- 作者: 村枝賢一,石ノ森章太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/09/21
- メディア: コミック
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敵組織の目的や全貌、ZXの正体なども見えてきて、本格的な“仮面ライダーZX”編に入ったのも、すっきりして良い感じです。
後はここから、各ライダーへのスポット配分含め、再生幹部大出撃の状況で、いかにマニア趣味のみに堕する展開にしないで話を回してくれるか、村枝賢一の腕の見せ所で楽しみです。
極端な話、第1部みたいに各ライダー+ZX、という話を2〜3話でやって一つずつ片付けていく、というのでも良いとは思いますが(それでも十分、長くなるのですけど)。
前半にちらばらせたオリジナルキャラもちゃんと絡めてくれるようで、期待しております。第3部入って不良学生とZXが絡む、という展開も面白かったですし。
あと今回印象的だったのは、なるほど村枝賢一にとっての“仮面ライダー”というのは、もう徹底的に異物なのだなぁと。
このテーゼは今作の根っこにずっとあって、第2部クライマックスにおいて集約されるわけなのですが。勿論、TV『仮面ライダー』シリーズにおいて「改造人間」だったり「異形のヒーロー」だったりという点は重要なコンセプトでありテーマではあるのですが、多分ここまで露骨には書いていなかった筈で、村枝さんが一歩押し進めた所で書いているのだと思われます。
それ故に、今作の大きなテーマの一つが「仮面ライダーと人間」であり、人間・滝和也が、非常にクロースアップされているし、そこがまた良い所であるのですが。
一つ面白いのは、それに対して、『超光戦士シャンゼリオン』という決定的な作品を経て、現行の平成ライダーシリーズにおいては“改めて、異物ではない仮面ライダー(ヒーロー)をやろう”というのが裏テーマであったりする所(特に先鋭的だったのは言うまでもなく『アギト』*1)。
良い悪いではなく、同時代に同タイトルを冠した作品が二つの道を進んでいるというのは、面白い。
まあ本来なら、そのぐらいの懐の広さ・キャパシティというのは、業界全体が持っていた筈なのですが。今の特撮ブームという背景が一つ形になっている一つの傍証にはなるかな、とは思っています。
そんなわけで、そのタイミングで「改造人間」というテーゼを主題にするという『THE FIRST』が何を見せてくれるのか、期待しております。