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『未来戦隊タイムレンジャー』感想5

先週分。
◆CaseFile.9「ドンの憂鬱」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子

ロンダーズファミリー、雑誌に特集される。
一緒にタイムレンジャーも掲載される。

と、強烈に意欲的な展開。
只でさえ時間SF要素を取り込んでいる所に、マスコミを絡める、という実に挑戦的なボール。
事務所で自分たちの特集された雑誌を見てはしゃぐタツヤ、ドモン、シオン。難しい顔のユウリと、我関せずのアヤセ……から、5人のそれぞれの仕事と日常の風景に。タツヤは空手道場、シオンは時計の修理、ユウリさんの所にも探偵仕事の依頼が来て……ドモンはほぼナンパの護身術教室ビラくばりを続け、アヤセは、まだ教習所に通っていた。
金を稼いでないのは、アヤセとドモン。
アヤセはむしろ、金がかかっています。
もうさ、アヤセさんはホストクラ(以下検閲)。
一方ロンダーズファミリーでは、ドルネロ様が「毎週一つずつパーツが付いて、100号集めて江戸城が完成!」みたいな模型を作っていた。何かと思ったら、以前にリラに言っていた“地球のてっぺんにぶっ建てる俺の城”の模型でした。自分でパーツ造形からしたのだとすると、ドルネロ様、割と職人的趣味人。
のんびりしているドルネロに、金の集まりが悪いとリラが眉を逆立てる中、ギエンが床に落ちていた怪人を解凍する。そこから現れたのは、悪徳警官・アーノルドK。なんと、ドルネロの昔なじみであり、以前のファミリーの協力者であった。
ドルネロと“ガキの頃からの付き合い”だというアーノルドKはドルネロを「兄弟」と呼び、やたらにフランク。いっぽうギエンとリラには横柄な態度を取って、二人を怒らせる、と解凍されで数秒でファミリーの幹部気取りという、嫌な感じの昔馴染み全開。
ドルネロ様いわく、「悪いやつじゃねえよ、悪いやつじゃな」。
まあ、“ガキの頃からの付き合い”の兄弟分なのに、20世紀への脱出後に真っ先に解凍されたわけでもない、という点でドルネロ様の胸の内は推して知るべし、といった所でしょうか。この辺りのファミリー間のやり取りは如何にもなギャング映画の雰囲気で、アーノルドKの小物臭も含めて脚本家ノリノリ。
街に出たアーノルドKは道行く車を無理矢理に停め、「道路交通法違反で罰金だ」と滅茶苦茶な調子で金を巻き上げようとするが、路上教習でたまたま通りがかったアヤセに見つかり(凄く、やる気なさそうに変身)、駆けつけたタイムレンジャーに撃退される。そんな戦いを物陰から激写するカメラマン達の姿に、慌てて退散するタイムレンジャー
アジトへ退散したアーノルドKは、壊れた銃を直せとギエンさんを「金ぴか」呼ばわりして怒らせるなど、引き続き、我が物顔。
挙げ句の果てに、一言。
「なぁ兄弟、持つべき者は古い友達だぜ。欲得づくで繋がってる奴は、すぐに裏切る」

リラ「それって、あたしの事かしら」
ギエン「私の事のようにも聞こえたが」

怒る二人。
……あれ、二人とも、“欲得”オンリー?(笑) 1話の過去にワープする計画の時にドン自らけっこう危ない橋を渡っているので、もう少し、情のある関係かと思っていましたが、思った以上に揃ってビジネスライクなのでしょうか。
仲間内のいざこざは嫌いだ、と仲裁に入るドルネロ。
「思い出すよなぁ、二人で盗んだ食いもん、半分ずつわけあってた頃をよぉ。あれが仲間だ、なぁ兄弟」
アーノルドKうざい、素晴らしくうざい(笑)
ファミリーに険悪な空気が募り、このままではアーノルドKがファミリーで幅を利かすのではと危惧したギエンとリラはどこかへ姿を消す。一方、何事か思いを巡らせたドルネロは、兄弟分に対タイムレンジャー用の強力な銃のアタッチメントを渡す。それを持って再び街へ繰り出したアーノルドKはタイムレンジャーと戦闘に。そのアーノルドKを暗殺しようと、物陰から銃で狙うギエン、そしてリラ。だがギエンが引き金を引くよりも早く、ドルネロから渡されたアタッチメントを使おうとしたアーノルドKの銃が暴発する。
ダメージを受けたアーノルドKは合体武器で圧縮冷凍されるよりはと、自ら巨大化。しかしさくっとタイムロボアルファに敗れるのであった。
アジトへ戻ったギエンとリラに、銃の暴発は自分の仕掛けだと説明するドルネロ。
「言ったろう。仲間内のいざこざは、嫌いなんだ。どっちか選ばなきゃならねぇとしたら、昔なじみより金と欲で繋がった仲間だ。そっちの絆の方がつええからなぁ」
ドルネロ様、超格好いい。
ギエンとリラが笑いながら満足して去って行った後、模型を作りながら呟くドルネロ。
「それに……、殺されちまうよりはマシだろう、アーノルド」
部下の心理を読み、人材の使いでを考えた上で、タイムレンジャーに倒される分には圧縮冷凍で済むという計算の元に事前に手を打ったドルネロ様の見事な手筈。
作品の特性(敵は圧縮冷凍)を物語に活かすと同時に、ここまでそれ程カリスマ的な部分の無かったドン・ドルネロの、ファミリーのボスとしての人心掌握術その他の器の大きさを描く事で、ロンダーズ・ファミリーにも一段と深みの出た、名シナリオ。
潰れたクジラみたいなほとんど動けない着ぐるみで、巧く雰囲気を出す中の人と、微妙な抑揚で声に表情をつける大友龍三郎さんの演技もお見事。
一方世間では、「タイムレンジャーは警視庁の秘密部隊」であるという報道が一人歩きしていた。マスコミ各社からの取材に対して「ノーコメント」を貫く警視庁ではあったが、
「我々も各方面に協力を要請して、動き始めているんだ」
と、意味深な台詞。
そして、アヤセさん、免許取得。
やっと、金食い虫から卒業です
ちょっとした祝杯があげられるが、突然、そのグラスを取り落とすアヤセ。なんでもない、と独りその場を離れるアヤセだが、建物の外へ出た所で心臓を抑えてうずくまる……。
Bパート早々に怪人を倒してロボット戦長め(出撃シーン、変形シーンのバンクなど完全使用)、そして最後に二つの伏線シーンを入れるという、変則的な構成。
冒頭の雑誌の特集に始まり、ロンダーズ・ファミリーを深めながら、マスコミの記者登場、動き出す現代の警視庁など、タイムレンジャーを取り巻く環境に変化が……と、盛りだくさんで意欲的な内容。この先どの要素がどれだけ活かされて物語がどう転がっていくかはわかりませんが、一つだけハッキリしているのは、現時点でのヒロインはアヤセ


◆CaseFile.10「明日への脱出」◆ (監督:坂本太郎 脚本:小林靖子
前回ラストの続きから、そのまま。外に出たまま戻ってこないアヤセを心配して様子を見に行くタツヤだが、既に平静を取り戻したアヤセにつれなくあしらわれる。以後、様子が気になるタツヤだが、話を聞こうとしても避けられてしまう。
というかタツヤは、なぜ、アヤセの肩に手を置いて耳元で囁きますか。
アヤセがヒロインだからですか、そうですか……なら仕方ない(待て)。
そんなある日、タックが強い時空パルスを感知する。自然現象の可能性もあるが、人為的だとしたら、ロンダーズファミリーが関係しているに違いない。確認をしに向かうタツヤとアヤセだったが、それはロンダーズファミリーが解凍し、タイムレンジャーの首に賞金をかける事で雇った、傭兵オーグの罠だった!
強烈な時空パルスの発信機によってクロノチェンジャーが故障。変身できなくなった二人は倉庫に閉じこめられ、タツヤが携帯電話でトゥモローリサーチに連絡を取ろうとするが、通じない。……料金未払いで。そして発信機と共に仕掛けられていた爆弾が爆発し、アヤセがタツヤをかばうが、二人ともに負傷してしまう。
倉庫内部がぼろぼろになる程の派手な爆発だった割には、二人とも意外と大丈夫(笑)
未来の犯罪者なので、現代の火薬の使用量を見誤ったか。
一方、クロノチェンジャーからの通信が途絶えるなど異常を感じたトゥモローリサーチでは、携帯電話も通じないのを確認したユウリがシオンに電話代の振り込みを頼み、ドモンと共に現場へと向かう。
その頃、姿を見せた傭兵オーグから逃げ回る二人は、変身できないまま、生身でボコられていた。ここ2回ほど動きにくそうな寸胴デザインが続いていたロンダーズ怪人ですが、今回は動きやすそうなスマートなデザインで、なかなか強力。タツヤとアヤセの二人が本格的なピンチなのが、緊迫感が出ていて良いです。
倉庫街を逃げ回る二人は一つの部屋へ逃げ込むが、何とそこは使われていない業務用冷凍庫だった。オーグによって外から鍵をかけられ、冷凍庫のスイッチを入れられ、大ピンチに。
密室の冷凍庫に閉じこめられて二人きり
何かを邪推してほしいとしか思えない展開(おぃ)
……えー、あれー、ここは普通、ユウリさんと閉じこめられて、タツヤがユウリさんに上着をかけるとかじゃないかという気はするのですが…………まあ、ユウリさんは、精神力で耐えそうな気はしないでもない。
(真面目な話としては、ユウリさんはそういう方向性は目指していないのでしょうが)。
二人を捜して近くまで来ていたユウリとドモンも、二人に気付かないまま、オーグとの戦闘にもつれこんでしまう。
鍛えている割に寒さに弱いのか、速攻で辛そうなタツヤに、自分の上着をかけるアヤセ
「よせよ、なんですぐそういう事するんだよ」
爆発から身を挺して自分をかばった事といい、3話での出来事といい、アヤセが自分の身を犠牲にしがちな事を批判するタツヤ(上着は返しました)。意識を失わない為に何か会話をという事もあり、アヤセはそんなタツヤに自分の秘密を語る。
オシリス症候群……それは発症から数年の内に、心臓が突然停止するという原因不明の奇病。アヤセは3000年の未来でも治療法の発見されていない不治の病で、余命1年か2年と診断されていた。レーサーになる際に受けた健康診断で病気が発見され、夢を絶たれてしばらくは荒れた生活を送っていたアヤセだが、限られた時間でもどうしようもなく生きたい自分を自覚するに至る。



「俺が、誰かのために、危険を冒したとしたら、それは、犠牲とかそんなんじゃない。
多分、ちょっとは死ぬって事の重さが、わかるからかな。見てられないんだ。
……おまえが、明日を変えるられって言った時は、本当にそう出来るような気がしたよ。タイムレンジャーやってれば、本当に」


「俺……もっと軽いノリで言ったんだっ。明日を変えるって」
「ああ」
「死ぬかもしれないってのが、こんなに怖いって事も知らなかった」
「ああ」
「おまえ、ずっとこんな……」
「しっかりしろ。絶対に生きて、ここを出ようぜ」

絶体絶命の二人(それも現代人の科学力で)だったが、その時、タツヤの携帯電話にシオンからの着信が! 電話代を振り込んだシオンが、二人の閉じこめられた冷凍庫に駆けつける。
ユウリさん、地味なファインプレイ
「ぼく、電話代振り込んでおきましたから、もう大丈夫ですよ」と天然ボケで場をなごませつつ、シオンがクロノチェンジャーも修理。
オーグに苦戦するユウリとドモンの元に3人が駆けつけ、5人揃ったタイムレンジャーはオーグを撃破。イベントが進行してフラグが立ったので、赤×青で合体技も使えるようになりました。
「5人揃えて2500万」と賞金の為に自ら巨大化するオーグだったが、タイムロボアルファのすれ違い様の一撃で試合終了。合体時間の方が長かった(笑)
戦い終わって事務所。今回の陰のMVPであるシオンが立て替えた携帯電話の通話料が23,864円というのを見て、仲間に分担をせびるタツヤ。明らかに、たまに使ったというドモンが、悪い事をしている値段ですが、ユウリさんの「甘やかさないように」というお達しにより、皆の反応は冷たい(除くシオン)。
そもそも、まだ働いていないアヤセさんには、たぶん金がない。
こうしてまた 一つフラグを立てた赤と青 新たな絆を得たタイムレンジャーだったが、その財政事情は辛く厳しく世知辛いのであった。
ドモンは前回冒頭で、素の食パンかじってたし。
やや変則的な展開で敵サイドに焦点を合わせつつ複数の伏線を引いた9話、仲間の重要な伏線を中心に据えた10話、と毛色は違いますが両方とも脚本家の力が入った面白いエピソードでした。
初登板の坂本監督も、ベテランらしいソツのない演出。
この頃はちょうど、メタルヒーロー仮面ライダーにフォームチェンジして、スタッフが色々と動いていた頃かしら。