◆第5話「空飛ぶ氷山」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝)
前話で受けた狙撃の傷の為に加療中の剣持隊長は、病室のベッドでおもむろにハート形のペンダントを取り出す。ロケット部分に入っていたのは、少年の写真。
……えええええええええええええっ?! 剣持隊長、そっちなの?!
……いや、回想シーンで「兄ちゃん」と言っていたので、亡くした弟とか、そんな所だとは思いますが。
…………あーでも、アニキ的な意味の「兄ちゃん」という可能性もあるか。
ウウム、『17』という作品の見方を大幅に変える衝撃の展開だなぁ (そろそろトマレ)
そこに、佐原家次女をともなって見舞いに訪れる三郎だが、
「南隊員に死なれては迷惑するので、かばったまでの事だ。この傷は、言うなれば、南隊員のミスによるものだ」
「私のところに見舞いにくる時間があったら、隊員と一緒に訓練することだ」
と隊長の態度は冷たく、腹をたてて手にした花束を投げつける次女。
割と普通に酷い。
あと、私としては、狙撃手の待ち伏せに対してジープで突っ込んだ隊長の判断ミスに一票を投じたいのですが。
ところで剣持隊長に「ガールフレンドと一緒か」と言われて、三郎も次女も否定しないのだけど、三郎くん、けっこう手が早いゾ。
基地に戻って訓練に励む三郎。
そこへ見物にやってきて、
「三郎くんに、下手な同情は禁物だね」
と、今日も他人事風味で楽しそうな博士。
滝登りを完遂した三郎くんに声をかけ、
「三郎くん、よくやった」
「三郎君はよしてください!」
公私混同を叱られる
いいぞ、もっと言ってやれ
その頃、ブレイン党では冷凍ロボットを使った作戦が立案されていた。キャプテン・ゴメスとハスラー教授の関係は、ゴメスが破壊工作隊で、教授がロボット担当らしい事が判明。ゴメスをごろつきと称するハスラーはブレインに抗議をするが、
「私に質問は許されない。質問は私がする。答えるのは君だ」
と冷たくあしらわれる。
冷凍ロボットにより東京を孤立させるという作戦が展開、霧ヶ峰高原に出現した巨大な氷山の調査に向かったレッドマフラーは冷凍ロボの噴出する吹雪に行く手を阻まれ、飛び込んだ山小屋でチーフキッドに囲まれる。雪上迷彩を装備するブレイン党に無駄弾を撃ちまくるレッドマフラー。ひとり飛び出した三郎は、チーフキッドに捕まってしまう。
そこへ飛んできたワンセブンと冷凍ロボの戦いが始まるが、三郎が捕まっている事に気付いたワンセブンは棒立ち状態で冷凍ロボの攻撃を受け続ける。「僕に構わず戦ってくれ!」と叫ぶ三郎の声は、ワンセブンに届くのか?!
自分の手でで胸のハンドルを回してブリザードを吹き出す冷凍ロボが素敵。
◆第6話「ワンセブンの贈り物」◆ (監督:山田稔 脚本:伊上勝)
剣持隊長が救援に現れ、ワンセブンも冷凍ロボに反撃。ロボには逃げられるが、チーフキッドを捕まえる事に成功する。
捕まえたチーフキッドが全身に武器を隠している、というのは格好いい。剣持はチーフキッドが決してブレイン党について口を割らないであろう事を確信しており、敢えて尋問をしない。一方、キャプテンゴメスもチーフキッドが自分達を裏切らない事を確信しており、剣持が打ってくるであろう次の手を推測する……剣持の手、それは、キッドをわざと泳がせる「猫の鈴作戦」であった。その為の布石として、既に、身体検査で武器をわざと一つ見逃していた!というのが、食事シーンや訓練シーンを挟んだ後で明かされる、というのが非常に格好いい。
靴に隠したナイフを用いて脱出するチーフキッド。ジープに仕掛けた通信機でそれを追う剣持達だが、剣持の作戦を読んでいたキッドとゴメスによって、逆に敵の罠にはまってしまう!
と、お互いを知る宿敵同士の二重の罠の張り合い、という展開は面白い。
更にそこへ飛び込んでくる、冷凍ロボ出現の報告。
剣持が万が一の為に用意していた爆弾によりブレイン党の包囲を切り抜け、倉庫で戦闘に。その時、三郎くんの元へ飛んできた、謎のプロペラ付き車。そのマシンにふらふら寄った所へ組み付いてきたブレイン党を、ビルから投げ落とす三郎。
南三郎、はじめての殺し
プロペラ付き車は三郎を乗せて冷凍ロボの元まで移動し、出現した17は冷凍ロボを撃破。
車は、17が体内で製造した、三郎少年への送りものだった。
SAB−MACHINEの「SAB」って、三郎の「サブ」なのか!!(笑)
こうして新たな力を得、絆をまた強くした三郎とワンセブン。だがワンセブンはあくまでレッドマフラーの基地に近づく事なく、戦いが終わると何処ともなく消えてゆき、その謎は深まるばかりなのであった……。
特撮に金がかかっていたのかもしれませんが、この時代に2話完結構成で展開する作品があったとは知らず、ストーリー展開がゆったりしているのは特徴的な所。ドラマ部分がしっかりしているかというと、また話が別なのですが(笑)
三郎と17のやり取りが、もどかしいというよりは、半分以上、三郎くんの思い込みに見えるのと、17の行動が自由意思に溢れすぎて、今ひとつ三郎くんという存在の必然性がわからない所は、早めに何とかしてほしいところ。あと、博士。向かいで子供が食事中なのにタバコすぱすぱふかしちゃう博士。しかし、レッドマフラー隊の食堂は、なぜあんなに近所の定食屋みたいなのか。
ところで、軍服風膝丈タイトスカート&ブーツは、割と良いと思う今日この頃です。
千恵さんはコネ入社感満載すぎて色々どうかと思うけど、美人なので許そうと思う(おぃ)
次女も割と美形なのですが、そもそも博士が二枚目で、佐原家は容姿グレード高いなぁ。ちゃんとキャスティングしてあるというか。他のレギュラーが激しく男くさい分のバランスもあるのでしょうが。