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∀の怨念

そもそもがMGのキットに初回限定でついてくる小冊子からして何か奇怪なオーラを放っているのですが、ここのところの、各模型(ホビー)誌における『∀ガンダム』特集大行進ときたら、(無論、背景に作ったからにはDVD−BOXもキットも売らなくてはいけないバンダイの思惑もあるであろうとはいえ)どうにもこうにも、虐げられてきた業界内∀ファンの反転攻勢の香りがして仕方ありません。中にはまあ仕事で装っている人もいるかもしれませんが、何だよ結局、貴方も貴方も好きなのか、みたいな(笑)
確認しただけで、模型の合間に氷川竜介*1による作品解説が載っているのが2誌。しかも1誌は2P見開きという強烈なプッシュぷり。
とりあえずファンの方々はプラモデルに興味なくとも一通り読んでおくのをお薦めです。特に必見は『モデルグラフィックス』10月号。シド・ミードによるコメント+富野由悠季インタビュー(共に1P)という充実っぷり。特に富野コメントは、珍しく、ミードさんでまずかった点、についても言及しており、レアです。
今回実は、MGの説明書にも富野はコメント寄せているのですが、上記インタビューなどと総合するとデザイン的な最大の反省点は「∀ガンダムをキャラクターとして成立させられなかった(受け入れさせられなかった)事」であるそうで、「とはいえロボットをキャラクター化するという概念のない人*2に頼んだから覚悟はしていた」というような事も言っているので、どこまで信用するかは各人の富野観次第。
まあ大体、ロボットのキャラクター化に対してある程度カウンター的な事をやってきたのはそもそも富野本人なわけですけど(笑)
ガンダムだけとっても、ニューまでの恐竜的進化をF91において“小型高性能化”というコンセプトを持ち込む事によって一旦リセットし、Vガンダムにいたっては、ヒーローメカが準量産型。成功したかどうかはさておき、Vガンダム鯛焼きっぷりというのは今思えば、主役メカのキャラクター化の破壊以外の何者でもなく(もっとも、後半に入ってさすがにこれは崩れますが)。
ま、∀の場合は、戦闘能力と、デザインと、使用法と、全てがアンバランスという非常に難しいものにしてしまった辺りも受け入れられにくい一因であったかとは思いますが。
私個人はすっかり凄い好きですが。というか1年どっぷり∀見ていると、むしろZとかの顔が変に見えるんでっすってば!(実話)
で、案の定、色々と読んでいたら本編見たくなって、またつまみ視聴したんですが、
「洗濯出動に行かせてもらいます!」
はやっぱり凄いや(笑)
この第21話『ディアナ奮戦』は、“ディアナ様を可愛くしようキャンペーン”の一環で、戦争の現実を知りながら頑張って病院の手伝いをしたりするディアナ様の話というひたすら地味なエピソードで、正直前半から盛り上がりも何も無いのですが、クライマックスが“∀ガンダム、洗濯に行く”(笑) 密かに∀ガンダムの高性能っぷりが垣間見えるエピソードだったりするんですが、逆回転も上下の振動もできますよお嬢様。
MS洗濯機というのも凄いですが、最後、乾燥機+物干し台になる∀ガンダム、というラストカットが圧巻。
いやあ、この話、かなり好きなのですが、改めて素晴らしいトバしっぷりでした。
ホントか嘘かしりませんが、再評価の機運が高まっている、らしいので、是非とも再評価されてほしいものであります。基本的にはメタ的なアニメだとは思うのですが、アニメほとんど見ない・ガンダムもほとんど知らない、という人にかつて見せてけっこう面白がってもらえたので、“ちゃんと作ってあるもの”というのはやはり面白いのだ、と信じたいという意識もある。
ところでバンダイさんは、MGターンエーと同スケールで、MSインアクションのウォドムとか作ってくれませんかねぇ(笑) ハンマー見ていると、ウォドムが欲しくなるんですよ(笑)

*1:この方はもともと∀評価派

*2:シド・ミード