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『未来戦隊タイムレンジャー』感想10

◆CaseFile.17「ねじれた正拳」◆ (監督:小中肇 脚本:山口亮太
ドルネロ様、出納帳をつけていた事、発覚。
「今の俺達には安定した収入源が必要なんだ」
懐が寂しくなって、器が小さくなってきました(笑)
そんなドルネロに、丁度よいのが居る、とリラが一人の犯罪者を解凍。
その名は、恐喝番長・フラン
……カ、カツアゲですか?
恐喝犯として圧縮冷凍されていたフランは人間(怪人時の声が男なのに、何故か女教師)に化け、群竜会というグループに不良達を組織化。各地の中学校を中心に気弱な生徒達は脅迫してお金を巻き上げ、ロンダーズファミリーに上納金を納めさせる、というシステムを作り上げる……
「カツアゲがこんなに儲かるなんて」
カツアゲでした
……まあ、未来時代のファミリーもきっと、みかじめ料とかで定期収入は得ていたかとは思いますが。
そういう些末な業務は恐らく経理担当がやっていたので、ドルネロ様的には新鮮だったのでしょう。
その頃、空手のレッスンに熱心に通い、個人的に朝練を付けていた誠少年が、この群竜会に目を付けられて苛められている事を知ったタツヤ。なぜ大人に相談しないのかと問うが、「大人は何もしれくれない」と誠少年は頑な。まあ実際、ここでタツヤが出ていけば解決するのかというそうでもない所が、リアルに難しい話だったりはしますが。タツヤの場合は、この辺りの根っこの所のボンボン気質が抜けていないのがキャラクター性として成立しているのは良い所。
復讐の道具に使うならこれ以上は空手を教えられない、とタツヤに告げられた誠だったが、大切に世話していた学校の花壇を不良グループに踏み荒らされた怒りから思わず反撃。その一撃が群竜会のリーダーであった渋谷を瞬殺し、群竜会の新たなリーダーにスカウトされる。
女教師(フラン)の誘導もあり、力と欲望に溺れていく誠。
一方、タツヤからの情報で群竜会を調べたタイムレンジャーは、地区全体で2億近い荒稼ぎをしている事を知り、念のためにその背後関係を調べる事にする。エスカレートする群竜会は学生のみならず、サラリーマンなど学校の外まで恐喝の範囲を広げていき、それを主導する誠の前に立ちはだかるタツヤ。「力が正義だ」と叫ぶ誠に「ならばその正義で俺を倒してみろ」と対峙したタツヤは、敢えて反撃をせずに一方的に誠の攻撃を受けながらも立ち上がり続け、誠に間違いを認めさせる。
ここで、殴り飛ばされたタツヤに思わず駆け寄ろうとしたユウリを、ドモンが止める辺りの小芝居が入っているのが巧い。
もう群竜会は辞めるという誠の前に、正体を現したフランを、叩きのめすタイムレッド。
「俺の正義は金じゃ買えない」
金持ちだから、ボンボンだからさ。
「勇気という名の法律だ」
私的制裁発言
正義って、怖い
……あれ?
ラスト、誠少年のみならず、不良少年達もタツヤの空手教室に通っていて、更正の道を歩みだしている演出が入ったのは、秀逸。
(多分、保護観察処分とか食らってますが)
ドルネロ様の懐も、少しばかり暖かくなりました。
バトルカジノ回に続いて役者の特技(空手経験者)を活かしつつ、ストレートなヒーロー回。王道展開の主人公アピールとしては、過不足ない出来。なんというかタツヤは、いい年のレッドになったなぁという気は、凄くする(笑)
そして次回、ヒロイン(アヤセ)、最大のピンチ?!(おぃ)


◆CaseFile.18「影の予感」◆ (監督:小中肇 脚本:小林靖子
怪しい笑いを浮かべるギエンが、テロリスト・サンドーラを解凍。金儲けなど出来ないぞ、というサンドーラに、ギエンはある研究所からラムダ2000という高純度エネルギーの結晶を入手するように依頼する。
その頃、トゥモローリサーチは仕事を一日休んで、息抜きのバーベキューパーティーに行く準備をしていた。
事務所でドモンとシオンが遊んでいる(ようにしか見えない)中、文句も言わずに一人で車にバーベキューセットを積み込むなど、まめなアヤセ。やはり、やさぐれる前はいい人だったぽい。
そんなアヤセに、至急の運転代行の仕事が飛び込む。距離が近いからと依頼者を送り届けたのは、第三総合研究所。車を駐車場に回すアヤセだが、その間に、サンドーラが研究所を襲撃・占拠。巻き込まれたアヤセは、内部に閉じこめられてしまう。所員にラムダ2000を1キロ作成するよう要求するサンドーラ。アヤセから情報を得たタイムレンジャーは研究所に向かい、アヤセが内側からシャッターを開けて突入する事になる。
第三研究所のセキュリティについて、浅見グループの関係機関でタツヤが一度見学に来た事がある、とスムーズに話を繋ぎつつ、久々にグループの名前が登場。
研究所の外で突撃を待つ内に、セキュリティ解除に時間がかかっているのはアヤセの体調に異変が生じたのでは……と不安になるタツヤ。無事にシャッターが開いて所内に突入すると、人質解放後は逃げ出したサンドーラも追わずに、アヤセを探し求める。
なにこの……(おぃ)
心配されたアヤセだが、警備システムの所でゼニットと戦っていただけで、体は大丈夫だった。
アヤセが病気でピンチ?! という辺りは、予告から色々と思わせぶりだった割に、タツヤの妄想オンリー
仲間想い……という事にしておこう。
サンドーラは戦闘のプロらしく、タイムレンジャー、タイムロボと苦戦させるも、最後はフレスブリザード一閃。
フレスブリザードは発動すると、敵の攻撃を強引に無効化して無敵時間でゲージ全て持っていく、毎度恐ろしい必殺技だなぁ。
しかし正面から攻撃を受け続けた為か、タイムロボも無事では済まなかった……と勝利ポーズで、ダメージ描写。
そして外では、サンドーラがタイムレンジャーとの交戦中に取り落としたラムダ200を、ギエンが回収していた……。
戦い終わって、トゥモローリサーチ社はバーベキューパーティ。
ユウリさんには野菜を切らせない
のは共通認識になっている模様。
シオンも段々、遠慮なく突っ込むようになってきました。
そんな中、少し離れた場所で、病気の事を皆に話すべきだとアヤセに相談するタツヤだが、アヤセは首を縦に振らない。
「俺は、今のままがいい。今のままなら、信じていられるんだ。変わるかもしれない、明日ってやつをな」
遠くから仲間達を見て呟くアヤセの心情としてはよく書けているのですが、これ、作戦中のアクシデントが場合によっては他のメンバーを危険にさらす可能性もあるので、本当はあまり良くない。タツヤはあくまでアヤセの病気の心配ですが、実際に、特殊チームとしては、(人員の交替が効かない以上)共通認識として対応策を本当は練るべき。
そういう意味では、タイムレンジャーは、プロフェッショナルになりきれない集団なわけですが、これはユウリさんを除いては、現場経験が少なすぎるので仕方がない。
そして自分でニンジンを切るというアヤセさんは、やっぱり根はいい人。料理人設定がつきそうになっているのは、蕎麦回を受けてか。
一方、ラムダ2000に関する追跡調査をしていたタックは、それが、30世紀の高性能燃料、Z−3の原型である事に気付く。
アジトでゼニットに何かの作業をさせながら嗤うギエン、第三総合研究所で進行中の秘密プロジェクト、そして未来で目覚める何か――今、幾つかの影が、大きな時空のうねりになろうとしていた……。