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『未来戦隊タイムレンジャー』感想23

◆CaseFile.39「雨に濡れた嘘」◆ (監督:小中肇 脚本:小林靖子
楽しい夢を見ながらの年に一度の睡眠期を終え、1週間ぶりに目覚めたシオン……が現実で目にしたのは、
事務所中に積まれた家電の山数切れの沢庵で食事をする仲間達の姿であった。
シオンが寝ていた一週間の間、探偵仕事の依頼が全く無く、おまけにアヤセが免許を落として運転も出来ず、ドモンは最初から問題外、タツヤの道場はたぶん月謝制……稼ぎを失った4人はひもじい生活を送っていたのであった。
……まあシオンも、あんな夢を見るわけです。
ドモンに突っかかられながら、食事を切り上げて部屋に入ったアヤセは、上着のポケットからそっと免許を取り出す。彼は、免許を落としてなどいなかった……。
その頃、ストレスですっかりキレてしまったギエンは、ドルネロが居ないのをいい事に、アジトでゼニットを破壊して憂さ晴らし。更に「まもなく地上は死で埋め尽くされるのだぁ」と一人のヘルズゲート囚人を解凍する。
その名は、エンボス。科学者であったが、新型の細菌兵器の開発中に、誤って自らが感染。自棄になってそのウィルスをばらまき、数百人が死亡するバイオテロ引き起こして圧縮冷凍された無差別殺人犯であった。解凍されたエンボスは、2961年の未来で行ったのと同じように街でウィルスをばらまき、人々は高熱を出しながら次々と倒れていく。
ニュースで事件を知ったトゥモローリサーチの面々。このレダーウィルス感染者に浮き出る特徴的な痣から、未来のウィルスだとタックは気付く。3週間程度で致死率100%のレダーウィルスに対するワクチンは未来では開発されているが、それは発症してから1週間以内に投与しなければならず、2000年の現代では開発が極めて難しい。
頭を悩ませるタックは、時空通信のメッセージをキャッチ。それはなんと、ドルネロからのものだった!
未来でレダーウィルスに感染し、ワクチンを接種した経験のあるドルネロは、抗体を持った自分の血でワクチンを作らないか、と5億円で自分の血液を買うように持ちかけてくる。
現代社会に地盤を形成した事で現代社会が崩壊すると困るドルネロが、タイムレンジャーに解決への協力を持ちかけながらも、それすらもお金にしようとする、というふてぶてしさが実にいい。
この申し出に思い悩むタイムレンジャーだが、続々と患者が増えているという状況に、手をこまねいているよりは、「1%でも可能性のある方に賭けるべきだ」というアヤセの言葉もあり、ドルネロとの取引を決断。ワクチン精製の設備と5億円を用立てる為にシティ・ガーディアンズへも協力を依頼する事となり、アヤセが滝沢の説得へと向かう。
滝沢に未来の事を話した件が、展開の中でこう繋がってくるのは、なるほど。
頭を下げるアヤセ。「5億円」も含めて、さくっと承諾する滝沢。30世紀の事について浅見社長に話したのかという問いかけには、「話したほうが損か得か考えているところでね」との答。

「あんたからも浅見に言ってやったらどうだ。やっぱり力は必要だろ、てね」
「確かにな。でも、それだけじゃ生きられない」

この二人は、即座に喧嘩腰になるわけでなく、それなりに大人の会話も出来るしで面白い絡み。
後合わせて、「力が無くても駄目、力だけでも駄目」と、アヤセというフィルターを通す事で、タツヤ・滝沢/浅見グループの対立する価値観が相対化されています。
どうやらドルネロのこの動きを掴んだらしいギエンは、街でウィルスをばらまいているエンボスに「死ぬのはおまえだけだ」と告げ、ある種の恐慌状態にあるエンボスをそそのかす。
ドルネロとの取引現場で、お金を入れたトランクに爆弾を仕掛けて、採血後にドルネロの逮捕も目論んだ滝沢であったが、ドルネロ側も血液の入ったクーラーボックスに爆弾を仕掛けており、両者引き分け。数百人の命を救う大切な血清を台無しにしかねない作戦に、アヤセは滝沢を殴り飛ばす。
“一つないし近傍の複数の病院に収容してまとめてワクチンを打てる患者数”というリアリティを鑑みて「数百人」としたのでしょうが、割と少ないな……と思ってしまうのは、特撮に脳が冒されすぎか(^^; いや、数百人でも充分に多いのですが、ウィルスの脅威とアヤセの怒りを劇的に強調するには、「数千人」ぐらいサバを読んでも良かった気はします。
ドルネロの退場後、血清の破壊を目論んで襲いかかってくるエンボス。タイムレンジャーは変身して応戦し、エンボスの銃撃からクーラーボックスを守ったアヤセはダメージから変身が解けてしまうが、そのまま車に乗り込んで研究所を目指す。
その時、地面に落ちたアヤセの免許に気が付くタツヤ。
このままでは無免許運転?!
……ではなくて、
「あいつ……嘘ついて車の運転を避けてたんだ。それって……発作が酷くなってるって事か?」
走り出す車に、銃を向けるエンボス。
「貴様ぁ、そんなに自分だけ生きたいのか!」
横から、その腕を掴み、銃をもぎ離すタツヤ。
去来する、アヤセの言葉の数々。
「おまえに、おまえなんかに、あいつの気持ちがわかってたまるかぁ!」
怒りのタツヤの拳の一撃が、エンボスを吹き飛ばして壁に叩きつける。
「タック、アヤセをフォローしていてくれ」
「え? どういう事だ?」
「いいからぁ!」
なんか、タツヤが今までで最高に格好いいのですが、これが……愛?
追い詰められ、巨大化するエンボス。そして降り出す雨。
立ちふさがるゼニットを車で蹴散らすアヤセだったが、心臓の発作でハンドルミスを起こし、水たまりでスリップ。資材置き場に突っ込んで車が使えなくなりながらも、クーラーボックスを抱えて雨の中を必死に歩き出す。
エンボスを撃破した4人&滝沢は、タックからの連絡を受け、アヤセの元へと駆けつける。
そこで目にしたのは、降りしきる雨に打たれたまま、地面に倒れぴくりとも動かないアヤセの姿だった……。
続く!


◆CaseFile.40「アヤセ脱退!?」◆ (監督:小中肇 脚本:小林靖子
降り続ける雨の中、立ち尽くすタツヤに、問いかける3人。遂にタツヤは、アヤセが「オシリス症候群」である、という真実を語る。広がる絶望……そんな4人を見つめる滝沢。
ここで画面を凄く暗く作ったのは、いい演出。
一方その頃、ドルネロとリラはアジトに帰ってギエンを詰問するが、
「破壊と殺戮! 地上が悲鳴で覆い尽くされるんだ。素晴らしいよ……素晴らしい。ひゃはは、ひゃはははははははは……」
ギエンはすっかり壊れていた。
「おめえも前は、そんなんじゃなかったのによ」
と、そこはかとなく寂しげな感じを出しながら、ドルネロが以前に出てきた謎のおしゃぶりメカを、ギエンの背中のコネクタに突き刺すと、ギエンは悲鳴をあげて苦しみ出す。
「さてと、仕事の続きだ!」
ギエンに落とし前をつけたドルネロは、連続窃盗犯ドーパを解凍。精製されたワクチンを横取りしようと、第三総合研究所へ向かわせる。
えぐい、えぐいなぁ、ドルネロ様。
運び込まれた病院で目を醒ましたアヤセは、事務所に帰還。ドモンとユウリはアヤセをなんとか30世紀へ帰すべきだと主張するが、アヤセは頑としてそれを聞き入れない。話は物別れに終わり、部屋に籠もるアヤセ。
タツヤ「アヤセは諦めたわけじゃない。その逆だから、タイムレンジャーやっているんだ」
……男性陣は同じ部屋なので、たぶん後でとても、気まずい。
翌朝、精製したワクチンを搬送中のシティ・ガーディアンズの車両がドーパに襲われ、タイムレンジャーは出撃。一緒に行こうとするアヤセに「そんな体じゃ……足手まといなんだよ!」と叫ぶドモン。
言った、ドモン言った、偉い。
だが結局はアヤセは4人を追い、シティ・ガーディアンズがドーパの襲撃を受けた後の現場(現在、タイムファイヤーが頑張って逃走中)で、すっかり青春ドラマ状態で叫び合う5人。
殴ってでも止めてやる、とアヤセに掴みかかるが、結局殴れないドモン。むしろ殴る、アヤセ。何が正しいのか? 何が正しくないのか? 死という無慈悲で圧倒的な現実の前に、答を出せない4人。アヤセと最も角付き合わせていたドモンが、アヤセに掴みかかりながら、泣きじゃくる。
アヤセ「俺は、俺はそうしたいんだ。頼む」
明日を変えられる事を信じる為に、タイムレンジャーとして戦い続けたい――走り出すアヤセ、それを追うタツヤ。
この辺りどうも、「チームとしての機能」を考えた時に、感情論抜きでドモンの方が正しい、というのが私の見方なので、アヤセはアヤセで、4人とのもう少し機能的な妥協(アヤセがタイムブルーとして戦う上で如何に緊急時のサポート態勢を取るか、とか)があるよなぁ、と思うわけなのですが、つまりアヤセは、一種の「同情コンプレックス」なのだな、と納得。
納得したから肯定するわけではないのですが、アヤセとタツヤが割と早く馴染んだのは、タツヤの持つ「浅見コンプレックス」に対し、アヤセの心性が近かったという要素もあるのか。
しかしまあ、しっかりとキャラが立っているので、ここでアヤセとドモンが絡むと盛り上がる、とかが成立するのは今作の良いところ。
ゼニットに足止めを食らっていたタイムファイヤーに追いつくドーパ。ワクチンの入ったクーラーボックスを奪おうとするドーパに飛びかかるアヤセ。更に4人も駆けつけ、変身したアヤセはドーパへ突っ込んでいく。
タツヤ「俺、決めたんだ。アヤセが信じるものを一緒に信じる。アイツに起きてる事、全部一緒に受け止めるし、俺も今まで通りアイツに助けてもらう。俺達は、アヤセの仲間なんだから!」
それに続くタツヤ、残り3人も、覚悟を決める。
アヤセ、なぜか『必殺!』アクション(笑) (※三味線屋の勇次)
巨大化したドーパはタイムロボシャドウベータとレックスロボの攻撃で圧縮冷凍され、滝沢の手によってワクチンは無事に病院へと運び込まれる……。
じゃれあいながら去っていく5人を見送りながら、アヤセとの先日のやり取りを思い出す滝沢。
同刻、ドルネロの使った機械の効果により、すっかり幼児化したギエンは、ヘルズゲートへと閉じこめられる……。
最終コーナー回った所で、アヤセがぐんと、後続を引き離しました。
もはや真ヒロインの座は確定か。
話としてはいい話なのですが、どうもアヤセの病気の件に関しては、もっと冷静に話し合おう、と思えて仕方がありません(^^;
ドライバーとしては非常に誇り高いだけに、幸い自ら運転を自粛していましたが、日常生活にしろタイムレンジャーとしての任務にしろ、同情とかそういうの抜きで、しっかりサポートする態勢を組み上げなければいけないし、それは決して「同情」ではない。アヤセの場合、「タイムレンジャーとして戦い続けたい」からこそ尚更、冷静に話し合うべきなのですが、ある程度の野暮は承知で、どうもそういう点に関しては、気になってしまいます。
まあ、唯一のプロフェッショナルといえるユウリさんにしてもタイムレンジャーは本職ではない、という事情があり、あくまでもセミプロ集団であるタイムレンジャー、という事で、ぎりぎり許される範囲には収めておりますが。
次回、ヒロインレースでユウリさん逆襲?!