今頃、『バジリスク』(原作:山田風太郎/作画:せがわまさき)全5巻を読みました。
- 作者: せがわまさき,山田風太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/05/02
- メディア: コミック
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奇天烈忍法合戦のアクション部分は非常によく描けていますし、ちょうどバランスが今風にまとまったなぁと(要するにどうしたって、濃くしすぎればジョジョになるし淡泊にしすぎると横山光輝になってしまうわけで)。
ただラストの方、予定された着地点へのオチ方としてはいまいち、というか。
まあこれは山風的なもの(直接しっかり読んだ事は無いが、斜め読みはあるし系統的な流れには触れている)や横山光輝に免疫が出来ている視点から見ているので、そう見える、というのはあるかもしれませんが。
結局最後、浪漫を取るか寂寥感を取るかで悩んだ末にちょっとどっちつかずの中途半端になった感じだよなぁと。どちらかに、もっと派手に寄せてしまえば良かったのにな、とその点。
あと、この手の話は手駒が少なくなってきてからが難しいので、その辺、残りキャラクターから鑑みて原作において推測されるエロスで引っ張る、というのが連載漫画という形式において限界がある、というのは不利だったのかもしれませんが。
とかまあ、やや消化不良ではありましたが、なかなか面白かったです。
ああ、あと、惜しむらくはけっこう二枚目で格好いい弦之介様があまり活躍しない事。というか、弦之介様、少なくともこのマンガにおいては主役じゃないですね(笑) 実はどちらかというと主役は朧さんである、という読み方をするべきなんだろうなぁ。
そしてこの原作を、オダギリジョーと仲間由紀恵の主演で映画化というのはなんかもう、キャスティングの時点で駄目そうな臭いがぷんぷん漂いますないやはや(^^;