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『大鉄人17』感想2

今作は一応、東映特撮・石森(プロ)枠なのですが、ロボットの名前は『鉄人28号』のオマージュと公言されているし、巨大ロボットと少年の取り合わせ、ブレインの繰り出してくる怪ロボット軍団、コマの間とか背景で人が死んでいる感じと、割と横山ワールド。
ある意味では、横山光輝ワールドと石森章太郎ワールドの夢のハイブリッド。
◆第3話「消えたワンセブン 謎のヘルメット」◆ (監督:若林幹 脚本:伊上勝
ハリケーンロボを撃破した17と、会話のドッジボールを続ける三郎くん。「モ゛ォォー、モ゛ォォー」みたいな音と、目の光のパターンでしか意思表示を行えない17だが、なんとなく「イエス」の表示パターンが判明。三郎くん意外の質問はガン無視する17は変形し再び飛び去っていき、それを見つめる謎の男。レッドマフラーはレーダーで17の行方を追うが、17は電波攪乱装置を用いてレーダーを無効化し、姿を消す。
ナレーターでざっくりだけかと思いつつ、ワンセブンがちゃんとチャフを撒いている映像が入るのが細かい。
しかし17は派手な戦闘力の割に、スモークとかチャフとか、逃亡用の機能が充実しているのは、誰の趣味なのか。
レッドマフラーでは、大鉄人17を仲間につけようと、ヘルメットの研究を行う事に。
やはり養子というか、籍を入れなくても家で養われているのか、佐原博士の次女とお勉強中の三郎くん。

「ブレインのロボットが出る度にレッドマフラーの付き合いじゃ大変よね」
「あのヘルメットの秘密がわかれば、もう俺も行かなくても」

いや貴方、凄く自発的に参加していたような
その頃、夜なべでヘルメットの研究を進めていた博士達の所に、警備の男を脅して銃を手に現れる男。
「貴様達の警備はなっておらん!」
すわブレイン党の一員かと思われたその男は、剣持保!
殉職した中井隊長に代わる、新たなレッドマフラー隊長であった。
2話だけでインパクトの大きかった中井隊長の後任という事で心配されましたが、ワイルドヒゲの風貌、隊員達をいきなり一喝、と新隊長もなかなかのインパクトで格好いい。
そんな新隊長に、隊員達は皆よくやっている、と突っかかる千恵さん。

「お言葉を返すようですが、お嬢さん」
「佐原隊員です」

博士にも言ってやれ
一方、ブレイン党には新たな幹部、キャプテン・ゴメス(平田昭彦!)と、その片腕チーフキッドが加わっていた。17がどうやら少年と関わりが深いらしいと観察したゴメスの言葉に、子供なんて気にしなくてもいいだろう、と口を挟むハスラー教授。

「だったら、心配はないよブレイン」
ハスラーくん、呼び捨てはやめてもらおう。今後、ミスターと言え」
ああもう、ブレインとハスラーのやり取りは、楽しすぎます(笑)
遅々として進まないヘルメットの研究、剣持隊長は過去の17のデータから、「三郎君を危機に追い込み、ワンセブンを出撃させるのです」と、学校の旅行に出る三郎くんを襲撃する事を提案、博士もそれを受け入れる。この後、そんな作戦は三郎くんに酷すぎるから止めるべきだ、と娘がやってきて、人類の為だから仕方ないじゃん、と博士が答えるのですが…………むしろ、三郎くんのついでに襲撃されるクラスメイトが可哀想。
こうして、旅行中の三郎少年に襲いかかるレッドマフラー
だが、剣持隊長と因縁深いチーフキッドも三郎少年の命を狙い、剣持の作戦に乗じて三郎くんの乗ったスクールバスを襲撃。ミサイルの雨に曝されるスクールバスだが、霧と共に現れた17によって救出される。
何故か、おもむろにヘルメット被っている三郎少年 (研究所にあった筈では……)
そこへ姿を現すブレインの地震ロボ。
どういうわけか一度は戦闘を拒否した17だが、地割れに落ちた三郎少年を救う為に起動。地震ロボを殴り倒すがとどめをささず、ロボとチーフキッド等は撤退していく……。


◆第4話「わが友はワンセブン」◆ (監督:若林幹 脚本:伊上勝
17が地震ロボにとどめを刺さなかったのは、剣持隊長が指示した撮影班が、17の戦闘をフィルムに収めていたからだった。三郎少年はレッドマフラーにそのフィルムを捨てさせ、満足した17(秘密主義)は去っていく。
「剣持隊長、君のテストは成功したね」
と、三郎少年の危機と17の出現の関係が証明されて、にこやかな博士。
やっぱり駄目だ、この人……
だが、現場に居合わせたチーフキッドを通して、ブレイン党にもその事が伝わってしまった筈。ブレイン党が狙ってくる事を考えると、三郎くんには自分で身を護る力を身につけてもらわなければならない……その為にはレッドマフラーに入るしかないと、友達と草野球中の三郎くんを説得しに行く剣持隊長、だが、売り言葉に買い言葉気味に交渉は決裂。
しかしその時、三郎少年の命を狙うブレイン党の策謀により、何時の間にやらすり替えられた火薬入り野球ボールが三郎くんを襲う! 咄嗟にそれに気付いた剣持隊長が空中でボールを撃ち落として難を逃れるが、グラウンドは騒然。
わざわざ野球友達の前で、「君がレッドマフラーに入らないと、これからも罪もない少年達が巻き添えをくらうぞ」と脅しにかかる剣持隊長。
たいちょぉぉぉぉ?!
中学生コミュニティに気を遣ってあげて!!
これでハブよ、明日からハブよ?!
誰も班組んでくれなかったり、ノート貸してくれないんですよ?!
ただでさえ田舎からの転校生で、色々と気を遣ってクラスに馴染む努力をしてきたのに台無しだぁぁぁぁぁ
というわけで、
「おれはひとりぼっちなのかーー!!」
と走り出した三郎少年が、ヘルメット(もはやどこから取りだしたか聞いてはいけない)を地面に叩きつけると、そこへ飛んでくる17。
「おれはおまえのために、友達までなくしたんだぞっ?!」
剣持隊長のせいだと思います
だが、もしかしたら17は自分を慰めに来たのだろうかと思い至った三郎少年は、その問いかけにイエスの返答を得ると、17と友達になろうと決める。
歓喜の三郎くん。
…………あー、追い詰められて、壊れた?
まあ、両親と姉を喪い、お世話になっている姉代わりの人の婚約者の磔死体を目撃し、慣れない都会暮らしで頑張って育んできた友情をヒゲのおじさんに一瞬で無惨に破壊され……壊れても仕方がない。
こうして、レッドマフラーに入隊する事になった三郎を、剣持は「一人前として扱う」と、厳しく指導する。見かねた隊員が、口を挟むが、

「隊長、三郎くんは!」
「南隊員といえ!」

博士にも言ってやれ
あくまで厳しい剣持。ただ、受け身は覚えさせてから乱取りした方がいいと思います。
同じ頃、ダムに地震ロボが出現。付近で写生していた子供を見つける、レッドマフラーと博士。
博士「君、あの子供は危険だね」
隊員「先程も注意したのですが」
博士「早く連れ戻しなさい」
この2話ぐらいの博士の、あらゆる事への他人事感は何なのだろう……。
キャプテンゴメスとチーフキッドの配置した狙撃手網をくぐりぬけたレッドマフラーと三郎少年、現れた17が地震ロボを撃破し、ダムの破壊は食い止められる。こうして三郎少年と大鉄人17は、ブレインと戦い続ける決意を固めていくのであった。
前回と今回登場の地震ロボは、くい打ち機みたいで、面白いデザイン。
巨大ロボものという事で、単純な人型ではない路線へのこだわりが見えます。
新登場の剣持隊長は、待ち伏せしていたスナイパーを次々と撃破したり個人能力は物凄く高いけど、指揮能力とか指導力とか説得力とか人身掌握技術とか戦術眼とか、人の上に立つ人間に必要なスキルは残念ながら全般的に低そう。