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『史記』(横山光輝)が面白すぎる

そしてずっと、「しょうりまい」だと思っていたのが、「しょうりばつ」だと知る(^^;
楚の武将ではかなり好きです「しょうりばつ」。顔としては『項羽と劉邦』バージョンの、糸目が好きでしたが。最初、楚王の後継者を探すという、非常にあてのない役で出てくるので、もしやその一事で歴史に名を残してしまった文官か何かかしらん、と思っていたら、立派な武将として出世してビックリ。楚陣営ではかなり有能な将軍として活躍するも、ひたすら報われないまま最後まで項羽に付き合い、しかしとうとう四面楚歌にして脱走するという。
あと『史記』では、のちのちの活躍も見越してかと思いますが、陳平が美形キャラになっていてこれもビックリ(笑) 司馬遼太郎の『項羽と劉邦』によると、かなり面相の良い人物であったと描写されているので、美形キャラの方が史実のイメージに近いようですが。『項羽と劉邦』だと、ただの髭文官キャラで、身ぐるみ剥がされて全裸で逃げてきたり、ちょっと面白キャラ状態でしたからね。
しかしなぁ、骨の髄まで染まっているから、と言われてしまうとそれまでなんですけど、大先生のマンガはなんでこんなに面白いんだろうなぁ。『史記』の幾つかのエピソードを大先生より面白く描ける作家はいるかもしれないけれど、『史記』全てを描けるのは大先生だけ、という所が横山光輝横山光輝たる所以であろうなぁとは思うわけですが。
他の大家と較べた時に、後年の横山光輝のオリジナリティをくさす批評家もありますが、この領域はもはや“マンガという表現における一つのオリジナリティ”として成立しているし、これはもっと評価されてしかるべき点ではないかと思います。
……と、ブームが来ているので、久々に大先生について熱っぽく語ってみる。
ああもうほんと、かえすがえすも、この方の(我々にとって)早すぎた死去は悔やまれてなりません。
後これは最近、冗談抜きで思う事なんですが、おそらく、日本の漫画界における大家と呼ぶべき作家の作品で、もっとも最後までコミックスが読みつがれるのは『三国志』か『ドラえもん』になるだろうと思います。
単純に、本屋として棚に残すべきマンガとしての価値が高い、という事なんですけどね(笑)
……ちなみにこの理屈を用いた場合に、手塚治虫のマンガで棚に最後まで残る確率がもっとも高い作品は何になるでしょう?(なぜか成り行きで唐突にクイズ)
正解は、次回の更新で(笑)
まあ勿論、地域差などもありますので絶対の答とは言い切りませんが、少なくとも二択ぐらいまでは、実は割と簡単に絞られてしまったりします。