重ねが見える一つの端的なシンボライズだと思うのですが、東洋(日本)に、こーいう物品ってあるんですかね。今考えてみても、ぱっとは思いつかないのですが。…………お経?(違う気がする)

*1:この表記に関しては、資料どうこうというより、「女教皇」と対応しているなら「教皇」だろう、という当時の私の個人的意思によるものと思われます

*2:多分、金星の意

*3:もし御希望あれば図示してUPします

*4:両方とも死のイメージを内包しているのですが、長くなるので割愛(^^;