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『特警ウィンスペクター』感想3

◎主に自分用登場人物メモ◎
香川竜馬:主人公。警視庁特別救急警察隊ウィンスペクター隊長、警視正。専用車の運転席で「着火」する事によって特殊スーツを身につけ、ファイヤーとして犯罪に立ち向かう。顔は若干パッとしないが、心は熱い。離れて暮らす妹とは二人きりの家族で、妹思い。年齢に対して階級が物凄く高いのは、特殊部隊ゆえの一種の戦時階級みたいなものかもしれない。
バイクル:ウィンスペクター隊員。バイク形態で地上を高速で疾走可能な黄色のロボット。謎の方言を操る。
ウォルター:ウィンスペクター隊員。人間数人を抱えて飛行可能な緑色のロボット。
正木俊介:ウィンスペクターの指揮官。カリスマ性などはあるようだが、説得スキルなどは一切持ち合わせていない。宮内洋だから仕方がない。主な文中通称「本部長」。
藤野純子:ウィンスペクター所属の女刑事。銃を撃つのが好きだが、前年までと違い、今回はちゃんと足を狙う。主な文中通称「女刑事」。
小山久子:警視庁近くの喫茶店「CHACO」のマスター。その正体は、正木本部長より密かに使命された、ウィンスペクター専属の秘密捜査官。父親は正木本部長の親友で刑事だったが、殉職しており、姉一人弟一人の家族。主な文中通称「お姉さん」「小山姉」「隠密同心」。
小山良太:久子の弟。10歳。「CHACO」のコーヒーを警視庁に運んだりしているらしく、平気で特警の本部に入り込んだりしている。主な文中通称「小山弟」「少年」。
香川優子:竜馬の妹。千葉在住。工場の廃液で汚染された土壌に花畑を取り戻す為、日々、勉強や実験を繰り返す未来の大博士花好きの少女。離れて暮らす兄を気遣う、ひたすらよく出来た妹。主な文中通称「主人公妹」。
六角虎五郎:ウィンスペクターとよく絡む事になる刑事。階級は警部。
マドックス:ウィンスペクター本部のとても凄いコンピューター。喋る。


◆第3話「友情に乾杯!」◆ (監督:小笠原猛 脚本:宮下隼一)
とある研究所から、新開発のワクチンと、その成分の元となった猛毒を持つ稀少なヘビが盗まれる。
産業スパイ・ヘンリー野口の手下として盗みを働いた、前科3犯の鶴田と前科2犯の亀田、通称・鶴亀ブラザーズだったが、逃走中に毒ヘビを逃してしまい、それを知った警察とヘンリー野口達が共に毒ヘビの行方を追う事となる。
今回、女刑事は竜馬と一緒に研究所へ赴き、その間に隠密同心のお姉さんが泥棒の足取りを追う、という併用展開。女刑事がヘビについて超説明台詞で解説している内に、お姉さんがヘビを入れていたと思われる箱が割れて捨てられているのを発見し、ヘビが逃げたらしい事を伝える、という分業体制。
空き地の工事現場で友人テツオがその毒ヘビに噛まれてしまい、特警本部へ直電する良太少年だが、そこを鶴亀ブラザーズに捕まってしまう。やってきたヘンリー野口はヘビの毒を取り出して利用しようと、噛まれたテツオを病院と偽ってアジトへ連れていこうと車に運び、それを怪しんだ良太少年は、始末されそうになって、ドラム缶に詰められる。
更に上から土
ショベルカーで容赦なく土
駆けつけた竜馬達によって救出されるものの、なかなかのトラウマ体験です。
しかしお姉さんは竜馬ばかりか、女刑事とも一緒に行動しており、前回「敵を欺くにはまず味方から」と仰っていた本部長ですが、いったい誰を欺いているのか。
捕まえた鶴亀ブラザーズからヘンリー野口のアジトの場所を聞き出し、バイクル・ウォルターと共に向かう竜馬だったが、アジトには監視カメラどころか、ミサイルやビームまで付いていた
ヘンリー野口の「まとめてブリキにしてやる」は名台詞(笑)
慌ててパトカーへ戻って「着火」する竜馬は何とかアジトの防衛網を突破し、テツオ少年を保護。途中でアジトの中が炎に包まれると、少年ともども捕まえたヘンリー野口にもバックパックから酸素吸入。悪人だって助けるさ、どんな生命もおなじまぶしさ。
気合いが入りまくっていた1・2話に比べるとだいぶ落ち着きましたが、ギリギリ及第点か。宮下脚本が毎回このぐらいの出来だと、期待度が低くなってしまいますが。
ウィンスペクターの場合、怪人と戦う「バトル」がメインなのではなく、その回の物語に合わせた「レスキューアクション」がメインとなる為、そこにドラマを乗せる必要が出てくるというのが、長所であり短所。
極端な話、「バトル」は敵が強くて憎たらしければ成立しますが、ウィンスペクターの場合は共通した敵/悪役、同等の戦闘能力を持った怪人、というのが存在するわけではないので、物語と繋げないと「レスキューアクション」が見せ場として成立しない。
勿論、絵の迫力だけで持っていく事も演出次第では出来ますが、作品として志向しているのは、それにドラマを乗せるという一段上でしょうし、その点において今回は、後半のバトルがただドタバタしていただけなのが残念でした。
あと、全体的にやたらな説明台詞が多かったのは何とかならなかったのか(^^;
序盤なので話をわかりやすくという配慮だったのかもしれませんが、対象年齢を考慮した上でも、そこまでやらなくても、といった感じでした。


◆第4話「命を運ぶドロボウ」◆ (監督:小笠原猛 脚本:宮下隼一)
逃亡中の宝石泥棒が小学生の女の子を人質にし、工事中のビルの屋上に逃げ込む。警官隊が手出しを出来ない状況へウィンスペクター部隊が空から奇襲。泥棒の気が逸れた所で警官隊も屋上へ辿り着くが、パニックを起こした犯人は強引に逃亡しようとし、混乱の中、人質の女の子がビルから転落、全身打撲で意識不明の重体となってしまう。
緊急手術が行われたが、少女が特殊なアレルギー体質だった為、肝臓の移植手術を行う事ができない。養女であった彼女の肉親は、養子となる前に預けられていた施設にいた兄だけだったが、10歳年上の兄はなんと、今では指名手配中のハイテク金庫泥棒だった!
少女を助ける為の手術タイムリミットはあと2時間。いったいどうやって指名手配で潜伏中の男を捜し出すのか……と思い悩んでいた時、とうせい銀行の金庫に何者かが侵入、メインコンピュータからの非常信号をマドックスがキャッチする。
それによると、銀行のメインコンピューターが外部からアクセスを受けた際に何らかの回路がショート、データ保持のためのセキュリティが働き、このままでは自爆装置が作動して金庫室が爆発するという。
とうせい銀行さんは、表沙汰にできない金の動きをそんなに抱えているのか
データはともかく、このままでは、金庫室に潜入した男が爆破に巻き込まれてしまう。マドックスに防犯カメラの映像をチェックさせると、そこに映っていたのはなんと、問題の兄だった!
金庫室に閉じこめられた男を助け出す為、ウィンスペクター出動! 地下から金庫室へとアプローチする。
前回、クレーン車を撃破したウォルターの飛行ユニットは、電動ノコギリのようにもつかえる事が判明。金庫室の床をくりぬいた一人と二体は内部へ入る事に成功する。
金庫室へ飛び上がる時、なぜか竜馬も、ジェット噴射みたいな垂直ジャンプ(笑)
竜馬から妹の命を救う為に病院へ、と説得を受ける兄だったが、「妹とは縁は切った」と逃げ出す。
そこへ襲いくる、レーザー攻撃
……銀行の
ハイテク金庫強盗(この兄の事なので因果応報ではある)が頻発しているので、独自のセキュリティを導入・強化したという銀行側の説明は一応入るのですが、責任者出てこい。
或いは外部委託で、鮫島とか時村とかいう苗字の人に頼んでしまったのか。
この銀行のパンフにはきっと、


当行からのお約束。
お預かりした顧客データは、どんな事をしても、お守りします。
万が一の場合は、金庫室ごと爆破。
あらゆるメモリーの欠片すら残らない、完璧な防犯対策です。
また、銀行内部にはレーザービーム兵器を実装。
もし侵入者があっても、確実に焼き殺します。
万全のセキュリティ、安心の運用、大切な預金は、とうせい銀行へ。
とか、書いてあるに違いありません。
そんなレーザー攻撃を、気合いで突破する犯人
竜馬も後を追うが、犯人をかばって左腕を負傷する。「どうしてそこまで」という犯人に、
「俺が身代わりになってでも、おまえを妹の所へ連れていくぞ!」
と力強く告げ、兄妹の想いを語る竜馬さん、顔は微妙にちんぴら風だけど格好いい。
竜馬の気迫に押される形で確保した犯人を連れ、金庫室へ戻る竜馬。だが、銀行のセキュリティシステムは確実に進行していた。
「爆発まであと3分です」
オカシイ、オカシイよこの銀行
自爆装置の作動を食い止める為、犯人の男へ自分で病院へ行くように促し、自らはファイヤーへと「着火」する竜馬。
「このまま逃げるかもしれないぜ」という男に
「俺は信じる。同じ妹を持つお前を」
で済ましていいかは結構微妙ですが、今回は竜馬さん格好いい話という事で大目に。
それにしても、少し傷を負っただけで着火のタイムリミットが大幅に短縮されるあのスーツはどうなのか。改良の余地が、というより、割と実験装備っぽいのですが。
…………竜馬の階級がやたらに高いのは、本部長と「死して屍拾うもの無し」的な契約でもしているからか。
ファイヤー、バイクル、ウォルター、の活躍により、自爆装置の作動寸前に銀行のコンピュータの停止に成功。犯人の男も、自分を信じてくれた竜馬の思いに応えて病院へと姿を見せ、少女の手術も無事に成功するのであった。
ラスト、逮捕前に妹と面会した男の姿を見ながら、六角刑事、男泣き。1話の頃には本部長に突っかかっている感じだったのが、3・4話では竜馬相手に一歩引いている感じの対応だったり、まだキャラが固まっていない感じ全開ではありますが、割と人情派路線になるのかしら。竜馬に敬語なのは、階級の差でしょうが(警視正は警部の二つ上)。
3話の出来から心配していた宮下脚本ですが、今回は「兄妹」というキーワードで主役を立てつつ巧く物語の軸と絡め、なかなかの出来。これぐらいの水準を保ってくれると、見る方としては嬉しい。
先週の配信分では特に気にならなかったでどう使っていたか覚えていないのですが、アイキャッチの入れ方が格好いいので、演出的には続けて欲しい。