- 作者: 七月鏡一,藤原芳秀
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/11/30
- メディア: コミック
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エンターテイメント作品には、ある程度、目に見える作品のベクトル(主人公の目標だったり、明確な敵だったり)というのがあった方が、安心感、という点において読みやすいと思っているのですが、今作の場合、主人公の目的はハッキリしているもののそこへ至る道筋が不明瞭だったり、当座の敵しか出てこない、というのが、若干の不安定さを感じさせていたのが、今巻においてようやく解消され、作品に安定感が出て読みやすくなりました。
何より芯が安定した事で、クロスオーバーキャラが出てきても、風呂敷の拡がり方にぶれが出なくなった事が大きい。
正直、七月さんに関しては、こういう、読者を安心させる形、は早めに造っておいて欲しい(笑)
作者には見えていても読者には見えてない事は当然たくさんあるわけで、ただでさえ過去作品で広げっぱなしを得意とする人がクロスオーバーまでやっている事に読者として多大な不安がつきまとっていたわけですが、風呂敷の輪郭が(ここから広がる可能性も、当然あるとして)見えてきた事で、新キャラどんとこい、ぐらいの安心感が出てきました。
5巻の時に、先への伏線ばかりでいまいち、というような事を書きましたが、それが物語の確かな形を作りだして、先へ向けて明確に走りだした、一つ、ターニングポイント的な巻となった気がします。
後は、走りきってくれる事を祈るのみ。
ところで、私、サンデー連載時からのファンで、「ジーザス=藤沢真吾」を好きな事にはかなり自信があったのですが、それでも、楯先生が出てくると、楯先生超格好いい!! と思う自分に気付いてしまいました(笑)
楯先生は、やっぱりいいなぁ。
七月×藤沢コンビにおける、格好いいイズムの極点なのだと思う。
あと今巻では、海江田カイザさんがポイント高い。
従来、長生きしなかったタイプなので、シリーズのアクセント的にもいい感じです。今巻、既にアッシュより出番多いですが、明らかに、アッシュよりおいしいので頑張ってほしい(笑)