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『輪るピングドラム』21話〜最終話感想

とりあえず、一気に見たので、まだ消化しきれていない段階の感想、思いつくまま、メモ的に。
書いている内に消化されて整理される事もあるので。
最初に凄くどうでもいい事を書いておくと、やっぱり晶馬と冠葉はブラックサンとシャドームーンなのでしょうか。ピングフォースは、ゴルゴムの下部組織なのか?!
21〜23話は、答え合わせ編。
一気に色々な事実が明かされて、サネトシ先生の正体(?)も判明。
個人的には、サネトシ先生の登場で居場所を奪われていた鷲塚医師の再登場が嬉しかったです(笑)
“世界を壊したい者”のいわば残留怨念がサネトシ先生とすると、対比されるモモカ姉さんが“世界を救う者”であると同時に“いつか去りゆく夢(希望)”として描かれるならば、タブキ先生の台詞も引くと、モモカ姉さんは“子供時代に与えられるべき愛”のシンボルという事になるのか。
この対比と、台詞から解釈していくと、サネトシ先生は、こどもブロイラーで透明にされた子供達=愛されなかった子達、のシンボライズみたいですが。
もう少し別の解釈を加えると、サネトシ先生には、“破滅衝動まで肥大した黒歴史厨二病*1)”みたいなニュアンスも感じる。
とすると、愛されなかった冠葉と晶馬は、お互いがそれぞれに愛を分け与える事で、破滅衝動を乗り切った、そちら側の電車に乗らなかった、という事になるのかな。
後に陽毬から与えられたものも含めて。
しかし陽毬を失いそうになった事で、冠葉はそちらの電車に乗る事を決めた。
晶馬が電車に乗らなかったのは、リンゴちゃんと出会ったから、という事になるのだろうなぁ……だから最後で一気に告白までいくのだろうし。
リンゴちゃんは割と後半その辺り、無償の愛、的な立ち位置なのか(前半、押しつける愛でしたが、表裏一体といえば表裏一体という気もする)。
最終回はちょっと観念的にすぎて、好き嫌いでいえば苦手な感じだったのですが、かといって面白くないわけではなかった。ラスト4話だけでもまた見返すと、別のものが見えてきて、違って見えるかなとも思いますが。
個人的には、“運命の乗り換え”をするとは思いませんでした。
まあ、兄さんが暴れすぎたので、ああでもしないとまとまらなかった部分もあったかとは思いますが。
組み立て的には、ああするから、兄さんが暴れられた、といえますが。
どこまでが作中の事実でどこまでがキャラクターの主観によるイメージ映像かについては、パラダイムシフトを取り込んでいる時点で、整合性の意味はそれほど重くないので、その辺りを視聴者個人の解釈次第に投げる手法自体は、嫌いではありません。順々に細かく読み解いていけば、繋がる所と繋がらない所、それぞれの意味とメタファーとかわかってくる所もあるでしょうが、得意分野では無いし、そこまではやらない。
ラーメン屋(跡)の両親が兄さんの幻像だとしても、あんな所にあんなわかりやすくジャンパー付きで白骨死体放置してあると、フェイクとしか思えないわけですが、クライマックス自体がああなると、それほど大きな意味は持たないしなぁ。逆説的に、むしろ素直に受け止めるべきなのであろうか、と。
黒いテディが呪いであり妄念であるとすると、ペンギン空間の兄弟は、そこから産まれた者、という事の隠喩を考えられるわけで、とするとラストの構図としては、呪いの継承者が“運命の果実を分け合う”事で、呪いを断ち切った、という事になるのかな。
リンゴのモチーフはストレートに考えれば原罪ですが、太陽のシンボルでもあるので、生命力とか愛情とかもかけている多分。
そろそろこんがらがってきたので、ざっくり行くと、凄く大雑把な所では、呪いによって運命を輪していくのではなく、愛によって輪していこう、そうすれば世界は救われるかもしれない、という話に着地したのかな、と。
また解釈変わってくるかもしれませんが、最終的に、兄弟の罪と罰としてくるっとまとめてしまったのは、うーん、とは。個人的には、地続きの世界で、あの二人はどうすれば赦されるのか、という所に着地する方法は無かったのだろうか、とは思う。
タブキ先生とユリさんは、要らない子であった自分達がそこから救われたのはとても特別な事だと思っていたけど、本質的にはもっと単純な事で、だから自分達が今度は救う側に回らなければいけなかったんだ、という事に気付いたわけで、子供を作って愛する事で、世界を繋げていく側になったのだろうな、と。最終的に大きなテーマ部分を担った気がする。
ラスト、少し時間を後ろに流して、ユリさんを妊娠させても良かったのではないかなーとは思うのですが。そこは描かない方が花、か?
とりあえずここまで。
さてちょっと、身近にも感想まとめていた方が居たと思うので、少しそれらを読んでこようかと思います。

*1:この言葉は嫌いですが