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『特警ウィンスペクター』感想1

というわけで、早速『特警ウィンスペクター』を見てみました。
なお全くの初見。
◆第1話「赤ちゃん暴走!」◆ (監督:東條昭平 脚本:杉村升
今更言うまでも無いですが、主題歌は激熱。
レスキューシリーズ3部作の歌は、OP・ED共に名曲。
OPの文字の入れ方など、物凄く刑事ドラマを意識した感じ。定期的といえば定期的なのですが(元来、戦隊物の背景に『Gメン75’』などがありますし)、前作『ジバン』を受けた上で、更に本格的に、刑事ものと特撮ヒーロー物の融合を志向していたのか。
赤ちゃん誘拐事件の犯人と思われる男が、埠頭でタンクローリーを強奪。
駆けつけた警察官を人間離れした力で投げ飛ばすと、警察の警戒線を突破し、他の車を次々と吹き飛ばしながら暴走する。
1話という事で、景気良くカーアクションで車を破壊していきます。
ヘリによる空撮も交えて、非常にお金かかった感じの気合いの入り方。
「金かけたぜ!」というスタッフの意気込みが、画面全体からびしばしと伝わってきます(笑) いや、金が無いと意気込みが無いわけではないのですが、やはり、金をかけた時の意気込みというのはあるわけで、そういう勢いが物凄い。
パトカーを次々となぎ倒す暴走タンクローリーに、正木長官は警視庁の特殊部隊・ウィンスペクターの出動を発令。バイクル、ウォルター、2体の人型ロボが出撃する。
バイクルは胸部にタイヤがついてバイクモードに変形可能、ウォルターは空中飛行が可能、というのが特徴。
2体とも、中の人の演技が凄いです。
ロボットぽさを出す為に、両者とも無駄に規則的に手を動かしたり、あちこちの演技に気を遣っていて、さすが。
一方、ウィンスペクターの部隊長である香川竜馬は、休暇中だったのか妹が花を育てているビニールハウスの中に居た。そこは元々は見事な花畑があったのだが、2年前に近くの工場から廃液が流れ出す事件があり、不毛の土地となってしまった場所だった。ようやくビニールハウスの一角には花が咲くようになったが、その外は未だに、全く花が育たない。いつか花畑を甦らせる為に「いろいろ勉強したり実験したり」と曰う妹さん。
……じ、実験?
大丈夫ですか、生命改造とかして後半で大変な事になりませんか。
科学は発達したが、人々の心は豊かになったのか……? と主人公の独白で科学技術と環境問題に警鐘をならしますが、この先拾われるのか、とりあえず言ってみただけなのか、極めてベタなのでどうなる事かはわかりません。
その頃、ウィンスペクター所属の女刑事の捜査により、誘拐犯の正体が、R−24という、月面探査用のロボットである事が判明した。元々は、さらわれた赤ん坊の祖父である高沢博士がNASAの依頼を受けて開発したロボットだったが、博士を妬んだ元同僚の黒田博士がそれを改造、高沢博士の孫をさらうとともに、タンクローリーで孫ごと博士の研究所に突っ込み、全てを失わせようとしていたのだった!
出動命令を受けてバイクル、ウォルターと合流した竜馬は、2体にタンクローリーを研究所とは別方向に誘導させる。作戦は成功し、タンクローリーは袋小路の工場地帯に誘導され……たと思ったが、全てを薙ぎ払って突き進むタンクローリー(笑)
パトカーとか駐車場の車とかをひたすら押し潰しながら突き進んでいたタンクローリーですが、ここまで無傷で、更に工場の壁をぶち破り、これも誰かが作ったタンクローリー疑惑。
そして工場地帯に誘導したせいで、大変な事になった後始末(人々の救出)を2体に託した竜馬はタンクローリーを追跡する。
ここでバイクル、ウォルターがレスキューロボとしての機能見せ。激しいカーアクションの合間に、変形とか、個性とか、うまく挟まれています。
その頃、高山博士から得た情報で、女刑事は黒田博士を逮捕。黒田博士にロボットを止めるように言うが、既にインプットされたプログラムを変えるのは不可能だと言う。
女刑事が銃を撃ちまくるのは、『ジバン』の流れでしょうか……今回はさすがに人を狙いませんでしたが(笑)
『ジバン』の女刑事は、いきなり犯人そのものを撃ちまくったからなぁ(笑)
研究所に迫るタンクローリー! 正木本部長以下が防衛線を張るそこへ、竜馬のパトカーが到着する!
正木の指令で、ファイヤーに「着火!」する竜馬。
どうやって変身するのかと思ったら、運転席で変身
ウィンスペクター隊長であるファイヤーは、車体と道路の間に自分を挟み込むと(やりたくてそうなったのか、犯人のビーム攻撃を受けて仕方なくそうなってしまったのかは、今ひとつ不明)、最後は車ごとひっくり返すという荒技でタンクローリーの停車に成功。赤ん坊も無事に救出し、ここに事件は解決を迎えるのであった。
最後、炎上するタンクローリーの中から誘拐犯ロボットが立ち上がるも爆発、残った片手だけが命令の遂行の為に地面を這いずってくる所はいいシーン(ファイヤーが射撃して破壊)。
非常に気合いの入った(そして金のかかった)第1話で、なかなか面白かったです。
前年の『ジバン』が1話からかなり酷かったのに比べると、非常に良い出来。迷走気味になっていたメタルヒーローシリーズの以後の方向性を決めたのもむべなるかな(『ジバン』から堀長文がプロデューサーに入っており、路線の流れとしては前年からなのでしょうが)。アクション担当(竜馬・バイクル・ウォルター)と、捜査担当(女刑事)を分けで並列進行させる事で展開の無理を減じさせ、80年代的ないい加減さを抜こう、という意識もかなり明確に見えます。
まあ、出だしが面白いのはよくある話なので、これからまだ油断はなりませんが。
賑やかし要員と思われる、警視庁に出入りしている喫茶店姉弟はちょっとよくわかりませんが、各キャラクターの見せ方も自然。カーアクションの合間に、ウィンスペクターのロボットが街の人達に親しまれているカットなども入れ、それとなく世界観を提示しているのも秀逸。
後とにかく、着ぐるみ芸が凄い
今後、話がうまく転がって、面白くなってくれるといいなぁ。