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『未来戦隊タイムレンジャー』感想16

◆CaseFile.25「途切れた信頼」◆ (監督:松井昇 脚本:小林靖子
ロンダーズによって次々と発生するビル襲撃事件への対応の為、突入作戦のシュミレーションを行うタイムレンジャー。だが、訓練中、ショック弾を放つ役目となったタツヤは、それが心臓に刺激を与えるという事を聞き、アヤセの事を想うあまりに使用をためらい、結果、シミュレーションに失敗。
……しかしショック弾よりも、シミュレーションの銃撃の方が、心臓にショックが大きかったような。
勝手な作戦行動の変更をユウリに怒られ、アヤセの事を口にできないタツヤが、ふざけて誤魔化そうとした事で、ユウリさんマジギレ。
「信用できない人間と一緒に作戦は出来ない」から、「本番では外れてもらう」とまで言われ、タツヤも「信用できないのはこちらも同じ」「ユウリの本音なんて聞いた事がない」→「私の何がわかるっていうのよ!」
売り言葉に買い言葉で、こじれまくる二人。
加えてタツヤ、アヤセにも「足手まとい扱いは御免だ」と怒られる。
まあ、一方的にタツヤが悪い。
妙齢の女性に「本音を聞いた事がない」とか、「ユウリはいつも完璧で、へーへーこちららが悪うござんした」的な態度とか、いっそグーパンされても仕方がないと思います。
原因遡ると、アヤセの個人的我が儘が起因だったりするので、これもこれで困ったものですが。
ある意味、命を楯にされているので、タツヤからアヤセにこれ以上強くは言えないし、つまり、一番悪いのはアヤセか。
雰囲気最悪ながらも、ロンダーズによる次なるビル襲撃に備えて待機するタイムレンジャー、そんな時、トゥモローリサーチに引っ越し手伝いの仕事の依頼が入ってくる。タツヤは空手の準備をしてくるように、という依頼に不思議に思いながらも5人が向かったのは、鷹宮、という大きな屋敷。そこは何と、タツヤの祖父の家(母親の実家と思われる)であった。
空手の師匠であった祖父に引きずられ、模擬戦をするタツヤ(祖父は竹箒装備)。引っ越しの手伝いというのは完全に、直接呼んでも来そうにないタツヤをトゥモローリサーチへの依頼にかこつけてを呼ぶ為の方便だったようで、残りの4人は大雑把に屋敷の掃除をする事になる。
以前のエピソードで、タツヤ母がトゥモローリサーチの名刺を受け取っていた伏線は、もっと終盤の大事な所で使ってくるかと思いましたが、思ったより早く使ってきました(まあ、父の方でまだ使えるけど)。
タツヤ母は、特にトゥモローリサーチに対して、含む所は無さそう。むしろ、“あの子にも友達が”的なオーラを感じます(笑) ……友達、あまり居なさそうだしな、タツヤ。
荷物の移動中、庭で祖父と戦うタツヤの姿を見たユウリ。そんなユウリにタツヤ母は、かつてタツヤが苛められていた事、それを救ったのが祖父に教わった空手である事、何か大事な事を隠そうとする時に極端にふざけて誤魔化す癖がある事、などを語る。
癖ですませていいのかという感じはありますが、何となくほだされてしまうユウリさん。
その時、タックからロンダーズによるビル襲撃発生の報が入り、ユウリはタツヤの同行を認め、5人は現場へ向かう。
仕事を放り出して
……4人はともかく、タツヤも「身内だから後で誤魔化せるだろう」ぐらいに思っていそうでどうかという感じですが、この辺りが、坊ちゃんの坊ちゃんたる所以というか。
現場へたどり着いた5人はシミュレーション通りにビルへの突入を図る。だがそれは、タイムレンジャー抹殺をドルネロから依頼された、狂気の科学者・ゲンブの罠だった! ゲンブの発生させたゲンブゾーンという 魔空空間 奇妙な亜空間に吸い込まれる5人。更にそこにコピータイムレンジャーが現れ、その強さに圧倒される。
果たしてタイムレンジャーの運命や如何に?! という事で、今回は前後編。
ゲストのタツヤ祖父が、なかなかいい味を出しておりました。


◆CaseFile.26「信頼の秒読み(カウントダウン)」◆ (監督:松井昇 脚本:小林靖子
前後編で繋げた格好いいサブタイトル。戦隊シリーズは制作進行上の都合(脚本段階の仮題がそのまま採用されたり、プロデューサーが土壇場でつけたりなど)もあってサブタイトルにはそれほど凝ってない場合が多いですが、今作は割とサブタイトルに凝っているし、格好いいものが多いのはいい所。


ゲンブゾーンではコピータイムレンジャーの戦闘能力は通常空間の3倍になるのだ!
というわけで、コピータイムレンジャーに押し負ける5人。
ヴォルユニットによる撃ち合いの結果、時空に亀裂が走り一時撤退を図るが、逃げ切れたのはタツヤとユウリだけで、残りの3人はゲンブゾーンに囚われてしまう。
科学者ゲンブは、空間に別の空間を作り出す研究に没頭する内に、亜空間に自分の王国を作り出すという妄想に取り憑かれ、実験で次々と助手を犠牲にしてきた危険人物であった。
タックの計算の結果、二人が脱出に使った亀裂を、外からアサルトベクター、内からヴォルユニットで同時攻撃する事で、亜空間を発生させているエネルギーを消滅させられる事がわかる。だがそのタイミングは全く同時でなくてはならない。空間に閉じこめられたアヤセ達とは連絡が取れない為、時間を合わせてユウリが再び亜空間に突入、外のタツヤと同時に射撃するしか、道はない。
タックの最終計算を待ちながら、突入準備を行う二人。
変身してしまうと顔が隠れてしまうのでドラマ演出がやりにくい都合だったのでしょうが、私服姿でアサルトベクターを組み立てているのは、割と間抜け(笑)
緊張を隠せないタツヤに「どうして自分を作戦に同行させる気になったのか?」と問われ、ユウリはタツヤの母から話を聞いた事を告げるといきなり……「タツヤ、馬とびしよっか?」
その場の勢いでユウリと馬飛びするタツヤ。
何このバカップル展開。
ユウリはかつて妹によく馬飛びをせがまれていた事、妹を失ったあとで妹ともっと遊んであげなかった事を後悔している事、捜査官として様々な作戦には慣れているが、作戦開始時よりもむしろ、作戦終了後に誰も居ない真っ暗な部屋に帰る事が一番不安だったのだと、「そっちの弱みだけ知ってるなんてフェアじゃないから話しただけよ」と理由をつけて自分の本音の一部を告白する。
ユウリさんの家族を亡くしている設定は、久々だったので(あんまり繰り返すものでもないですが)、正直ちょっと忘れていました(^^; 前回、タツヤ母の話を聞いて割とあっさりほだされたのは、家族ネタにけっこう弱いという事かユウリさん。
それはそれとして、他の隊員達が「家族や恋人のところへ帰っていく……」と言うユウリさん、家族はともかく、恋人は自助努力の問題では。そういう台詞が出てくる以上、「恋人」という概念に全く興味が無いというわけでは無さそうなんですが、どうなのか。努力の問題ではない、といえばそうですけど、人恋しいオーラなんて、一度たりとも出した事ないじゃないですか(笑)
座り込むユウリの肩にタツヤが手を伸ばし……触れようとした所で一瞬躊躇ったのはいい演出。そして意を決した時、鳴り響く通信音。
タックがフラグをへしおった!!!
どうせ話をモニターしていただろうに、どうしてあと3秒ぐらい、待てないか。
いよいよ作戦決行、ユウリは亜空間へ突入し、コピーピンクに妨害されるも、内と外での同時射撃を成功させる。どうせなら、土壇場でアクセルストップ使ってほしかったかなぁ、ここは。
ゲンブゾーンは破壊され、アヤセ達3人も無事に通常空間へ復帰。巨大化したゲンブはタイムロボアルファをコピーして攻撃してくるが、ベータ&シャドウの連携攻撃により撃破に成功。戦闘終わって一足先に事務所に帰ったタツヤは、エプロン姿で食事の準備をしており、更に帰ってきた4人に次々と「おかえり」といいながら、ハグ。
ユウリさんの平手打ちを食らう
(この結果、アヤセは難を逃れる)
部屋へ戻りながら、ちょっとにやけてしまうユウリさん。タツヤはめげずに「みんな、馬飛びやらないか」。
ちゃんとこういうオチまで入れてくるのが、シリーズ通して今作のいい所。
そして2クール経過して遂に、孤高の女の氷にわずかな亀裂。
果たしてこの後、どうなるのか?!
あと今回は、浮き気味だったアサルトベクターの使い方が良かった。
ヴォルユニットだとちょっと説得力が弱くなる所にうまく絡めました。
今回のシナリオ展開では無理ですが、やっぱりアサルトベクターはこういう、それでなければ駄目な話、というのを1話使って出してほしかったなぁ……そこまでして1話、追加玩具回に使えなかった、という所なのでしょうが。