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流派倫敦不敗はマスターバリツ

映画シャーロック・ホームズ見てきました。
一言でまとめると、『伯爵令嬢誘拐事件2』でした。
これで興味が持てた人は、映画館にGo!(おぃ)


霧の都、ロンドン。5人の若い娘を惨殺し、今また、悪魔の儀式を行おうとする男。6人目の被害者が出ようとした時、寸前で惨劇を止めたのはロンドン一の名探偵、シャーロック・ホームズ。だが連続殺人事件の犯人であったブラックウッド卿は不適に笑い、死刑執行の直前、己の復活を予言する。
はたして、死刑執行の数日後、ブラックウッド卿の遺体の収められた墓石が内側から砕かれ、彼の姿を見たという目撃者が現れるのだが……その裏に秘められた謎を、ホームズは解く事が出来るのか。
アクション、そしてアクション。
論理よりも推理よりも先に、名探偵のバリツが唸る!
最初の5分ほど、どうなることかと思ったのですが、一息ついた後のホームズの変人ぶりの描写・演出が秀逸で、そこからは話に入れました。
私の脳内ホームズのビジュアルイメージは割とパブリックな方だと思う(帽子・コート・パイプの3点装備に、やや尖った鼻で細面というか)ので、何よりロバート・ダウニー・Jrを、シャーロック・ホームズだと思えるかが心配だったのですが、思ったよりはすんなり、“こういうホームズ”だと思えたので良かったです。
全体的に、数多あるシャーロック・ホームズもののパスティーシュの一編だと思えば、こういうのもありか、という感じ。
スーパーアグレッシブ、そして割とミス多し、なので、完璧超人的ホームズが好きだと、辛いかもしれませんが。
出色なのは、主演二人。
ホームズ役のロバート・ダウニー・Jr(声:藤原啓治)、ワトソン役のジュード・ロウ(声:森川智之)、ともに好演で(日本語吹き替えも良いキャスティング)、金のかかったセットとあいまって、安心して世界に入れます。
やはり金払って映画見るからには、最低このぐらいの水準ではないとなぁ、という出来。
正直、監督の映像演出そのものはあまり上手くないと思うし、シナリオに雑な所もあるのですが、役者の演技が七難隠す、といった具合。
特にジュード・ロウのワトソンは良かった。
ついホームズの面倒を見てしまう、距離感が絶妙。
演出に関しては、個人的にはもう少し溜めのある方が好き、という好みの問題もあるのですが、全体的に何というか気ぜわしい映画。たぶん監督が“画”より“動画”の人だから、なのでしょうが。
ただその中で、現場に残った痕跡から“そこで何があったか”をフラッシュバック的な表現で解析する、ホームズの閃き演出は割と好き。あと、序盤のレストランでのホームズの観察力描写も良かった。惜しむらくは後半にその辺りが今ひとつ生きてこない所ですが。
というか終始、推理→行動、ではなく、行動→推理?、です(笑)
ジャンルでいうと、
本格というよりは、ハードボイルド
ミステリというよりは、スチームパンク
いわば、ハードボイルド・スチームパンク
一歩間違えると、ダブルクロス・トワイライト。
造りそのものは手堅く、激しくトンデモではありませんでしたが。正直に言うと、ネタと気分転換がメインで、そんなに期待していたわけではなかった中で、思っていたより面白かったです。
エンターテイメントかくあれかし、といった感じ。
そういえば見終わった後に気付いたのですが、ホームズのアクションを前面に押し出している割には、劇中で「バリツ」という言葉が使われていません(字幕版でどうかは不明)。まあ、本人が言うのもおかしいし、今更ワトソンが突っ込むのも変ではあるのですが、或いは、明言して濃いファン層に「バリツはあんなのじゃない」とか言われると面倒くさいので固有名詞は避けたのか。
ホームズに関する知識としては「アイリーン・アドラーって誰?」レベルの同行人も、「割と面白かった」と言っていたので、原典の知識が無くても、楽しめる作りにはなっているかと思います。まあ、各キャラの立ち位置がわかりやすいので、飲み込みやすい、というのはあるでしょうが。
原典に詳しい人にはニヤリとする仕掛けとかも仕込んであるのかもしれませんが、私も原作を数冊(たぶん全部は読んでいない)レベルの読者なので、そういうのはわからず。わからなくても充分に楽しめる、というのが重要。
仕込みといえば、男二人の関係ですが、まあ、好きな人は妄想を広げられるのかしらん、ぐらいの入れ方。
私はこの二人に関しては全然そういうのがピンと来ないので、ポイントがわかってないだけかもしれませんけど。ただ以前に監督が権利者かなにかに「次回作でそういうの匂わせるネタ仕込むなら作らせない」と怒られた、とかいうニュースを読んだ事があるので、仕込んだけどカットされた所とかもあるのかも。
興味はない(笑)
とはいえ、ジュード・ロウも何か雑誌のインタビューでその辺りの要素について聞かれて答えていたので、『ホームズ』ものには、考慮されるべき部分ではあるのでしょう。それを含めて、基本のネタは抑えた、というサービス精神に溢れた造りとなっております。
あの人も含めて。
これまでそんなに意識した事なかったのですが、ジュード・ロウが好きになりました。
あと、見終わった後にステッキが欲しくなる映画。
ステッキは紳士の武器だ。
ナポレオンの人と絡むような次回作がもしあるなら、ちょっと気になるかなぁ。
ライヘンバッハにおいて、名探偵のバリツと、教授のブリテン忍法が交錯する! ラスト30分、ひたすら壮絶な格闘シーンとか(笑)


※追記
平日朝一の回という事もあってか、客数は10人少しぐらいでした。まあ、9時半スタートでしたし(^^;
私は見やすくて良かったですが。あと近い映画館が、平日午前中スタートの回は1300円で見られるので、有り難い。ふだん世間と休みが重ならなくて難儀する事もある分、たまには得しないと(笑)
吹き替え版が9:30〜で、字幕版が10:00〜、という上映スケジュールも影響あったのかなぁ、スクリーンは字幕の方が席の多いスクリーン割り当てられていましたが、基本映画見ないので傾向がわからないのですが、字幕の方が、みんな好き?
私は映像演出が気になる方なので出来れば吹き替え版で見たくて、事前に吹き替えの声優が良さそうか調べたり。上述したように、主演二人に関しては文句無し。他も良かったです。たまにやたら格好いい声の警官とか居たり。悪役も、期待通りの渋い声でした。イメージの問題、というのはどうしてもあるかもしれませんが、演技そのものが心配な方には、問題無し、とお薦めしておきます。