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『特救指令ソルブレイン』感想2

◆第3話「父は天使か怪物か」◆ (監督:小西通雄 脚本:杉村升
メンテナンス後に戸川が公園でうたた寝したために放置プレイを受けたソルドーザーが、街に出て大騒ぎ……ううーん、前作から世界観繋がっているのに、どうしてソルドーザー一つぐらいで大騒ぎになるのか。
そして刑事達3人は、どうしてそんなに革度が高いのか。
交番に厄介になったソルドーザーを迎えにいった戸川。そこへ交通事故発生の報が入り、ソルドーザーを捕まえた田代巡査とその息子、戸川とソルドーザーは事故現場に。後部座席の男を救出しようとした田代巡査は、同乗していた男に「先生」と言われるその男に顔を引っ掻かれる。そして絶命する先生。「これで良かったんだ……」とこぼす男。
その夜、ストーブの火を見て態度が急変した田代巡査は急に暴れ出すと外へ飛び出していき、追いかけてきた息子の首をしめる……その顔は、あの死んだ男にそっくりだった!
翌日、「うちの息子が行方不明なんです」と、何故かソルブレイン本部にやってくる田代巡査。
ソルブレインの本部長室は、そんなにフレンドリーでオープンなのか(^^;
前日の田代巡査と息子のやり取りに、「父」というものについて考えを巡らせていたソルドーザーは、戸川とともに聞き込みに行き、昨夜の事件の目撃者から、少年を襲った人物についての情報を得る。
それこそが、昨日の交通事故で死亡した男――遺伝子工学の権威、渋沢博士。同乗していた男(博士の助手)から話を聞いた西尾と樋口は、渋沢博士の恐るべき研究について知る。博士は染色体をある種のアメーバに移植。そのアメーバを他人の体の中に入れる事で、その人間の染色体を塗り替え、人格すら消し去ってしまう事で、天才の遺伝子の拡散による天才の量産を研究していたのだった! どうやらそのアメーバの作用により、渋沢博士の爪に傷つけられた田代巡査が徐々に、博士の染色体に侵されているらしい!
田代巡査の確保に動く西尾達だったが、同僚の吸うタバコの火に反応して博士の人格が表に出た田代は、同僚にアメーバを取り付かせて逃走。捜査により、博士の隠れ家と、さらった子供で生体実験を行おうとしている事がわかり、そこへ向かうソルブレイン
いきなり、「博士について詳細がわかりました!」と玲子が駆け込んできたと思ったら、博士の隠れアジトから、さらった子供に何をしようとしているかまでわかっているのは謎というか、ここまでの前振り台無し。こういう情報の入手と展開というのは、物語上のバランスなわけで。これで済むのだったら、聞き込みシーン全面的に要らないよなーと(笑)
ううーん……『ウインスペクター』は丁寧に作っていたのに、どうしてこんなになってしまったのだろう。
ソルドーザーの話だった筈なのに、目撃証言を得た以降、ドーザー出てこないし(^^;
突貫してきたソルブレインに対し、博士人格が巡査の拳銃を乱射して、お約束の工場大炎上。炎の中で、いつどうなって知ったのか、息子に「父ちゃんの中に、変な生き物が入って悪さをさせているんだ」と言われ、苦しみながら正気を取り戻す田代巡査。
「私の体の中にそんなものが! おのれぇぇぇぇぇぇ」
……いやなんかこう、台詞、おかしい。
巡査と博士の人格を行ったり来たりする田代。ジャンヌとドーザーが息子を助け、自ら命を捨てようとした田代に組み付いたソルブレイバーは、アメーバを何とかしようと考えを巡らす。
「熱だ……熱に弱いにちがいない。田代巡査の中に居るアメーバを、熱の力で追い出す!」
炎上し、室温の上がっていく工場内部でもがき苦しむ田代を押さえつけるブレイバー。
そこまで思いついたなら、帰ってから病院でやって
あとジャンヌさんは、見ていないで子供と脱出して
50度近い高温の中で、アメーバは田代の体内から吐き出され、化学薬品と混ざって、大爆発。こうして渋沢博士の狂気の研究は炎と消え、田代親子も救われたのであった。
いかにも玩具売りたそうなソルドーザー、その話を先に持ってきたのもわかるのですが、無理矢理に聞き込みまでさせてなお途中で存在が消え、クライマックスのレスキューアクションでも、倒れてきた鉄骨を防ぐ、というスペック的には非常に普通の仕事しかせず、田代親子との絡み方もそれほどでなく、スポットの当て方としてはなんとも中途半端。
物語の部分は『ウインスペクター』の方が丁寧かつ濃かったし、これでブレイバーやジャンヌの活躍が、いかにも凄いヒーローという感じで派手に描かれているならまだわかるのですがそういう事もなく、特にジャンヌさんに至っては、存在が嫌がらせレベル。今ひとつ、作品として何がやりたいのか、伝わってこない。
今のところ、誉める所としては、これまでになかったピアノ音楽などが効果的に使われるようになった事ぐらいかなぁ……。前作の残像がちらつくというのもあるけど、どうも話にノれなくて、困った困った。


◆第4話「夢のゲームソフト」◆ (監督:小西通雄 脚本:杉村升
ようやくちょっと面白かった。
最新型の体感ゲームマシンが盗まれた! 開発元によると、マシンはまだ未完成の為、長時間使用すると、脳に障害が起こる可能性があるのだという。捜査線上に浮かび上がったのは、マシンの開発チームの一員だった、佐野由起夫。佐野は盗み出したマシンを独自に完成させようと子供達にテストプレイをさせるが、ダンジョンゲームから脱出できなくなってしまった子供達が廃人状態になり、困った佐野は子供達をアジトから離れた場所に投棄する。
ダンジョンゲームは遊園地ロケで、アイテムを入手した3人の子供達がそれぞれ、剣士風、弓使い風、ガンマン風の衣装となり、次々と現れる着ぐるみモンスターを倒していくという、なかなか楽しい出来。
容赦なくボウガン(残酷なので異教徒にだけ使用可)を引き絞る女の子とか、なかなか面白い。
こういう、ちょっと古いタッチの描写が活きる話になると、途端に小西監督の演出ラインがはまります。
国道沿いを彷徨っている所を保護された子供達は開発元のマシンでダンジョンゲームをクリアする事により廃人状態からの回復を試みられるが、うまくいかない。佐野がマシンに改造を加えた事により、佐野のマシンでゲームを行わねばならないのだ。このまま佐野のマシンが見つからなければ、子供達は完全な植物状態となってしまう……その時、子供の一人の袖についた汚れに気付く大樹。
分析するとそれは、長く空気にさらされると爆発するという、特殊な産業廃棄物の液体によるものだった。佐野のアジトはどこかこの、産廃が廃棄された場所があるに違いない! その時、その産廃によるものと思われる爆発事件が発生し、ソルブレインは現場に急行する!
ここはきちっと前半で伏線を引いているのですが、杜撰すぎる産廃処理をネタに組み込んでくる所は、作品らしさが出て良かったかと思います。幾ら何でも杜撰すぎで危険すぎるとは思いますが、まあ、動物性タンパク質に襲いかかり吸収して増殖する産業廃棄物とか存在した世界観なので、たぶん、このぐらいは日常茶飯事、かもしれない。なお明らかに違法投棄っぽかったので、この業者には後でソルブレインが追い込みかけるよ!
燃えさかる工場の前で佐野を逮捕したソルブレインは、中にあるマシンを分解して運びだそうとするが、複雑すぎて無理。しかしこのマシンが無ければ子供達を治す事は不可能……ならば、子供達をここで治療するしかない。ブレイバーとドーザーが出来る限り延焼を防いでいる間に(ブレイバーに消化装備の存在が判明)ジャンヌが開発元に向かい、炎に包まれる工場の中で、連れてきた子供達にマシンをセット
一緒に来ている開発元の研究員が、超・男らしい
更に子供達を助けるべく、ブレイバーもマシンをセットしてゲームの中に飛び込むと、最後はゲーム中のビルから飛び降りて、故意にゲームオーバーになるという荒技で、ゲームの世界を脱出。炎と共に崩れ落ちる工場の中から全員の脱出にも成功し、子供達は無事に救われるのであった。
最後に本部長がやってきて、爆発する工場に向けて「ソルブレイバー?! ソルブレイバー!!」と叫ぶのは、最初の方はお約束にしようと話し合いでもあったのかもしれませんが、あんまり面白くないし、4話連続は、やりすぎかと思います(^^;
比較的シナリオがすんなりまとまり(ポイント:佐野の心とか割とどうでもいい)、4話目にしてようやく、ほどほどの出来。
クライマックスの炎上展開はちょっと強引でしたし、なにより、バーチャルヘッドセットを装着したソルブレイバーの画がえらく間抜けなのは何とかして欲しかったですが、体感ゲームというSF小道具の使い方も悪くなく、なかなか楽しめました。
で同時に、玩具展開のあったと思われるソリッドステーツは仕方ないとして、増田と戸川も要らないよなぁ、としみじみ
少なくとも、二人は要らない。
正直、増田はどうして配置しているのかわからないのですが(コメディリリーフだったら、それこそ戸川か増田のどちらか一人で良く、必然性としてはメカニックの方が強い。ただし、戸川はメカニックキャラとしてはどうかと思う)、刑事もの的リアリティの為の人手というには4話までの独自行動が少なすぎ、何より問題なのは、現場近くまで突貫に付き合うので、ブレイバーとジャンヌよりも、むしろ増田が凄く見える事(笑)
これは早く何とかしてほしいです。
この影響もあるかと思うのですが、前作を踏まえている割には、「ブラスアップ!」の盛り上がりに欠けるのも、改善していってほしいところ。このシリーズは、変身→突入に至るまでのシナリオの流れを丁寧に書かないと、そこが盛り上がらないのだな、と改めて。
更に今回は開発元の研究員が凄い漢らしく燃えさかる工場の中でマシンを操作してしまったりしたので、もう少し、ブレイバーとジャンヌのヒーロー演出を強調してほしいところ。今のところブレイバーは危険な兵器を装備しているだけで、ジャンヌは開発費の無駄遣いの感じしかない……。
まあ、前作のクラステクターに比べると、装着するだけで命がけという感じは薄いので、両スーツとも機能的にはファイヤーよりだいぶオミットされていそうですが。というか思想的には、出来る限り広く浅く装着できるスーツを目指すのは正しいのですけど、ジャンヌさんとか、本気で広報の為だけに開発した疑惑があるよ某研究所と正木?!
さて、次回予告のカメラワークが面白かったけど、誰だろう。
近作でチーフ助監督を務めていた石田秀範が今作で監督デビューするそうなのですが、もう来るのかなぁ……パターンだとデビューは後半が多いし、予告の抜き取りだけだと何ともですが。