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大トミノ祭:『オーバーマン・キングゲイナー』感想4

そういえば、7話のラストでゲインがサラを、「男を操る女になるかもしれない」と評するのですが、富野監督は根っこに“可愛い娘に転がされたい”願望があって、その辺りは作品に率直に出るよなーとか。
脚本家・星山博之さん(『ザンボット』『ガンダム』『∀』など参加)が言う所の


富野監督が女の人3人出すとみんな似ちゃうんだよね。自分では違うつもりなんだけど。だから、脚本家の方で変えていかないとまずい。
(NEWTYPE100%COLLECTION『∀ガンダム』VOL,2 より)
というのは、この辺りなのかな、と(笑)
サラにあまりブレーキがかかっていないのは、今回シリーズ構成として参加している大河内一楼が、もしかしたら監督と同じ趣味なのか。どうなのか。
折角なので、同書の星山さんインタビューで、特に面白いと思った事、一つ。

(『∀ガンダム』の)第1話で、一番心を砕いたのは光とか、草の臭いとか。そういうのが欲しかったんだよね。もっとも、僕はいつもそう言うものだから富野監督に「星山さん、匂いなんか出せないんだ」と言われる。『ファーストガンダム』のときもマチルダさんが通ると、大人のいい匂いがしたっていうのを書いて文句を言われたし。
一方に、“映像で匂いが出せると思ってはいけない”という原則があって、一方で“言われればやってみせよう”というものがある、そんなせめぎあいを、思わせるエピソード。
さて、『キングゲイナー』。
◆第10話「アスハムの執念」
物資の買い付けに向かったが予算が足りなかったゲインとゲイナー、ゲインはボクシングの賭け試合に参加して、賞金を稼ごうとする。セント・レーガンの追っ手を目くらましする為に変装する二人、何故かゲイナー、女装。だがそこにアスハムが対戦選手として現れ、試合に負けたゲインはそのまま捕まってしまう。
ゲインは、アスハムの鬱憤晴らしに付き合ってやるのも大変(妹を妊娠させた事について悪くは思っているらしい)などと、わざとやれらたような事を言っていて終始余裕はありそうですが、実際にはガウリ隊長が助けに来なければ危なかったので、強がりを言っていただけ疑惑。
今回は、そんなガウリ隊長が大活躍。というか大暴走
忍び装束に身を包み、ヤーパン・ニンポー大炸裂!
なんか、凄くあっさりと、拳銃の弾を弾いているのですが
序盤、パンサーに乗ってやられ役が多かったガウリ隊長は、もしかしなくても、シルエットマシン乗らない方が強そう。ドゴッゾぐらいは、普通に倒せそうです。
なおゲインが連れ去られた時点ではゲイナーとの会話で「いや、セントレーガンの部隊が居なくなるなら、放置で良いんじゃない?」などと、冷たい事を言っており、しかし実際の救出時にはそんな事はおくびにもださない、オトナ。
またこの回では成り行きでサラがキングゲイナーに乗り込むのですが全く上手く操れず、ゲイナーのパイロットとしての腕前の高さが示されます。
ゲインとガウリは、最後にいい大人同士のじゃれあいみたいなシーンも入るのですが、根っこに信頼関係があるのか、ただビジネスライクなのかは、今ひとつ謎。というか全てひっくるめて、ドライにもウェットにもいざという時に見捨てる事を厭わない事も飲み込める大人同士、という事なのでしょうが。
それにしてもフィーチャーされた途端に、凄く突き抜けたなぁ、ガウリ隊長。
◆第11話「涙は盗めない」
ピープルのエクソダスを許した事で、ウルグスクを統治していたメダイユ公家が取りつぶしになるかもしれないと知ったアナ姫は、ヤーパンの天井を離れてウルグスクへと帰る事を考えるが、市場に乱入したオーバーマン・ジンバに捕まってしまう。ゲインとゲイナーの連携プレイで救出されたアナ姫は父親に連絡をするが、メダイユ公は家名の存続やその他諸々を考え、敢えてアナを勘当。アナもその父親の想いに応えるのであった。
今回は、最近ちょっと出番の減っていたアナ姫様話。
駄目なオトナ達や、小悪党化の進むアスハムなどを遙かに突き放して、もはや作中で一番の大人物です。
これから大人になるにつれ、ヤーパン流に染まってどんどん汚れてしまうかもしれませんが(涙)。
話としては、少々バタバタしすぎた感じ。
ドームポリスとセント・レーガン(ロンドン・イマ)の関係など、政治的な部分がそれとなく描写されていたり。
あと、アナ姫の台詞から、今回近くを通った街からシベリア鉄道を使えば、ウルグスクまで3日で帰れるとか、まだ意外と離れていなかった事が発覚。……まあ、あまり離れると、シベリア鉄道の追撃部隊に説得力が無くなってしまうからなのでしょうが。基本的にエクソダスのスケールが大きいので、足は遅そうですし。
あと、細かい所では、ゲインに熱をあげていた筈のリュポフさんと、ママドゥ先生が接近。やはり、子持ちの男は駄目だったのか……どうしてそこでヒゲの中年に走るかは謎ですが。