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『ダブルクロスリプレイ・ナイツ』(1)感想

極めて強大な力を持つ“遺産”に対処するUGNの特殊部隊の活躍を描き、先月発売で“初心者向け王道展開”を謳う『デイズ』とクロスオーバー要素で展開する新シリーズ。
『デザイア』シリーズで大暴れした若林直美(もはやゲスト扱いなのかどうか)にGM昵懇のベテランプレイヤーを加え、日常に近い所から始まる『デイズ』と対を成すという事で、特殊部隊のプロフェッショナルなキャラをPCに据えて、かなり重い展開。
通常、TRPGは、プレイヤーにかなり重い決断を強いる展開でも、GMにおける最適解やそれに近い救済策というものが用意されている事が多いですが、その最適解が非常に不透明で、第1話はどれを取ってもベストとはいいがたい、非常にえげつないシナリオ。その上で、GMが地の文で“予想していた展開”とか“期待していた展開”について触れていないのが、リプレイとして秀逸。
ダブルクロス』の従来リプレイは、システムのコンセプトも含め、どちらかといえば、“フォーマットに乗った劇的さ”を志向していたと思われますが、今作ではそこから一歩踏み込んでいった際どい所にボールを投げて、プレイヤーがどう打ち返してくるか、更にそれをどう返すか、という挑戦的な意識が前面に出ています(その上で、リプレイ全体のセーフティは、プレイヤーに預けてある)。商業リプレイの中でどこまで出来るか、ゲームデザイナー渾身の一作になりそうな、気配。
また『ナイツ』がそこまでやった事により『デイズ』とのバランスが取れた感はあり、今後二つのシリーズがどう絡んでいくのかも非常に期待を持たせる内容となりました。両シリーズとも、次が楽しみ。