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大トミノ祭:2012年に語る『ダイターン3』

@houtou_trip20(http://twitter.com/houtou_trip20)さんが、『ダイターン3』絡みの呟きを、御自分のものと合わせてまとめて下さいました。大感謝。
〔ダイターン3感想備忘録-Togetter〕
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話で笑わせるコメディというのはしっかりシナリオを練らないといけないので、崩した顔とかコケ芸とかで笑いを取りに来ている回数が多い時(それはそれで有りなのですが)は、シナリオを練る時間があまり無かった時という気がする。
ここまで33話中、〔星山博之:14話、荒木芳久:7話、吉川惣司:4話、松崎健一:4話、桜井政明:2話、楯屋昇:1話、田口章一:1話〕と露骨に偏っているのですが、実際に星山さんが全部きちんと書いているというよりは、星山さんがワンアイデアとプロットだけを出した所で後はコンテ段階でかなりの割合の話を作っているか、皆で話しあって出たアイデアをとりあえず星山さんが脚本の形でまとめたとか、そんな感じの制作状況だったのではないか、と思えるものも多い。
◆第31話「美しきものの伝説」
毎日「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは誰?」を行う美貌自慢のコマンダー・ゼットは、最新のデータを導入したコンピューターが自分ではない女の顔を映した事から、その女――ランの命を狙う。女優である彼女のボディガードとして雇われていた万丈は、襲い来るソルジャーと戦う事になるが……。
前回から一転、コメディ要素が強い、ドタバタシナリオ。また、作画の湖川友謙小国一和)分が、非常に濃いめ。
一番の衝撃シーンは、トッポが、レイカとビューティと一緒に風呂に入っている所。
トッポ、2話の時にレイカの胸元に顔をうずめて「でへへ……」とかしていたのになぁ。
ラスト、屋敷内の鏡の前にいつもの二人+ゲストキャラがそれぞれ立って「世界で一番美しいのは誰?」とやって、トッポの細工によりコンピューターがそれぞれの名前を答えて上機嫌、というオチはニヤリとさせてなかなか秀逸。
◆第32話「あの旗を撃て!」
玩具遊びを好み幼児性の強いコマンダーに、間抜けな部下のソルジャー軍団、デススターや波動砲めかした2800ミリ砲などのパロディ要素に、コミカル要素の強い作画・演出ながら、地上に立てた旗を目標に、月軌道から万丈の屋敷を直接砲撃しようという、敵コマンダーの作戦は強烈。コマンダーとソルジャー軍団の知力がもう少し高ければ、最初の攻撃で万丈やられていた疑惑。
月の陰から、球体型のデスバトル(デススター)が姿を見せるシーンは非常に格好いい。
敵ソルジャー隊長の変なジェスチャーも元ネタありそうですが、わからず。
「戦いを趣味でやるな!」と敵コマンダーに怒りをぶつける万丈(ダイターン3)、の戦いを屋敷の庭からティーカップ片手に見学しているアシスタント達、という構図が凄い。
今回で言うと、例えば敵コマンダーの台詞に合わせて背後に紅白の日の出の光的な背景が入るのですが(ぱんぱかぱーん的な感じで)、台詞回しとかで笑わせられると思えば、そういう背景のギャグ的な弄りは要らないわけです。で、凝る時間さえあれば台詞回しなどで笑いを取りに行くものは書けるスタッフであろうと。作品全体がそういう作りならそういうものとしますが、全てがそうというわけではない、という点が、今作のもう一頑張り欲しかったな、と思うところ。同時にギャグとの境界線を含めた、コメディ作品の難しい所ではあります。
まあ“笑い”というのは共通性が薄いので、多用な形を配しておく、というのは当然の手法であり、センス的に私の好みでない部分が多く出た回、という言い方が正しいのではありましょうが。
今作の場合は、そういう事をやりつつも、上述したような戦いの構図をさらっと入れてあったりするのが、恐ろしい。
◆第33話「秘境世界の万丈」
タイトル通りの、秘境冒険ものテイスト。
敵のコマンダー名はドイル(CV:戸田恵子)ですが、巨大生物は出てこず、どちらかといえば『インディ・ジョーンズ』方面。というわけで、密林で戦ったり沼にはまったり遺跡の罠で滑り落ちたりと大騒ぎ。
ジョーンズ博士と違うのは、大概のアクシデントを、万丈は火力で突破してしまう事ですが。
メガノイドが過去に2度、探検隊を送りながら探索失敗に終わったポイントX。南シャングリラ(南アメリカに該当)の密林地帯に存在する失われたアンカ帝国の秘宝を入手しようと、生体メガノイド軍団を率いるコマンダー・ドイルが出撃。ポイントXを探索するリスクが大きいとし、またドイルの率いる生体メガノイド(通常のメガノイドより生身部分が多い?)を「メガノイドとして邪道」と嫌うコロスは、「ポイント到着後、48時間連絡が無い場合は、危険地区としてミサイルを撃ち込む」と期限を切る。
コロスさんの新規作画分が、これまでで最高に美人。
黒いボディに赤い翼、銀色の鎌、と悪魔めいた姿の生体メガノイド部隊を操るドイルはポイントXにあるエンドラドの遺跡最奥で秘宝オリハルコン接触するが、オリハルコンの力に部下ともども操られてしまう。デスバトルの着陸を感知してジャングルへと赴く万丈一向も、オリハルコンの放つ強烈な電磁妨害によってマッハアタッカーが飛行不能に陥り、通信も出来なくなってしまう。
万丈達との連絡が途絶した事に関してマザーコンピュータに呼びかけられるも、ドラマに夢中で無視するギャリソン
数々の妨害をくぐり抜け遺跡の最奥に辿り着いた万丈達だが、オリハルコンによってレイカとビューティが操られ、一転ピンチに。だが何とか切り抜けてオリハルコンの祭壇を破壊。秘宝の破壊により正気に戻るとともに自分がその力に操られていた事に衝撃を受けたドイルは、遺跡の崩壊に紛れて脱出、メガボーグへと変身する。
そして遂に、あの男がダイターンを操る!
「世のため、人のため、メガノイドの野望を打ち砕くダイターン3! この日輪の輝きを恐れぬならば、かかって参られい!」
ドラマを見終わったギャリソン、万丈達の救援に現る(オリハルコンの破壊により電磁妨害も消滅)。
明らかに万丈よりも操縦が巧い(笑)
劣勢に追い込まれたドイルは、降参を宣言。エンドラドの地は「人間にもメガノイドにも手を触れる事のかなわぬ異質の文明なのだ」と“学者として”この地を禁忌とする事を望み、万丈もそれを受け入れる。
だがその時、「48時間」の約束よりも早くコロスが発射させた核ミサイル(さらっと)がポイントXに迫っていた。ドイルは遺跡を守る為に上昇。大気圏外で核ミサイルと激突し、散る。
爆発の閃光を見ながらレイカ
「結局、メガノイドにも学者にもなりきれなかったのね」
“作中のこれまでの善悪観を超越した存在”というネタは既に17話のルーミス帝国で用いられていますが、それと秘境冒険譚、ある種のはぐれメガノイド、を巧く絡めた1本。
劣勢に追い込まれたドイルが人間としての善なる部分を取り戻したわけではなく、あくまでも“学者としての探求心”という自分の欲望に忠実な結果として、遺跡の禁忌と守護を選んだというのが面白いところ。
仮に万丈がここの戦いは手打ちにしたとしても、またどこか別の遺跡で揉めるだろうし、この人と(笑)