例によって、「最近」の示す範囲は割と大雑把に広いので、大らかに受け止めてください。
- 作者: 畑健二郎
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2005/02/18
- メディア: コミック
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あー、なんだろう、とりあえず自分の中にまだ、こういうマンガを面白いと思う感覚が残っていた事に驚いた(笑)
こういうマンガ、ってどいういうマンガだ、と言われると説明が難しいのですが、伏せ字のパロディネタがギャグとして飛び交うマンガ、というと一番ニュアンスは近いでしょうか。……とはいえこのマンガの場合は、ギャグとして完結しているわけではなく、あくまで本筋はドラマ進行なんですが。
個人的に好感を持ったのは、作者が自分の絵が上手くないという事を自覚した上で(というかむしろ、してないとは思いたくないのですが)、“ここは格好いいと思ってほしい所”とか“ここは可愛いと思ってほしい所”というカットにちゃんと力点を置いて、決めゴマにメッセージ性を持たせる努力をしている事。
まあそれが私が受け取りやすかった、というのもあるかとは思うのですけど、自分の画力を、マンガ内のメリハリによってフォローするという作業をきちんとしている所はかなり評価します。
というか正直、それが出来てなかったら多分1巻で力尽きていたので(笑)
わかりやすい所で説明すれば、例えばマリアさん初登場のシーンで、ナレーションまでかぶせて、マリアさんが少年のときめく対象に成り得るキャラであり、このマンガの世界観における「かなりの美人」である事をちゃんと説明している事で、その後の展開がきちんと読者にわかるように成立する。
勿論、絵だけでそれが伝わればそれはそれで良いわけですが、恐らく自分の作画ではその説得力が無いという事を自覚した上でやっているのでしょうし、その方針がマンガ全体を通して行われている(ゆえに自覚的であると判断するのですが)というのが立派。で、それを積み重ねているから、11巻における西沢さんのシーンとかが“いい絵”として成立する辺りは、かなり達者な事をしていると思います(もっともあそこは、かなりはまった、というのはあるでしょうが。ただ、そのはまりも、きちんとメリハリを積み重ねているから、というのはあるかと)。
画の説得力を、説明力でフォローしている、というか。
そういう観点でいえば、今時の少年マンガとしては珍しいぐらい、テキストと演出に凝っているなぁと。なんだろう、自分の好きな描き方を貫く、というよりも、自分の持っている技術でどこまで面白く作れるか、というやや職人的な方向性というか。
少し古典寄りといえばいいのか……「女の子が顔を赤らめる」というのは男が持っている“可愛い”のアンテナに引っかかりやすい、という基本則に忠実な所とか(笑)
どの程度まで意図しているのかわからない時間の刻み方の点も含めて、どこに持っていってオトす気なのかは興味深いマンガではあります。主人公が幼女に興味ないといっても所詮3歳差なので、数年経てばあまり意味ないしなぁ(笑) とはいえ、11巻まで読んだ限りでは、一番経っているフラグはマリアさんな気しますが。
あと余談ですが、執事好きとしてはそんなにというか全然引っかかってません。どちらかといえば、執事好きとしてはクラウスさん応援したいぐらいで(笑) せめてメガネがあれば…………!(何が)
- 作者: 村枝賢一,石ノ森章太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/04/23
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後まあ、ある意味では村枝さんが巧すぎる故、の弊害と言えるかもしれないのですが、“ZX編としての面白さ”よりも、“燃えシチュエーション漫画としての熱さ”の方が勝ってしまっている。部分部分では熱くて格好いい所あるのですけど、それを繋ぐ物語が面白いかというと正直に微妙な所があって、その点で、シチュエーション漫画として成立していた1〜3巻の内容を超えるに到らないまま、この巻数来てしまった、というのがこの漫画の不幸というか失策でないかという気はしています。この巻でいえば、Xとコンラッドの共闘とかアポロガイスト登場とかのシーンは熱いのですけど、それ以上でも以下でもない。勿論、間を繋ぐ物語があるから、決め場面が映えるわけですが、そのギャップが広がりすぎて埋まらないまま来てしまっている感があって、もう少し骨子の話がシンプルだった方が良かったのではないなかなぁと最近は思う次第です。
あと、アマゾンとか数年単位で出てきてない気がするので、さすがにどうかと思う(笑)
- 作者: 村枝賢一,小田克己
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/04/23
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なんというか、村枝さんおよび構成者の愛が迸りまくり。いや、熱かったです。面白かった。
にしても、1話がプロデューサー、2〜4話が大野剣友会がメインと、ただひたすらにマニアックな内容でいったい誰が喜ぶんだろう…………あ、私か(笑)
欠点は、インタビューと写真が多数収録されているせいか、ちょっと高い事。
[rakuten:book:12006769:detail]
呉の魯粛を主人公に据え、民衆やその生活に関わる部分をふんだんに取り込みながら語られる、一風変わった『三国志(演義)』もの。
連載が「三国志マガジン」という事で、ある程度は『三国志』に関する知識持っているのが当然の前提という風に理解すべきなのか、細かい説明はあまりなく、連作短編の趣で『三国志』的にはダイジェスト風味に進みます。
面白いのは、国家とか軍隊とかいう色がほぼ全く出てこないで進む事。一番近いニュアンスは恐らく「仲間」。この解釈がリアルかそうでないかはさておき、非常に今風であるなぁと。最後の赤壁の戦いのエピソード辺りでようやく「国家」の存在が感じ取れるのですが、そこに到るまでは、そういう色彩が凄い希薄。
私などは歴史物を読む時にある程度「国」というのを前提条件として考える癖がついてしまっているのですけど、それがまんまひっくり返っているというか、極端な話、このマンガの登場人物達はたとえば将軍レベルでも、国が滅びたら滅びたで漁師に転向したりして暮らしていそうだよなぁと。好き嫌いは人それぞれとして、そういう雰囲気で『三国志』を描いたというのは面白い。
私個人としてはちょっと失敗したというのがありまして、せめて『蒼天航路』が完全に抜けてから読むべきだったなぁと(^^; 『蒼天航路』のすぐに鼻から血を噴き出しそうな人達がまだ抜けきってなくて、なんか劇物と鎮静剤が混ざってしまった状態で脳内で変なミキシングをされてしまい、処理しきれなくなってしまいました(笑)
後そうそう、周瑜がやたらに格好良いので、実は周喩ファン向きな気もする(笑)
- 作者: 寺沢大介
- 出版社/メーカー: 講談社
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初期の頃って“探偵マンガ”だったんですよ。ツボを抑えつつ、無茶をしつつ、正しく探偵物していた。
のですが、ネタの限界というのもあるのでしょうが、ここに来て単なる“食べ物雑学マンガ”となってしまっている。作者がまた、放っておくとヒューマンなんたらに入りがちな人なわけで、食べ物に関する雑学を活かして人助けするマンガ、みたいな匂いになってしまっているのは、かなり残念。
このマンガは、無理を承知で雪山の山荘で巻き込まれた殺人事件を食事で解決とか、密室の謎を解くとか、盗まれた宝石を取り返すとか、そういうテイストを貫いてほしかったです。
この状況を打破するにはもう、ライバルの怪盗を出すしかない気が。
- 『美味しんぼ』(作:/画:)96巻
- 作者: 雁屋哲
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/08/30
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岡星がうつ病になっていました
まあ、去年刊行した巻なので、御存知の方にはもはや今更のネタでありましょうが、いやー、なんかこれできっぱりと、『美味しんぼ』の事を忘れる事が出来そうです。