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そういえば森見登美彦とか

年末年始で読んだ『夜は短し歩けよ乙女』が割と面白かったので、続けて『太陽の塔』に行ってみたのですが、なんか70ページぐらいまで進んだ所で妙に辛くなってきて、途中で放り投げてしまいました(^^;
なんだろう、文章はまあ、面白いんですけど。
読んでて、単純に辛くなってきてしまった。
それから先日、『ジョーカー・ゲーム』(柳広司)を読了。

ジョーカー・ゲーム

ジョーカー・ゲーム

日本陸軍の機密として設立された、スパイ養成機関“D機関”。陸軍の中にありながら、陸軍の体制・思想そのものと相容れない“D機関”は厄介者扱いをされながらも、かつて自ら優秀なスパイでった“魔王”結城中佐の指揮・指導のもと、その成果をあげていく――。
ミステリ仕立ての物語を、スパイ物のエッセンスで装飾したとでもいえる、スパイミステリ短編集。絶賛するほどではなかったですが、そこそこに楽しめました。収録作では、イギリスに送り込まれたスパイが、ある失態から窮地に陥る「ロビンソン」がお気に入り。
全体的に、提示された要素の表層だけをなぞって物語を作ったというか、スパイ紹介編、とでもいう所が見えるのですが、ここからもう少し練るともっと面白くなるのか、それとも、これ以上は練らないから面白い所でとどまっているのか、やや判断に悩みます。要するに、スパイとはかくあるべし、という要素を比較的わかりやすいミステリの中に取り入れる事によって、ミステリとしてはそれほど目新しくない筋立ての中に新しい面白さを作り出す事に成功しているのですが、かといって、それ以上のものにはならず、そこで終わってしまっている。
これをもう一歩深い所に踏み込んだ形で面白く書けるのかどうか、作者の作品が初読の為に判断がつきません。最後の「XX」は、一番切り込んでいて割と良く出来ているのですが、ここが中継点なのか到達点なのか、それによって個人的な評価はだいぶ変わります。
このぐらい書けるならもう一歩先が見たいかな、とそんな作品集。