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日本一から、一夜明けて

このチームでの日本一を、藤田さんに見て欲しかったなぁ……
そんな事を、しみじみと思いました。
今、私が巨人ファン(実質、原ファンですが)をやっている最大の理由は親の影響ではあるのですが、それがここまで続いたのは、なにより第二次藤田政権のお陰となります。
何度か書いていますが、あの時代の藤田巨人は、そしてそれを率いた藤田元司という監督は、私の中で別格であります。
あのチームには、野球の面白さが溢れていた。
今、その意志を受け継ぐ男――原辰徳が、チームを再建し、ここに日本一を達成した。日本一の回数で、亡き師に並びました。
こんなに嬉しい事はない。
以下、日本シリーズ回顧つらつらと。
総体としては、なんとなく地味なシリーズになった気がします。
しかも両軍がともに、微妙にちぐはぐな状態で、お互い最後まで、完璧に歯車の噛み合った試合、というのがほぼ無かった(第4戦の日本ハムぐらいか?)。
確実に、勝てる所を拾ったチームに勝利が転がり、ミスの出たチームは厳格に負けがついた。
その中で、そこまでの流れからすればミスから巨人に負けがつく筈だった第5戦で、“ミラクル”が起きたのが、結局、シリーズの大きな分岐であったかな、と。
まあ、「第2戦におけるダルビッシュの先発」自体をミラクルと考えても良いかもしれませんが、それを除くと、試合があらゆる意味で“ひっくり返った”のは第5戦のみで、逆にその堅実さこそが、このシリーズの特徴であったという気がします。
敢えて言うなら、日ハムは“好打”のチームで、巨人は“強打”のチーム。その差が微妙に明暗を分けた、と言えるかもしれません。
まあ、両リーグの覇者でありますから、チームに似た要素は出てきて当然といえば当然なのですが、それにしても今年はかなりカラーの近いチーム同士の対戦、となった気がします。

  • 近年の上位チーム
  • 勝ち頭以外の先発陣が、微妙に不安
  • 信頼できる中継ぎ陣
  • 打撃のチームの色が強い
  • その実、機動力と守備力が高い
  • 主力級の選手がトレードで行き来
  • 監督が紳士で二枚目

ハムファンからは異論出るかもしれませんが、こんな感じでしょうか。
更に付け加えると、シリーズ通して、両軍指揮官が「チームの形」にこだわった、まるで申し合わせたかのように、いつも通りの戦いを行った、というのも共通した特徴だったかもしれません。
正直言うと、2戦終わった時点で、谷5番・亀井6番、という入れ替えも有りでないかと思って見ていたのですが、動かさなかった亀井が最終的に勝利を引っ張り込む一因となったというのが、監督・原の強さであり、引きなのでありましょう。
どこぞの名将の人からすれば物足りなかったかもしれませんが、覇者と覇者が真正面からがっぷり四つ、言い方替えれば、足を止めて殴り合った、そんなシリーズであったような気がします。
一つ面白かったのは、両チームが常に一矢を報い続けた事により、互いに互いが、とにかく油断できない、という緊迫感をもたらし続けた事。思えば、この過剰ともいえる緊迫感が、小笠原や稲葉の普段では考えられないようなエラーを生んだのかもしれません。
野球における、一矢を報いる事の大切さ、というのを見ていてこれほど感じたシリーズも無いです。
お陰で、見ている方には非常に胃の痛いシリーズでありましたが(笑)
まあ特に巨人は、坂本とラミレスがあまり良くなかったのが(特にラミレス)、非常にキリキリする展開となりました。シリーズ通して、一番安定していたのは、実は松本か。
確認したら、安打数は松本と阿部がともに7安打でチームトップ。
逆に、後半、稲葉とスレッジを打率2割前後の所まで封じられたのが、一つ勝因ではありましたでしょう。そして金子さんの不在。高橋と小谷野にはやられましたが、お陰で日ハムの打線も繋がりきりませんでした。
今年の巨人は、瞬発力というよりは持久力、というチームだったと思うのですが、そういう、火付きが悪い代わりに拾える勝ちを確実に拾うチーム力、という姿が、今年の日本シリーズの展開と合っての日本一、であったと思います。
強かった、というよりは、確実だった、という言葉を贈りたい。
今年の巨人は、確実なチームであった。
そんな日本一でありました。
ところで、優秀選手賞、亀井よりは、大道さんにあげてほしかったなぁ。他は文句ないですけど。
そんな大道さんは、ビールかけの時に、「MVPは金のあるやつの所にいくなー」と名言(笑)
あと個人的に印象深かったのが、第4戦、ラミレスの3ランの後、実況席でゲストの小久保(ソフトバンク


小久保「いやー、ホームランって、こんなに球場の雰囲気を変えるんですね」
実況「小久保さんが、いつもやっている事ですよ」
多分にゲストよいしょを含んではいるものの、何だかとても印象深いやりとりでした。
今年は第3戦以降の地上波中継のゲストは粒ぞろいというか、聞いていて面白い事が多かったです。第2戦の組員二人は、あれはあれで全否定はしませんが、最低限、両チームの登録メンバーの情報ぐらいは頭に入れておくのが“仕事”だとは思います。好き嫌いでいえば、野村克也氏の愚痴と講釈よりは、マシ。ただ、「この木村というのは、負けてる時に投げるピッチャーですか?」(確か清原)でさすがにむっとして音を消してしまいましたけど。暗に、敗戦処理の投手なのか? と実況に確認しているのですが、2点差の終盤で出てきた中継ぎ投手(シーズンではそれなりの実績)に対して、自分が知らない、という理由だけでそう口にできる無神経さは、仕事で来ている以上、最低限の節度を超えているというべきであり、そういう一線を提示できなかったフジテレビは、まあやっぱり全体としては猛省すべきだと思う(笑)
あと余談ですが、CS辺りから、原の前髪がちょっと気になります。
なんか、変な所から、後退が始まってきているような。
それでも、(過去にも皆やっていたかもしれませんが)胴上げ前に、日ハムのベンチ側に一礼してからグラウンド中央へ向かった原辰徳は格好いい。
キムタク引退を含め、来季の展望については、日を改めて別項で。