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『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』感想(若干のネタバレあり)

『機動武闘伝Gホームズ』もといシャーロック・ホームズ シャドウゲームを見てきました。


ヨーロッパ各地で続発する爆破事件。アナキストの仕業かと思われていたが、名探偵シャーロック・ホームズだけが、その陰で一人の男が糸を引いている事を見抜いていた。男の名は、ジェイムズ・モリアーティ。大学教授にして現イギリス首相の親友、天才的数学者――そして、犯罪界のナポレオン。今ついに、ヨーロッパ全土を巻き込み、二人の天才が対決する。
推理よりも打撃戦の得意なシャーロック・ホームズが大暴れするシリーズ第2弾。
前作が格闘アクション主体だったのと比べると、今作は銃撃アクション多め。全体的に派手さアップ。
ストレートに一般向け大作アクション映画、といった感じの作り。
今作もホームズの推理力は主に近接戦闘において発揮され、その高速思考による先読みは、半ば予知能力のレベル。このホームズの高速思考と鋭敏感覚などの演出は前作と同様ですが、割と格好良くて好き。あらゆるものを見て聞いて感じて、それを高速で演算する事で繋ぎ合わせて解答を導き出す能力(&技術)、という事で、謎解きの要素などは一切無いですが。……アクション娯楽作品なので問題なし。
ホームズが自身の特性を「呪いだ」と言う部分でキャラクターを出しているのも格好いい。
それを踏まえてのホームズの奇人ぶりの演出などは前作同様に面白く、コメディ部分の挟み方のバランスが秀逸。
そしてホームズとワトソンのやり取りの面白さは絶妙。
二人のあれな感じは前作より濃度高めなので、そちらのファンの方には堪らない感じか。
バディものとしては、非常に楽しく出来ています。
なにしろ、役者がいい(吹き替えもいい)。
作品としての本質はバディムービーという所にあって、シャーロック・ホームズという題材とキャラクターを用いて、バディもののアクション娯楽大作に仕立てた映画、という事で、企画と、それをちょっとやりすぎな感じにやりきった事の、勝利。
気になった点としては、やや、全体的に装飾過多。
美術とかにも金がかかっていてそれ自体は凄いのですが、画面がごちゃごちゃとしてしまって、肝心の人間の動きが見づらい所が多々あったのが残念。
前半のホームズvsコサックとか、最初の盛り上げ所でアクションも面白かったのですけど、もう少し、背景が落ち着いていた方が、映像的には映えたかのように思う。
それも含めて、もう少しシンプルにして欲しかった所もあり、武器工場でのアクションなど、やや無駄に派手で長すぎたかな、と。
前作にあったスチームパンクっぽい雰囲気は、今回は舞台がロンドンからヨーロッパを股にかけて移動する分、薄れました。そこは好きな所だったので、少々残念。
シーン的には、オペラの舞台を挿入しながら爆弾が爆発する所は良かったです。
クライマックスより盛り上がった気はしないでもない。
クライマックスは、ある意味、2時間の伏線を張った上でのネタだったし。
物語としては、○○○○○○がまさかあんなに活躍するとは……!
あと新キャラで、ホームズの兄マイクロフトが非常にいい味を出していて、面白かったです。吹き替えの銀河万丈がまた絶妙。
総合的にモリアーティ教授のキャラ造形がやや弱いというか、原作を前提にしすぎている感がありましたが、それは全体的な事で仕方がないか。私はそれほど詳しいわけでは無いので、分かりやすいものしか気付きませんでしたが、細かい原作ネタは相当仕込んでいるっぽいので、一つのパスティーシュとして、フリークほど楽しめる映画であるかもしれません。
好き嫌いでいえば前作の方がバカ度高くて好きですが、映画としてはなかなか面白かったです。
次は夏に、『アヴェンジャーズ』を見に行きたいなぁ。