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『未来戦隊タイムレンジャー』感想17

◆CaseFile.27「小さな故郷」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
トゥモローリサーチの事務所に鳴り響く、やかましい目覚ましの声。その発信源は、小型ロボット・タイムロボターのものだった。対ロンダーズの情報収集に集中したいタックに頼まれ、シオンが新たに作った、トゥモローリサーチのアシスタント用ロボットである。
……ええとつまり、タックさん、連中の細かい面倒を見るのが面倒くさくなってきた、と。
その頃シオンは、出張修理で赴いた海辺のレストランで、浜辺に勝手に住み込んで砂浜の美化活動などを行っている年かさの男性・立花智と知り合っていた。そこへ現れたのが、ゼニットを率いて何故か海に砲弾を撃ち込むロンダーズ怪人、エステティシャン・ドミーロ。海を守ろうと怪人に突撃した立花は負傷、タイムグリーンに変身したシオンが戦うが、ドミーロは砲弾を撃ち込むだけ撃ち込んで退却する。
シオンからの連絡を受け、海中を探る5人だが、特に怪しげな様子はない。4人は水質分析の為に海水を持ち帰り、シオンは立花と仲良くなって、“故郷の海”を守りたいという立花の言葉に、故郷なき自分の身を思う。
翌朝、立花とシオンは真っ赤に染まった海を見る。
ドミーロの目的は、一夜にして繁殖するブラッディレイバーという海草の収穫にあった!
(ここは、ブラッディレイバーが海草そのものなのか、ブラッディレイバーという薬品で汚染された既存の海草を回収しているのか、いまひとつ不明。後のタックの台詞を考えると、前者?)
亡き妻との思い出の海を守れなかったとショックを受ける立花。怒りに燃えるシオンは、単身ドミーロへと戦いを挑む。
シオン、アサルトベクターを召喚
剣を放り投げると、なぜかアタッチメントが空中で合体する仕様になり、また、タツヤ以外でも使えるようになりました。映像演出として格好いい。また、戦力の不足(個人での戦い)を、オーバーキル兵器の破壊力で補う形となり、アサルトベクターの使い方としては良くなりました。アサルトベクターはホント、こういう上手い取り込み方が色々あったと思うだけに、初登場回が勿体なかった。
4人の仲間がかけつけ、海には水質分析からドミーロのもくろみを見抜いたタックが変な薬を散布。「この薬なら海草は壊滅、海には影響なしだ」 …………いいのか、それ? と思ったのですが、ドミーロが海に撃ち込んでいたのが海草の種で、まずいのは海草そのものなら、問題ないので、多分そういう事なのか。ここはもう少し、わかりやすくても良かったような。
巨大化したドミーロはエステパックでタイムロボとシャドウのモニターを塞ぎ、前が見えない2体に光線攻撃を浴びせるが、次のカットでは何故かパックが剥がれており、合体攻撃でざっくり撃破される。
……この後のシーンなど入れていたら尺が足りなくなって、ロボット戦の真ん中をざくっとカットしたような感じ(^^; 戦隊のロボット戦は辻褄的には適当な事が多いですが、それにしてもちょっと酷い(笑)
こうして海に平和が戻り、立花はまた、思い出の海の見える丘に木を植えるのであった…………揺れまくる木、なびきまくる髪、とにかくロケした日が風が強くて大変そうで、正直、話よりそれが気になって仕方がなかったり。
戦いを終え、帰路に向かうタイムレンジャーは、数台の車とすれ違う。車両が向かった先は、付近のリゾートホテル。実はそこにリラが逗留しており(ドミーロはリラの為に海草を収穫しようとしていた)、対処に困ったホテルのオーナーが、対ロンダーズの為に結成された、ある所へ連絡したのであった。
ホテルの玄関を出たリラの前で展開する謎の部隊、そして向けられる複数の銃口
意にも介さず歩み去ろうとするリラへ向けて、銃声が鳴り響く――という所で、つづく。
故郷の星を赤ん坊の時に失い、30世紀では研究所暮らし、そして今1000年前の世界で生きているシオンにとっての“故郷”とは何か、という話だったのですが……正直、新展開前の単なる繋ぎ回になってしまった印象。
シオンと“故郷”という言葉を繋ぐ、重要な筈のゲストキャラが、思い込みの激しい困ったおじさんにしかならなかったのが残念。せめてもう少し、亡き妻を絡めて故郷に思いこむに至るインパクトある事件があっても良かったと思います。或いは最低限、“浜辺に勝手に住んでいる”という設定を無くすか。ちゃんと、家借りて住みなさい、と。途中でシオンに食べさせていた焼き魚とか、サバイバーな感じを装っていますが、魚屋さんで買ったんですよね? 海で勝手に獲ったら、密漁ですからね? 漁業権を守りましょう、ハイ。
(※一般的な海釣りに漁業権は関与しないので密漁にはならないとの事です。ただし、藻類・貝類等の一部の指定海産物は除く。gariさん、ご教示ありがとうございました。)
海と絡めた舞台展開の都合(海がすぐ見える場所に居てくれないと話が展開しにくい)だったのでしょうが、むしろ全体的におじさんの非常識さの方が気になる形になってしまいました。
故郷の物語としてもこれなら、30世紀への思い入れが強いドモンとかと絡めて、過去と未来を意識する話とかで組んでも良かったような。
新展開への布石優先の為に、全体的に尺を割けない所から来る雑さの目立った回。


◆CaseFile.28「再会の時」◆ (監督:諸田敏 脚本:小林靖子
鳴り響く銃声を聞き、駆けつけた5人が見たのは、リゾートホテル前に展開する謎の部隊とリラ、そして地面に倒れるゼニットの姿であった。ゼニットが倒れようと気にする事なく、堂々と正面突破しようとしたリラだったが、タイムレンジャー達の姿を確認してワープで退避。後には謎の部隊と5人、倒れたゼニットだけが残される。
任務を果たし、撤収する部隊(ここは出来れば、ゼニットを回収するカットを入れて欲しかった)の中から、一人の青年がタツヤの姿を目に留めて声をかけてくる。
彼の名は、滝沢直人タツヤの大学時代の友人多分、タツヤが一方的に思っているだけであった(なおドモンの第一印象は、「アヤセに輪を掛けてすかしたヤツ」)。
――数日後、TVで驚くべき発表がなされる。
浅見グループによる、対ロンダーズ犯罪への警備会社、<シティ・ガーディアンズの設立。
かねてより内務省治安維持局と連携関係にあった浅見グループが、大破したRAIMEIの教訓を踏まえ、専守防衛を旨として設立した新組織である。タツヤは「オヤジはビジネスでやっているだけだ」と不満顔だが、「(未来の)インターシティ警察も大本は企業」「選択肢が増えるのはいい事」と、ユウリやアヤセからは大人の意見。
<シティ・ガーディアンズ>の発足式で訓辞を述べたタツヤ父に、式後、タツヤを見た事を報告する直人。
あれ、思わぬ気を遣って、見た目よりいい人? と思ったらタツヤと父親が完全に切れているかの確認でした
滝沢直人――タツヤとは大学の同級生であり、空手部に所属。空手によるスポーツ特待で入学しており、かなりの実力者。しかし、大学の校風や同級生になじまず、2年の夏に中退。以後、タツヤとは音信不通友達じゃないから!
射撃訓練を行いながら、直人はタツヤとの大学時代を回想し独白する。

「おまえはいつも恵まれてて、なのにそれを恥じて嫌って逃れようと必死だった。
 けど俺みたいに何も持たない人間から見れば、そんなのはお坊ちゃんの我が儘だ。
 ――けど本当に家を捨てるとはな。
 おまえは馬鹿だよ、浅見。そういう力こそ生きる為に必要なのに。
 俺はそれを手に入れる」

新キャラは、上昇志向の塊。
終始、
タツヤ→「直人」(下の名前)
直人→「浅見」(苗字)
の呼びかけなのが、ああ、現状より脳天気度と坊ちゃん度が5割増しぐらいの大学時代のタツヤとか本当に鬱陶しかったんだろうなぁという関係性が見て取れて素敵。
その頃、トゥモローリサーチではタックが時空パルスの異常発生を確認していた。同時に、ギエンもそれを確認し、悪巧み。営業活動で忙しく動き回っているらしいドルネロが不在なのをいいことに、再び、ヘルズゲートの扉を開いてしまう。解き放たれたヘルズゲート囚・ジャグルは、ギエンの指示で時空パルスが異常に蓄積している場所をビーム攻撃し、刺激。それを見て慌てたタック曰く、
「時空パルスが暴走」「時空の彼方から何を引き出すかわからない」
……いったい何なんだ、時空パルス。
ジャグルの行動を阻止する為に出撃するタイムレンジャー。一方、ジャグルが出現したのが契約していたビルの玄関先であった事から<シティ・ガーディアンズ>も出動。浅見会長もロンダーズを確認する為に、部下の制止を押し切って自ら現場へと赴く。
今週も、アサルトベクター召喚。
いちいち組み立てるのはかなり間抜けだったので、これは良い演出だと思います。ある意味では、組み立てている前振りがあったので、格好いい演出として成立しているわけですが。
ヘルズゲート囚人の圧倒的な戦闘力に今回も苦戦気味のタイムレンジャー。そこへ到着したシティ・ガーディアンズがジャグルに攻撃を加えるが、敵う筈もない。なぎはらわれたシティーガーディアンズの隊長を、ジャグルの攻撃からかばうタツヤ。
現場に、直人も父もいるのに、どうして赤ベレーの隊長をかばうという展開になったのか。
銃弾の直撃を受けて激しくスーツが損傷し、直人と父に、顔をさらすタイムレッド・タツヤ。
……うーん…………かなりターニングポイントな所なのですが、次回予告で見せすぎた。戦隊の次回予告は低年齢向けという事もあって結構見せてしまうのはいつもの事ですが、ここの顔バレは、予告時点では伏せておいて欲しかったなぁ(^^; 予告でがっつり顔バレまで入っていたので、こちらとしては、いつバレるんだろうな……という感じで、緊張感に欠けたのが少々勿体なかったです。かなり後半だったし。
ジャグルを引き離して戦いの場を移した仲間達を追おうとするタツヤ。それを引き留めるタツヤ父。説明を求める父に対しタツヤ、「今は説明はできない。言えるのは、ロンダーズはオヤジがビジネスでどうこうできる相手ではないから、手を引けって事だけだ」と告げる。
もはや「浅見グループは自分の意志だけで動くものではない。決められたレールがある」と返す父に、「レールなんてないんだ」とタツヤ。そのやり取りに、直人は「レールから降りたら廃車(敗者)になるだけ」と呟く。
赤いスーツの変身ヒーローと背広のおじさんの親子喧嘩というシーンは実に面白い。
一方で、科学技術の差を肌で知っているとか、父親への反発心などの事情はあるものの、<シティ・ガーディアンズ>は運用次第でそれなりの効果が期待できるだろうという想像力が働かずに、大上段に「手を引け」というタツヤは、少々ヒーローに酔っていて凄く嫌な感じ。この部分は、ドラマ的に回収を期待したい所です。
脚本の本題としては、2話辺りと繋げた、後半のやり取りなのでしょうが。
個人的には前半部分の、タツヤの嫌な感じになっている部分(Aパートでユウリとアヤセにたしなめられるシーンはあったので、こちらはこちらで意識している筈)の方が気になってしまいました。
最後の直人の台詞は意味を掛けていて、面白い。最初、「歯医者」に聞こえたけど(おぃ)
父を振りきり、仲間の元へと向かうタツヤ。アサルトベクターでジャグルに大ダメージを与え、ヴォルテックバズーカが炸裂する!
姉さん、やりました
祝・圧縮冷凍
遂に成功
勝利を喜ぶタツヤと仲間達。それを見つめる父、そして何故か直人(護衛名目?)。
なんだか少し、「「あいつにも友達が……」」的な生暖かい視線を感じなくもないですが、気のせい、たぶん。
帰還しようとする5人だが、その時、刺激された時空パルスが遂に暴走!
時空の裂け目から、怪獣が出てきた
ギエンさん大はしゃぎ。
という所で、以下、またまた次回へ続く。