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『特命戦隊ゴーバスターズ』感想7

今週からEDバックが劇場版のCMになりましたが、誰よりも目立つバイオハンター・シルバ。
◆第7話「エース整備不良?!」◆ (監督:渡辺勝也 脚本:毛利亘宏)
再び同時侵攻作戦を進言するも、拒否られるエンターさん。
仕方なく、今日もみちみちエネトロンを集める事に。
今週は、整備班に焦点を当てたエピソード。新人整備員のミスからエースが出撃不能に……そんな中、ヒロムは改めて仲間、そして最前線の自分たちだけではない、バックアップメンバーが居てこそ戦えるのだと認識する…………のですが、あの展開で、ヒロムが「みんな一緒に戦う仲間なんだ」と反省するのは凄くおかしいというか、いや、それはそれで必要なタームではあるのですが、ここまでのキャラ付けを考えればヒロムの整備士への台詞はいつもの配慮ない一言ですし、そもそもあの若い整備士に、弁護の余地が無いし。
致命的なミスはもとより、失敗したらすぐ「クビにして下さい」なんてヤツは、ああいう現場では信用できないのですが。
バックアップメンバーに焦点を当てるエピソード、というのは当然あっていいと思うのですが、コメディリリーフとしても使える新人整備員のエピソードと、主人公がバックアップメンバーの大切さを認識するエピソード、を一つの話で同時にやろうとしたのはネタの詰めすぎで、失敗。
整備班がミスをしたわけでもないのに赤の態度が悪くて、なんだかんだの中で赤がそれを反省して、新たなチームワークが生まれる、というもっとシンプルな構成で良かったと思います。
脚本家は戦隊シリーズは初参加という事ですが、『オーズ』の他、Gロッソ講演などで東映特撮作品とは関わりがあったとの事(公式サイトより)。まあ、現状『ゴーバス』は、正直メインライター以外には書くのが難しい物語世界になっていると思うので、こんなものか、といった所。
ただサブライターの人にけっこう期待していた事はあって、今作、ロボット物を志向する上において、“特撮・スーパー戦隊シリーズで2012年にロボット物をやる事”の独自の魅力が未だに全く見えず、サブライターがそれを吹き込んでくれる事を期待していたので、そこは残念。
率直な所、もっと露骨にロボットアニメ畑の人を引っ張ってきて参加してもらってもいいと思うのですが、それこそ『タイムレンジャー』で小林靖子と組んだ経験もあり、ロボットアニメへの参加回数も多い山口亮太とか、引っ張ってこられないのかなぁ。
全てが新しい必要というのは全く無いのですが、とはいえ設定が特別斬新なわけでもロボットに新味があるわけでも目立った独自の要素があるわけでもなく、巨大化特撮史的に見てもロボットアニメ史的に見ても、“ロボット物としての『ゴーバスターズ』”の新しさ(或いはインパクト)というのが感じられない現状、その上で“戦隊ものとしての楽しさ”というのが削られてしまっているので、そのまま7話まで突入されると、スタッフはどこを目指したいのだろうという不安が出てきます。
どうも『ゴーバス』は、“今の子供達はこれで新しいと思うだろう”みたいな感覚がある気がしていて、気になります。まあそれは、間違ってはいないのかもしれず、こちらがスれているだけなのかもしれませんが。……とりあえず、玩具の売り上げは数字としてハッキリ出ますから、作品の妥当性と今後の方向性もそれによりけりでしょうが。
ちなみに、『ウルトラマン』を起点として、70年代特撮とロボットアニメはそもそも密接なリンク関係にあるので、アニメーション部門も含め東映にはロボット物のノウハウと伝統の蓄積が相当ある筈なのですが、もしかして廃れている内に継承されずに消えちゃった? という危惧もある。ある意味、『ゴーバスターズ』単体の出来云々より、そちらの方が問題。
基本的に東映特撮班における伝統の蓄積と継承は信用しているのですが、今作に関してはどうも、70年代ロボットものの勉強とかちゃんとしたのだろうか、と。別に見る側が古典を知っている必要はないけれど、造る側が最低限の古典を押さえていないと、面白いものが出来上がる可能性は低い。
今週の良かった所:
ゴリラは割と巨大戦映えするなぁ。
あと、最後に脳内妄想日記に合わせて整備員がポーズ取った所で、「もう1回?」と言いつつ、赤から黄までポーズ取ったところ。