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『仮面ライダー THE NEXT』を見てきた

5点
あっはっは、一桁出ましたよ!!
凄かった。
本当に面白くなかった。
…………いやー、なんかもう、単なるこき下ろしになりそうなのであまり感想書きたくない程、駄目でした(^^;
なんですが、色々と布教したり、ふだん東映を褒めている立場上、悪い時は悪いと書くのも今回義務かと思い、あえて筆を取る事にしますよいやいや。以下、若干内容に触れる部分もありますので、ご了解の上、ご了承下さい。
とりあえず、どうしても見たい、という方以外には正直お勧めしません。ちょっと興味がある……ぐらいなら辞めた方が良いかと思います。女性の方は、出来ればレディースデイに!
冒頭から、“やたらに生活に疲れたような主婦”が料理を準備しているシーンで始まって、その後に出てきたのが“ひきもりのアイドルオタク”。その後、場面替わって“荒れる学校の授業風景”という、なんか時代の風物を取り入れてリアリティを出したつもりなのかしりませんが、開始10分ぐらい、ひたすら萎える映像が続きます。もう、この時点でエンターテイメントしては失格だと思う。
ちょっと、遊び過ぎというかやり過ぎというか、実際、映画終わってみれば、“やたらに生活に疲れたような主婦”とか“ひきもりのアイドルオタク”を出す必然性も無かったといってよく、とにかくこう、映像が汚い。
はっきり言うと、正直、客を楽しませる気があるとは思えない
いや、そういう映画なら良いのですけど、PG12指定だろうがバイオレンス描写を増やしましたという前振りがあろうが、やはり観客は『仮面ライダー』を見に行っているわけで、それに対して誠実であったかというと、大きく疑問。
まあこれは全般に言える事なのですけど、“どこまでやっていいのか”を色々と試している内に、本道を見失ったのかなぁというか、見失った上にどこかとんでもない所に着地してしまった感じ。
とにかく、何をしたかったのかよくわからない映画なのですが、総体としても駄目だし、部分部分もぼろぼろ。誰が責任の中枢に居るのかしりませんが、とりあえず、脚本家と監督は要反省。
というか、井上敏樹は本当に、本人が書いているのか疑問。近年、疑問符のつく作品多かったですが、今回はちょっとどうしようもなかった。真面目に書いてこれだとしたら、脚本家としてまずいと思う。田崎竜太に関しては、もともとそんなに評価高くは無かったですが、こんなフィルム出していたら駄目すぎる。
……なんかもう、そんな表現ばかりですが、いや本当に、久々にどうしようもないものを金を払って見てしまったので、さすがに少し感情的です(笑)
ちなみに今回、色、という点で見れば、白倉色でも井上色でもなく、マニア視点から見ても、いったい誰が先導して何をしたかったのか、かなり不明。
話題のPG12指定ですが、作成側は「怪人などのグロテスク描写」を主張していましたが、まあそちらもあるのでしょうけど、割とホラー色強いです。というか、強すぎ。あと後半、シーン的なものでも演出的なものでもなく、単純なグロ映像を見せられるシーンが結構あるのですが、映画館の大きなスクリーンでひたすらグロ映像を見せられるのは、結構きつい。
なんで『仮面ライダー』見にきてこの映像を見せられないといけないんだろう
とは正直思った。
俳優さん達は、今回けっこう頑張っていると思います。
特にダブルヒロインの女の子二人。いやこの二人が駄目だったら、更にきつかった事請け合い。
黄川田将也演ずる本郷猛は、良し悪しはさておきキャラはちゃんと立って、演技としてもなかなか好演だと思います。人の好い高校教師、というのは合っていると思う。2年前より更に脳がとろけている感じでぼけぼけでしたが。
一文字隼人は本作で一番格好いいキャラですが、その分、一番不幸。
風見志郎は、風見志郎はね、もう、キャラの薄っぺらさがむしろ感動的。いやぁ、キーパーソンの筈なんですけど、酷かった。
もうなんか、なんで110分もかけたんだろうというか、『FIRST』の時に欲しかったなぁ、110分(『FIRST』は90分)。こちらが90分で良かった。
肝心のアクション面も微妙。
まあ、二本目の難しさというのは確かにあって、前作のようにあのリデザインで出てきて、がんがん戦うだけで格好いい、というわけにも行かないだろうという判断あったのかもしれないですが、カタルシス弱し。
最大の失敗は、ショッカーライダー
なんか今回、もしかしたら見た映画館側の問題なのかもしれないですが、画面のトーンがやや暗めで、そんな中でショッカーライダー6人と混戦になると、正直見分けつきません(^^; 多対一であまり長時間戦闘するものではない、という事がよくわかりました。
いらなかったなぁ、ショッカーライダー。
バイクアクションは確かにまあ格好良かったし、それがやりたかったのはわかるんですけど。
終戦も、いまいち盛り上がりませんでしたし。
なーんで、あんな所で戦う事にしたんだろう??
以下、覚えている主なツッコミ所とか幾つか。

  • 今回のショッカーは「目撃者」に優しい。というか、前作以上に人手不足っぽい。
  • 車の中で殺された被害者と直前まで携帯電話で会話していたにも関わらず、全く警察からも無視されるヒロイン。……まあこれは、ショッカーがなんか裏から手を回していると思いこんでも良いですが。
  • 嶋田久作は髭を生やすとかえって普通でつまらない。
  • 「裏切り者は始末する」とショッカー怪人に襲われた翌日に、普通に学校に出勤する本郷猛。前作でもそうでしたが、本格的に脳が溶けているとしか思えない。
  • そしてひたすら見逃される目撃者の女子高生(ヒロイン)。
  • 囲まれると女子高生を置き去りにひたすら逃げる本郷猛。
  • IT社長のキャラ造りなのか、背広の下に何故かジャージズボンの某キャラ(笑) いやこれは、面白かった所ですが。
  • 「おまえには長生きしてほしいんだ」と言いながら、気絶した男を路上に放置していく本郷猛。本格的に脳が(以下略)
  • 「裏切り者」と「目撃者」を泳がせまくったあげく、肝心の作戦を妨害されるショッカー。
  • 最後の最後のワンシーンは“悪ふざけ”という事でいいですか? (最初と最後を“都市伝説”で繋げたかったのはわからないでもないですが、わかった上でも全く面白くないというか必要性がわからない)

えーまあ、監督の腕の差という言葉に集約しておこうかなぁ。
とにかく、どこがどう、というより全体的に酷すぎて、企画段階から問題あったのではないかと疑いたくなる出来。ある意味、このメンバー集めてこれだけつまらないものを作ったというのも凄いかもしれない。
現在、忘却回路が物凄い勢いで映画の内容を抹消しようとしてますが、感想も無事に書いたんで一両日中に全部忘れようかと思います(笑) とりあえず、口直しに『THE FIRST』のDVD見ますよ、ふふっ。