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『超人機メタルダー』感想4

◆第7話「ゴールを決めろ!タグ兄弟との炎の決闘」◆ (監督:冨田義治 脚本:山崎春哉)
街で人間観察をしていた流星は、飛んできたサッカーボールを反射的にオーバーヘッドで蹴り返した事から、少年サッカーチームにコーチを頼まれる事に。舞の協力を得てサッカーの知識を促成で学習した流星は、意外な名コーチぶりを発揮する。だがその身辺に迫る、ネロス帝国の諜報網! 流星が少年サッカーのコーチに勤しみ、「兄弟」というものに興味を持っていると報告を受けたゴッドネロスは、刺客としてヨロイ軍団の兄弟戦士、タグスキーとタグスロンを指名する……。
ゴッドネロスが幼少より育てあげたという二人は、兄のタグスキーは柳生石舟斎宗厳の剣技を仕込まれた柳生新陰流の使い手。弟のタグスロンは、源平合戦の橋合戦にその名を知られる浄妙明秀の型を習得した薙刀の使い手。
…………ゴッドネロス様、読んでいたマンガ(小説)に出てきたんですね?
ここで数々の裏切り者を始末してきた二人の戦歴が紹介されるのですが、ネロス帝国、裏切り者、多すぎ
意外と安いのだろうか、給料。
ゴッドネロス自らが奏でるヴァイオリンの音色に送られ、出撃する二人。サッカー大会の朝、迫り来る殺気を感知した流星は二人と激突する。今回もサーチの結果、タグスロンの中身が人間だと判明するのですが、ヨロイ軍団は、人間入りという事なのかしら。クールギンさんも中に人間入っているのかと思うと、なかなか気になる。
タグ兄弟のコンビネーション攻撃に苦戦するメタルダー、戦闘コンピュータの出した対策が、相手の一人を徹底的に攻撃する事って、適切すぎて、ヒーローぽくない(笑) あわや倒れそうになるメタルダーだが、その時、サッカー少年達に伝えた、奥寺康彦の言葉が脳裏に甦る。「ネバーギブアップ!」。
ダブルレーザーアームで兄弟のコンビネーション攻撃を撃破したメタルダーは、薙刀構えて脅かした後で二人の命を許し、何故か「俺達は本当の兄弟じゃないけど、本当の兄弟以上に通じているのさ!」と自分たちの秘密を告白してタグ兄弟は撤退していく。
ううーん、メタルダーはこのまま、基本的にとどめを刺さない路線なのでしょうか。ネタとして意欲的だとは思うのですが、今のところ単純な「命を大事に」だけであって、メタルダー自身がメリットとかデメリットとかの天秤に乗せていないので、「敵を救う事」のドラマ性が薄いのが勿体ない。「敵をも救う」なら、そこにメタルダー自身の葛藤が仕込まれないと駄目だと思うのですが。
無差別な博愛主義の結果がより大きな悲劇を……! とかそんなネタを後で仕込んできたら凄いですけど。
タグ兄弟を退けたメタルダーは剣流星として試合の後半に間に合い、謎のサインで少年達は一気に同点に追いつく。人間とロボット人間の違いに惑いながらも、子供達との交流を通して、確かな心の成長を得た流星であった。
そして、少年達にサッカーを教える男、というのがツボだったのか舞さんのときめきメーターがぎゅんぎゅん上がっている(笑)
ところで冒頭の流星が人間観察をするシーンで、レストランで子供達にスパゲティとジュースを食べさせて自分は「お腹空いていないから」と水だけ飲んでいるお母さん、というのが登場して、本筋に絡むネタかと思いきや全く絡まないのですが、明らかにこの後心中フラグで、どうしてそんな嫌なネタを仕込むのか。


◆第8話「さらばバーロック!鉄仮面の秘密」◆ (監督:冨田義治 脚本:掛札昌裕
戦時中に古賀博士の助手だった大田博士に会いに行った流星だが、博士はモンスター軍団員にさらわれてしまう。博士を追ってモンスター軍団の不意打ちを受けるメタルダーだが、そこに乱入したヨロイ軍団のバーロックは「卑怯だぞ」とモンスター軍団員を攻撃。「博士は必ず取り戻すので、互角の勝負をしよう」とメタルダーに告げたバーロックは約束通りに博士を連れ戻し、メタルダーとの勝負に望む。
なんかもう、ネロス帝国は、ネロス様の命令、本音では聞く気のない奴らばかりだ!!
激しく激突するメタルダーとバーロックの戦いに、今度はモンスター軍団が乱入。再び博士をさらい、砲撃をしかけ、結果的に裏切り者の烙印を押されるバーロック。
……あーなるほど、ネロス帝国は、裏切り者が多いのではなくて、足の引っ張り合いの結果、裏切り者にされる事が多いのか……。
砲撃で負傷し、焚き火を囲む、流星とバーロック(笑)
バーロックは、自分が学生時代、十種競技の選手であった過去を語る。オリンピック出場目前の成績を残しながら、どうしても勝てないライバルが居たバーロックは、ライバルの飲み物に密かに興奮剤を入れて密告。首尾良くライバルはドーピング違反で失格となり、オリンピック選手として選ばれる事に成功する。だが、そのショックでライバルは自殺。自分の行為を激しく後悔したバーロックは闇社会に堕ち、ネロス帝国の尖兵となった。
しかし、「ネロスに腕は売ったが、もう勝負に汚い手は使わない」。その自負ゆえに、再び大田博士の身柄を取り戻したバーロックは、メタルダーとの再戦に挑む。
8話にして、自分のプライド優先キャラが既にインフレ気味(^^; この手のスタンスのキャラは、一年間の物語で、多くて二人ぐらいが限界のような。
決闘はメタルダーの勝利に終わり、裏切り者のバーロックを始末するべく、ヨロイ以外の3軍団の包囲攻撃が開始される。バーロックはメタルダーに大田博士を連れて逃げるように促すと、自らは囮として特攻し、「もう負け犬ではない!」と叫んで爆死して果てるのであった……。
なんかこう、作品として意欲的ではあるのだけど、一つ一つのエピソードの面白さに欠けるのと、展開の先が読めすぎるのが、如何ともしがたいところ。せっかく色々と挑戦的な要素を入れてはいるものの、見ていて、そう来るか! という展開が無いのが残念。
バーロックの鉄仮面割れて、目出し帽のおじさんの素顔出てきても、盛り上がらないしなぁ(笑)