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大トミノ祭:皆殺しの富野祭1

『ダイターン3』の最終回があまりに良くて、しばらくアニメいいや、というぐらいにお腹一杯になってしまったのですが、バンダイチャンネルの月額見放題が勿体ないので、危険な宴に突入する事に致しました。
いきなり最終話だとこちらのテンションも追いつかないので、最終回の数話前から。
◎『無敵超人ザンボット3』 20(抜粋)・21・22・最終話
あまり「泣けた」とか書きたくないのですけど、全部知っているのに、恥ずかしいぐらい泣けた。
キングビアルとザンボットの接収を求める防衛隊の横槍などがあったものの、勝平以下の3人こそがザンボットを扱うのに最も適していると彼等を納得させた神ファミリーは、バンドックを追って宇宙へ上がり、いよいよ最終決戦へ赴く。バンドックを脱出した香月から得た情報を元にイオン砲による直接攻撃を計画する神ファミリーだが、その前にスペース機雷とバンドックのミサイル網が立ちふさがる……。
勝平達3人がザンボットを操縦するのに最も適している理由は「反射神経をダイレクトに伝える操縦システムである為に、訓練された子供こそふさわしい」という、序盤からの理由付けなのですが、同時に「それを最大限に活かす為に恐怖心を取り除いてある」という基本設定が、最終盤を前にして非常にえぐみを増してくるのが恐ろしい。
20話、予想を超える至近距離での水爆の威力に脅えを隠せない防衛隊メンバーに「それが普通だ」と言う、爺さんが非常に怖い。
21話では、イオン砲で致命傷を与えるのに失敗し、爺さんと婆さんがビアル2世でバンドックに特攻して死亡。
22話、一時退避したバンドックを追うキングビアルは最終決戦前に、女子供達を眠らせて脱出カプセルで地上へと降下させる。だがその途中で襲撃してくるバンドック。
「カプセルは後いくつ残っている?」「あと一つ。母さんのです」という展開がまた惨い。
ガイゾックの最終兵器である赤騎士・青騎士の連携攻撃から妻の乗ったカプセルを守るべく、ビアル3世を切り離し、敵の注意を引く勝平父。その奮戦もあり、カプセルは無事に地上へ到着し、目覚めた香月から連絡が入る。妻のカプセルも無事に地球へ辿り着いた事を知り、ザンボットがバンドックへ攻撃をかける時間を作る為、父は「後は任せた」と満身創痍のビアル3世で赤騎士・青騎士に特攻をかける。泣き言を言わず、それにただ「わかった」と答える網元の妻。
父の爆死を背に、ザンボットによるイオン砲の狙撃でバンドック頭部そしてキラー・ザ・ブッチャーを遂に撃破する勝平達。だが、その前にバンドックの胴体部分が姿を現す。
23話(最終話)、次回予告で軒並み人が死んでいる……(^^;
ガイゾックの神(コンピューター)の操るバンドックの攻撃で傷つくザンボット。重傷を負った宇宙太は損傷の激しいザンボットから勝平の乗るザンボエースを切り離し、恵子と共にバンドックに特攻を仕掛ける。
何が凄いって、睡眠学習装置で恐怖心を取り除かれているので、宇宙太にしても恵子にしても、この最後の特攻においてもまるで恐怖心が無い事。悔しさや残念さはあるだろうけど、当然のように特攻して散っていく。
そんな風に彼等を育ててしまったからこそ、家族郎党も最終決戦を前に覚悟が決まっていて、爺さん婆さん筆頭にがんがん特攻していく。
そもそもはロボットアニメ的なエクスキューズが、巡り巡って終盤に物凄い勢いで神ファミリーを呑み込む狂気となり、くるっと全体をまとめる、恐ろしい作劇。
千代錦(バンドック内部に突撃した際にビーム攻撃で蒸発)と一兄ちゃん達(大気圏に落下していくバンドックからザンボエース脱出の時間をかせぐ為にビアル1世で体当たりを敢行して爆死)は少しついで気味に殺されてしまいましたが。叔父さん達はともかく(基本的に最後、大人の男達が責任を取っていくという構図なので)、犬と兄ちゃんはちょっと可哀想。
ラスト、バンドックを撃破しガイゾックコンピューターを機能停止に追い込み、兄や叔父たちの命を賭けた奮戦もあり燃え尽きる事なく地球へ落下するザンボエース。故郷の海――駿河湾に降下し、コックピットから出て気絶したまま涙を流す勝平。無意識にすがりつくちょっと太めの腕が母ちゃんの腕かと思うと、カメラ引くとブスペアの一人(ぽっちゃり)、というのが実にいい。そして無事に地球へ帰りついた勝平のもとへ駆け寄る人々……。
ラストシーンでエンディングテーマの2番が流れるのも凄くいいのですが、『ザンボット3』は、エンディングテーマが実にいい。『ダイターン3』はオープニングテーマが凄く良かったけど、『ザンボット3』はエンディングがいい。絵も合わせて、ぐっと来る。


けれど涙はいらない
ぼくらには 母がいる 父がいる
平和で豊かな地球がある
輝け! ぼくらの星よ
永遠に輝け

最終回まで見ると、実に沁みる歌詞。
個人的に、ヒーローやその関係者が「特攻」をかけるという展開は昔から今ひとつ好きではないのですが、今作は特攻に至る理由において、「愛情」とか「正義」とか「愛郷」とか色々あるけれど、そのどこかに「狂気」がある、というのが明確に刻まれているのが、改めて、怖い作品。
ところで、『ダイターン3』13話(パッチワーク回)の脚本に名前があった楯屋昇が、『ザンボット3』の文芸の所に名前がありました。サンライズの人、という事なのかな。