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長谷川裕一2作

漫画家・長谷川裕一は割と好きですし、長谷川節も全然OKなんですけど、どうもやはり短編集『スカルハート』以降の、長谷川さん単独による『クロスボーンガンダム』ものは違和感が拭えません。
まあ私が『クロスボーンガンダム』を好きすぎるというのもありますが、やはりあの作品は富野由悠季×長谷川裕一という異色のコラボが生んだ奇跡の傑作であってしかも、完全富野色でも完全長谷川色でも無い所が何より良かったと思うんですよねー。どちらの色にも染まりきらず、かといって適当な所で互いに妥協したわけでなく、何か凄い所でミューティーション的に生まれてしまった、ある種、異形の傑作だよなぁとか思うわけで。というか、長谷川オンリーのクロスボーンを読んで、改めてそんな事を思いました。
まあ今作、長谷川裕一も意図的に前作における富野色を引き込もうとしている節はあるのですが、やはり全体が長谷川節に染まっているので、ちょっとなんかこう、違うのですよね。むしろ妙な違和感が募る(^^;
これでまあ、テンポ良くまとまってくれればまだ良いのですけど、なんか結構長そうなペースで描いてるのも気にかかる所……まあ、それでも何だかんだで完結までは付き合うとは思いますが。で、どちらかというと、同時発売の『機動戦士ゼータガンダム1/2』の方が面白かったり。
Zの時代を舞台に、ファンサービスを盛り込みつつ、ある種の“お伽噺”として描かれたこちらは長谷川節全開の話で、長谷川的トンデモとドラマ性がうまく噛み合ったなかなかの良作。
やはりこの人は、これぐらい弾けたネタの方が面白い。
……でまあ、そう考えると、今ではすっかり受け入れられているような雰囲気がありますが、クロスボーン・ガンダムも当時はかなり弾けていたわけで(富野か長谷川裕一カトキハジメか誰が言い出したのか知りませんがそもそもMSがマントをつけているという馬鹿ネタ)、『鋼鉄の七人』は今後、どこまで再び弾けられるのか、に期待した方が良いのかもしれない。というわけで何かとんでもない馬鹿ネタを期待したいなぁ。富野が「この先のシナリオを是非書かせてくれ」と言いに来るぐらい凄いのをお願いします、長谷川先生(笑)