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大トミノ祭:『オーバーマン・キングゲイナー』感想2

◆第6話 セント・レーガンの刺客
前回の戦いで鹵獲したオーバーマンのオーバースーツ(特殊能力を発動させる為の追加外装)を剥がすキングゲイナー

ゲイン「女の子の服をぬがせるように優しくやるんだ」
ゲイナー「やった事ないことは、わかりませんよ!」

ゲインさんがいちいち最低ですが、スタッフがノリノリ。
そこへ上空から急襲するミサイル。キングゲイナーで迎撃に成功するが、ミサイルの中には爆薬の代わりに大量のビラが詰まっており、「ゲイン・ビジョウを引き渡せ」という紙が都市ユニットの上に大量に降り注ぐ。
ゲインの引き渡しを要求してきたのは、全世界のドームポリスを統括するロンドン・イマ、その直属部隊のセント・レーガン
その名前に何やら思いを馳せるゲインは、迎撃に出撃したがるアナ姫の説得に成功するが、代わりに姫のペット・リンクス(3匹の総称)をガチコに同乗させる羽目になる(通信機つきで、これが後の展開の伏線になる)。
そして姿を見せる、セント・レーガンのオーバーマン。
サラ「よほどのおバカでなきゃ、正面からなんて」
ガウリ「サラ!」
サラ「何か来たのね」
ガウリ「バカな……来やがった……」
サラ「そういうの、怖いのよ」
真っ正面から。
何故か両手を広げながら。
圧倒的なパワーと装甲を持つゴレームはサラのパンサーを軽くひねり、都市ユニットに接触すると、なんと、持ち上げる(対比で言うと、人間が高層ビルを持ち上げるような感じか)。そして、投げる。
序盤の敵ボス(ヤッサバ)リタイア後の新キャラ初顔見せという事で、新たな敵メカはインパクト充分の大暴れ。パイロットの顔が出ないという演出も、不気味さをかもしだして効果的。
都市ユニットの一つに大ダメージを与えたオーバーマン・ゴレームは一度下がると、ヤッサバを失ったシベリア鉄道の部隊と接触。その頃、“ヤーパンの天井”では、今後の方針が話し合われていた。
ゲイナー「今は、シルエットエンジンもオーバーマンも、都市ユニットの復興に向けるべきしょ。ねぇ?」
ゲイン「ああ。そりゃ、順序だな」
という会話の後に、何故かシベリア鉄道の部隊と合流したセント・レーガンの車両を見下ろているゲインとゲイナー。
ゲイナー「やられたらやりかえす。お礼参りといってな、ヤーパンの正しい伝統だ」
ソリみたいなものに乗って、カチコミをかけるキングゲイナーとガチコ。
ゲイナーに敵オーバーマンを任せ、生身で車両に乗り込むゲインは、セント・レーガンの追撃部隊の指揮を執る因縁の相手、アスハム・ブーンと対峙、最初は割と殺すつもりぐらいの勢いで射撃していますが、結局、泥沼の殴り合いに。
アスハムを追い詰めたかに見えたゲインだが……アスハムはあくまで、ゲインに投降を迫る。
アスハム「それで全てが収まる。カリンと、カリンの子供のこともな」
ゲイン「カリンの子供……なんのことだ」
動揺したゲインに突き刺さるアスハムの膝蹴り、更に髪を掴んで、頭部へのパンチ。
アスハム「おまえの、娘だろうがぁっ!」
ゲイン「俺の……娘?」
アスハム「覚えがないとは、いわせないぞ!」
――ゲインの脳裏に甦る、ロンドンでの思い出。
アスハム「おまえをカリンのもとに連れて帰る」
ゲイン「ちょっと待て! 俺に娘なんて。そんな、バカな! ………………事も、ないかぁ……」
アスハム「問答無用!」
二人の戦いは、飛んできたチェンガンで水入り。
キングゲイナーはオーバースキルによるチョップ攻撃でゴレームをなんとか退け、すたこら逃げる二人。
ゲイナー「あの人、娘さんがどうのって言ってますよ、ゲインさん」
ゲイン「気にするな!」
今回は最初から最後まで、ゲイン、最低。
6話にして主役側メインキャラの一人が、子供つくって姿くらました男になってしまいました。
またこれが、リンクスの通信機を通して、姫サイドにダダ洩れとか。
キングゲイナーのオーバースキルは、3話におけるラッシュロッドとの戦いで説明なしに唐突に発動し、今回は使ってみたもののゲイナーの意図とは違う形で発動したようで、どんな能力なのか、詳しい事は未だ謎。
富野監督の前作『∀ガンダム』でメインライターの一人だった高山治郎が脚本という事もあってか、今回は台詞回しなどに『∀』ぽさが強め。……まあ、いつでも富野節といえば富野節ですが。
前作のギンガナムに続いて子安武人演じるライバルキャラの登場となりましたが(1話でも、ちょっとだけ出ている)、変に皮肉めいた台詞回しなどは富野アニメとしては類型的な感じもあって、現時点でのインパクトは弱め。前回まで話を引っ張ったヤッサバが強烈すぎた、というのもありますが。どちらかというと、知的な戦略家としての顔と、ゲインが絡んだ時の爆発とのギャップで描いていくキャラっぽいので、今後に期待。
話としてはAパートのゴレーム大暴れから、Bパートの殴り合いまで、テンポよく展開して面白かったです。