まあ、色々と勘ぐりたくなるタイミングではあるし、遺族感情というものも含めそもそもの発端における意思がどの辺りにあるのかというのはあるにせよ、私個人としては、
創作上のアイデアというのものは、発表からある年月が経ったら(この厳密化は難しいのですが)、公共に還元されたと思うべきではなかろうか
と思っております。
単純に、そのぐらいのつもりでいないと、創作が死ぬ、から。
勿論、物語そのものをいただいているような場合は剽窃として咎められるべきであろうし、元が全くのワンアイデアのみの話でそれをやるのは問題視されるべきでありましょうが(ただその場合は、誰が見ても明らかにアイデア=物語なわけで、物語そのものをいただいている場合と同義になるでしょう)、そうではない場合、ある程度の時間が経ったら、アイデアそのものは共有財産として扱われて良いのではないかと。
ただそれにしても、誰もが知っているような有名なアイデアをそのままいただいたら、作品はそもそも評価されないでしょうし。逆に、そういう有名なアイデアを一ひねりした傑作、というのもある事でしょうしね。
勿論、時代的な問題や商業的な問題というのも絡みはしますが、それでも、良きにつけ悪しきにつけ、ある程度の混沌なくては、いい創作物、というのは生まれないと思います。
もっとも、それを免罪符(言い訳)にしてはまた、いけないというのはありますが。
まあ要するに、もう少し大らかでいいと思うなぁ。
少なくともSFは大らかでなくてはいけないし、大らかでなくてはSFは死ぬと思う。
……まあ大体、星新一にしてから、例えばロバート・シェクリイ(米SF作家)などの影響を受けているのは確かで、探しはしませんし、仮に見つけてもどうとも思いませんが、探せばネタのかぶっている短編の一つか二つはあるのではなかろうか(笑)
なおシェクリイはSF慣れしていない方にも読みやすいと思うので、海外SF入門にはお薦めの作家の一人。
誤解の無いように付け加えますと、星新一はかなり好きです。よくある話かとは思いますが、中学時代に、むさぼるように読んでました。「お〜い、でてこい」(『ボッコちゃん』所収)は、日本の短編小説史上最高レベルの傑作だと思います。や、今回の件で名前を知ったけど星新一って読んだ事ない、という方は、是非ともこれだけは一読をお薦めします。凄いから。
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