昨日、NHKで放映された『ディープピープル』#7「フォークボール」の回より、もう一つ。
独特のマサカリ投法で知られる、村田兆治。
ある時、南海戦でフォークを投げると、バッターがすっとバットを短く持ち直す、という事が続く。
どうやらこれは、癖から球種を読まれているらしい……と原因を探ると、なんと、大きくバックスイングをとる独特のフォームの為に、3塁コーチャーズボックスから、ボールの握りが丸見え。フォークの握りを確認すると、当時3塁コーチを務めていた南海のブレイザーが、すかさず指笛。バッターはこれに反応してフォークを待つ、という、まさに川崎球場マジック!(観客の少ない事で有名な川崎球場ですが、指笛がバッターボックスまで聞こえたらしい)対策を考えた村田は、下まで降ろした腕を振り上げる途中で、ボールの握りを変更する事に(こういった、癖の読み合い、逆利用などは、現在も色々なピッチャーが工夫しています)。
そういった工夫で投球動作の途中で投げる球種を変える事もあり、当時、村田とキャッチャー間は基本的に、ノーサイン。
ムラタ様曰く 「キャッチャーと以心伝心」
当時、そんな村田の女房役だった袴田英利(現ロッテコーチ)が、ここで忘れられないエピソードを証言。
あるシーズン終盤、最優秀防御率のかかった試合で、本塁打を浴びた村田。
がっくりと項垂れる袴田の眼前に、ぐいっっと顔を近づけて一言、
「なんであんな所に放らせるんだ」
袴田(俺のサインじゃないよ!!!!!!)
こういう人が居るから、ピッチャーは自分勝手伝説がどんどん生まれます(笑)
なおこれを聞いたムラタ様、一応謝った後で、
「今だから向こうも言えるけど、現役の時なら、バッテリー解消だよ」
全く反省していない(笑)
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