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『未来戦隊タイムレンジャー』感想18

◆CaseFile.29「炎の新戦士」◆ (監督:佛田洋 脚本:小林靖子
暴走した時空パルスの影響により、時空の狭間から現れたのは、時間移動実験に失敗して行方不明になっていた生体メカ・ブイレックス(見た目、メカメカしい肉食恐竜)。制御装置を失っていたブイレックスは現代の街で大暴れし、タイムシャドウやタイムロボを蹴散らす。蓄積していたダメージの影響で、変身が解けて倒れるタツヤ。咄嗟に抱きとめるアヤセ。
どうしてそこでアヤセですか。
今回は、長く特撮監督を務める佛田さんが全編撮影という、年に1,2回の特撮カーニヴァル。というわけで、何かの鬱憤を晴らすかのような大爆発が連続。佛田さんは経験も長いですし、年に1,2回の監督回というのは以前にもあるので、全体的に演出は悪くありません。
戦闘の合間に、(契約したビルだけかもしれませんが)避難誘導するシティ・ガーディアンズの姿が入っているのはいい所。タツヤは、父親への反発心がいきすぎて、こういう部分が見えてないので、その辺りの間違いはいつかどこかで反省する展開は欲しい。
その任務中、タックの存在と通信に気付く直人。
大暴れしたブイレックスは、タイムシャドウから受けたダメージに対する自己修復機能が働き、姿を消すと休眠状態に入る。気を失ったタツヤを連れてトゥモローリサーチに帰還したタイムレンジャーは、ブイレックスに関する情報をまとめる。
もともと大規模な非常時を想定した戦闘用メカとして開発されたブイレックスは、開発されたばかりの時間移動技術の実験失敗で行方不明となっていた。どうやら正常な時空間に帰還する事が出来ずに時間流を彷徨っていたと思われ、その間に制御装置を失ってしまったらしい。休眠状態を終え、再び街で暴れ出す前に、制御装置を探さなくてはならない。タックは早速、その特殊なパルスの探索を開始する。
一方、ヘルズゲート囚人を解放するなど悪いイタズラがバレてドルネロを怒らせたギエンは、ブイレックスを手に入れようと進言する。

「ギエン、てめえの悪い趣味はいいかげんひっこめな」
「すまんなぁ。こればかりは病気のようなものだ」
「病気ってやつぁ、下手すると命取りだぜ」

地道なマフィアの営業活動が軌道に乗り始めているらしいドルネロと、はしゃぎたくて仕方がないギエンの間に入る、微妙な亀裂。
そして、負傷したシティ・ガーディアンズ隊長の代理を自分に任せてほしいとタツヤ父に申し出るもあっさり拒否された滝川は、力を求め、タックの通信で耳にしていた制御装置に興味を持つ。
……タックさん、誰も聞いてないだろうと思って、大きな声で通信ダダ洩れしすぎです。
制御装置の特殊パルスをタックがキャッチし、確保へと向かう4人(タツヤはまだ療養中)。滝沢はそんなトゥモローリサーチを見張っており、動き出した彼等の後を追う。更にギエンが解凍した武器密売人・ハマーが入り乱れ、制御装置を巡って三つ巴の争いが発生。
襲い来るゼニットを滝沢が拳銃で撃ちまくるのですが、連射そのものにどうこういう気はあまり無いのですが、それなら見た目オートマにしておけば良かったのに、とは(^^; 何故リボルバー
制御装置を手に入れるが、ゼニットに追い詰められる滝沢。その時、ゼニットの攻撃を防ぐのに使った制御装置が光を放ち、小型のブレスレットへと変形する。その指示を受け、ブレスレットをはめる滝沢。
「タイムファイヤーーー!!」(やけに野太い声で)
滝沢をかばったタイムレッドの前で、新たなスーツに身を包む滝沢。
その名は、タイムファイヤー。
タイムレッドの赤・白の逆という事なのでしょうが、6人目の戦士にして、赤・黒という珍しいカラーデザイン。あと今見るとギザギザがアバレンジャーチック。
周囲のゼニットを蹴散らしたタイムファイヤーは、やたらに強い武器密売人に苦戦するタイムレンジャーの前に姿を現すと、ゼニット軍団と怪人を圧倒的な力で撃破。
タイムファイヤーの必殺武器は、単独で圧縮冷凍可能という、5人揃わないと圧縮冷凍できないという、タイムレンジャー(というかヴォルテックバズーカ)の致命的欠点をあっさりカバー。
まあこれは、そもそも圧縮冷凍システムの小型化が困難という、単純にテクノロジー的な問題はしますが。
とすると、ファイヤーのスーツ及び兵器はタイムレンジャーより少し先の技術を用いている方が自然かとは思いますが、さて、その辺りの設定と辻褄合わせはどうなりますか。コスト度外視の実験的ワンオフ製品、という可能性もありますが。
顔見せ回という事で大暴れのタイムファイヤー、ポイントは、制御装置ブイコマンダーのやたら流暢な英語をすらりと理解できる滝沢さんでしょうか。思わずさん付けになってしまう。


◆CaseFile.30「届け 炎の叫び」◆ (監督:佛田洋 脚本:小林靖子
タイムファイヤーに変身した直人に、ブイコマンダーの譲渡を求めるユウリ。
「おねがい、それを私たちに渡して」
……ええだから、少しは説明しましょうね、ユウリさん。
貴女のやっている事は、ほぼ、カツアゲです。
勿論、真っ当な社会人の直人には拒否される。
一方、制御装置の確保に失敗したギエンは、宇宙一の猛獣使い、密猟者・マスターハンターを解凍。その能力でブイレックスを手に入れようとする。
タツヤ父に、タイムレンジャーに準ずるテクノロジーを手に入れた事を報告する滝沢。それを聞いた父は、タツヤ以外の4人をシティ・ガーディアンズにスカウトしようと、トゥモローリサーチを自ら訪れる。一方、そうとは知らないタツヤは、ブイコマンダーを渡してくれるよう説得しようと直人の元へ。渡す気など全くない直人は、タツヤに勝負を申し出、人気の無い倉庫前でタイマンを始める二人。

「誰だってお坊ちゃんの遊びに付き合ってられるほど暇じゃないんだよ」
「そのおめでたい性格、昔から気にくわなかった」

ずばずばと気持ちいい、滝沢(笑)
かつて高校インターハイ決勝で戦った二人。
敗れたタツヤは父の敷いたレースに乗り、父の決めた大学へと入った。
勝った直人は特待生の切符を手に入れて一流大学に入ったが、そこは自分の居場所ではない事を突きつけられた。
「おまえにいつもレールから弾かれるヤツの気持ちがわかるか、浅見」
拳を交えた事によりそれぞれの人生に歪みが生まれた(と思っている)二人が、自分のこれからの人生を掴む為に、再び拳を交える。
と、じっくり書いてきたタツヤと滝沢の関係性と対比の、ひとまずのクライマックス。片一方だけがねじれて逆恨みしているわけでもなく、タツヤもタツヤなりにねじれている所が、面白い。
最後は変身までしての壮絶な喧嘩は、しかしブイレックスの再起動により水入りに終わる。ブイコマンダーによってブイレックスを制御しようと現場へと向かう直人。その後を追うタツヤ。そして駆けつける4人の仲間。
彼等は――直人の横をすり抜け、タツヤの元に駆け寄る。
4人はロンダーズ事件に集中できるシティ・ガーディアンズに所属する事よりも、あえて、タツヤという仲間を選んだのだった。
「おめでたいヤツぞろいだな」
うそぶき、現場へと走り去る直人。
5人もまた、ブイレックスを止めて街を守る為に、タイムロボを呼び出す。
ここで、未来からのタイムロボの出撃シーンの合間に、走る5人のカットが順々に入って、主題歌インストとともに変身するシーンは、非常に格好良くなりました。
半ば暴走、半ばマスターハンターの洗脳化にあるブイレックスは街を破壊して暴れ回るが、直人の呼びかけとマスターハンターの仕掛けた装置の破壊により、その制御下に入ると、ブイレックスロボに変形し、巨大化したマスターハンターを撃破。
こうして、ブイレックス、そしてタックも知らない謎のスーツ・タイムファイヤーは滝沢直人、ひいてはシティ・ガーディアンズのものとなる。
功績を認められ、シティ・ガーディアンズの隊長に就任する直人。
事態の推移を見つめる未来のリュウヤ。
タックの持つ記録の中に、ブイレックスの実験や、ファイヤーのスーツに関するデータが無いのは何故なのか?
様々な謎と時間保護局に関する疑念を孕みながら、再び、歴史はうねりだす――。
……しかし、レックスさんはどこで飼うんだろう。
いったい、何を食べるのだろう。
3話半使っての、タイムファイヤー登場編。
じっくりと時間を使っての新キャラ登場編という事で、なかなか盛り上がって面白くなりました。特に直人とタツヤのタイマンシーンは良かった。滝沢は、皮肉っぽいところとスポーツマン的な所のバランスが若干悪い気もしますが、今後更に面白くなっていってくれる事に期待。
あと、大筋としての注目点は、父とのやり取りなどの中で改めて、タツヤの中の嫌な部分が浮き彫りになってきており、そこは出来れば話の中で突っ込んで回収してほしい所。滝沢の視点には多分にコンプレックスが含まれておりますが、かといってタツヤが純粋にいい奴かといえばちょっと違う所あるよね、という所に触れていっている事は、期待したい。
居場所探し、というテーマは個人的にはあまりそそらないのですが、今作は、親の敷いたレールに乗せられたままでいる事を嫌い、“家”という居場所を出た男が、“1000年先の未来”という居場所を失った4人と出会って、“仲間”という居場所を得る。そして“タイムレンジャー”という居場所を守る為に戦う、というのが基本構造なので、だいたい構想通りか。
前回、タツヤに関して「ヒーローに酔っている」と書きましたが、もう少し言えば、タツヤは色々と建前をつけてはいるものの本質的にはまだ私闘をしていて、彼の本義は「タイムレンジャーとして戦う事で自分の存在意義を見出す事」にある。だからタツヤは、他者がそこへ(しかもそれが切り離した筈の父に関わると来れば尚更)踏み込んでくる事で、自分の戦う(存在する)意義を失う事を恐れ、嫌悪している。
一方、自分の為の居場所がどこにも無いと感じる直人は、用意された居場所を憎み、自らそこを捨てていったタツヤを理解できず、“力”を得る事で、自分の居場所を得ようとする。
この辺りのキャラと筋、筋と材料の絡ませ方は、お見事。
だから本当は、シオンの“故郷”話はシリーズ全体のテーマ性とかかわる重要なエピソードだったと思うのですが、尺の都合で書き込みきれずに中途半端な内容になってしまったのは、残念。
残り話数を考えると、少し気を緩めるのか、このまま怒濤の勢いでクライマックスまで行くのか……とりあえず次回、困ったカメラマンまたまたまたまたまた、ぐらい。