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『超人機メタルダー』感想5

◆第9話「夢みるモンスター!十字砲火の恋人たち」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:藤井邦夫)
楽しい夢を見ていて待ち合わせに遅れたという舞の言葉に、流星は
「僕も、一度でいいから夢をみてみたい」
とこぼす。そんな流星を気遣いながら、成り行きはよくわからないが、完全にデート状態の流星と舞。
「今日はどこいこうか」
「葉山の海で、ヨットレースの取材」
……仕事にかこつけていちゃいちゃしているのかーーー!?
しかも、「今日は」という事は、こんな事を繰り返しているのかーーー!?
その後の葉山のシーンも含め、まさか9話にしてここまでバカップル化するとは
ハードボイルド路線ではなかったのか。
その頃、今日も流星をストーキング中の美人秘書からの情報を得た桐原会長は、久々の「私を夜の闇につつめ」。ただし、使い回しカットで残念。
ゴッドネロスはモンスター軍団のヘドグロスを呼び、その必殺能力を持って「メタルダーに夢をみせてやれ」と対決の命令を下す。
うーん、今作は、ネロス帝国の刺客の目的が対メタルダーに限定されてしまっている為、標準的な従来作における敵組織の“地球侵略(に類する目的)の為のバラエティある作戦”を持ち込む事ができません。そこで、エピソードの内容に指針と幅を持たせる為の理由付けとしてメタルダーが意識しているもの」を取り上げる方向になったようなのですが、何故それを取り上げるのか、ゴッドネロス様の指針が意味不明(笑)
もう少しうまく、理由付けとか出来なかったものか(^^;
ヘドグロスは、前回、バーロックとメタルダーの戦いを邪魔するモンスター軍団員として登場。力も技もないが金に汚く、同じモンスター軍団の中でも軽んじられていたが、彼が蓄財に熱心なのは、懇意な女奴隷ウイズダムの為であった。ウイズダムは、フードをかぶった人間女。詳しくは語られませんが、たぶん、パーティの踊り子要員とかで、ネロス帝国に人間女が確保されているという事なのか。
「出世して、おまえと二人で楽しく暮らすんだ」と夢を見るヘドグロスウイズダムに貯めていた金を預け、代わりに女からはイヤリングを受け取る。待ち伏せしたヘドグロスの必殺技ヘドグロスシャワーにより体内の回路にトラブルが起こり、幻覚の悪夢世界にはまるメタルダー
悪夢の中に出てきた舞さんが、何故か和服(袴)+日傘だったのは、『ギャバン』の例の回のオマージュ?
「夢に苦しむおまえを倒し、自分の夢をかなえてみせる」とメタルダーを追い込むヘドグロスだったが、今回は機甲軍団が横槍。ヘドグロスは負傷し、メタルダーはからくも基地に逃げ込む。
「自分は夢を見るようになったのか?」ヘドグロスシャワーによって末端回路に張り付いたカビにより幻覚を見せ続けられる流星。スプリンガーの調査によると、張り付いた回路を根こそぎ破壊してしまう可能性が有るため、カビを除去する事はできないという。舞の元へ相談に訪れると、彼女は「あなたの本当の夢、さがしにいきましょう?」と、流星を古賀タツオ(博士息子)の生まれ故郷だった漁村へと連れて行く。
そこへ再び襲いくるヘドグロス。戦いの中で記憶回路が作動し、甦る、メタルダーの中のタツオの記憶。
「僕は、僕の夢を守り、この美しさと平和を未来へ繋ぐ」
悪夢を断ち切ったメタルダーは、シャワー封じの為に、まさかの口の中にパンチ。必殺の内蔵抜きからレーザーアーム、そしてとどめのGキックでヘドグロスを粉砕する。
…………ああ、どうするのかと思っていたのですが、やっぱり、中に人間が入っていなければ、ざっくり殺っちゃうのか、メタルダー
たぶん、プログラム的に、日本人だけ保護対象なのだろうなぁ。
だから中に人間(おそらく日本人に限る)が入っているヨロイ軍団員は、殺せない。
メタルダーの「いのちをだいじに」は博愛主義でもなんでもなくて、単純にプログラムの問題であったか……。
ウイズダムとの幸せな生活、手に入れたかった夢を脳裏に思い浮かべながら、絶命、爆死するヘドグロスメタルダーが去ってしばらく、その痕跡に近づいた女――ウイズダムは、緑の血溜まりの中からイヤリングを拾いあげ、メタルダーへの復讐を誓う!
ウイズダムはヘドグロスの預金を持って他の軍団員とよろしくやっている……とか酷すぎるオチを勝手に想像していたのですが、まさかの怪人変身で、引きネタとなりました。いい人でした。ごめんなさい。
タツオの思い出……夢を見たと語る流星に、
「確かに、過去の思い出も夢には違いないわ。でもね、夢は未来の方がいっぱいあるのよ」
と舞は教える。
いつか未来を夢見、世界をそこへ繋げていけるように、流星は戦いの決意をまた新たにするのであった。
「夢を見たい」と言っていた流星が「悪夢の幻覚」に引きずり込まれ、いや多分それ流星の見たがっていた夢と意味違うよーな、と思わせて、舞さんが「夢とは何か」と諭す形で、「夢」という言葉の意味を何重にもかけて全編で使い倒した、好脚本。仕事にかこつけていちゃいちゃデートはどうかと思いましたが、作品における舞さんの存在意義も巧く出ました。
余談ですが、可動域の都合の結果として、肩アーマーが独立可動なのが格好いいよなぁ、メタルダー


◆第10話「超絶技!名曲ロボットのバイオリン攻撃」◆ (監督:伊藤寿浩 脚本:上原正三
集められた戦闘データを元に、Gキックとレーザーアームへの対抗策を練るゴッドネロス。更に、古賀タツオがヴァイオリンをたしなんでいたと知るゴッドネロスは、「古賀は必ず、息子の音楽家としての才能をメタルダーにインプットしているに違いない」とそこを弱点と見定め、ゴーストバンクのヴァイオリン弾き、音楽ロボットのラプソディに大幅改造を加え、戦闘ロボットとして新生させる。
もとが下級の音楽ロボットであったラプソディを軽んじる各軍団員。代表して、ヨロイ軍団から再登場のタグ兄弟が打ちかかるが、ラプソディはこれをあっさりと退ける。
ネロス様の肝いりで改造されたのに、周囲の態度が物凄く悪いのですが、薄々思っていたけど、ネロス様、あまり尊敬されていないよね……
ストラディバリウスを手にしたヴァイオリンを弾くロボットとして野外演奏会を行い、流星を待ち受けるラプソディ。そうとは知らぬ流星はヴァイオリンの音色に引かれ、インプットされたタツオの音楽センスの影響か、エアヴァイオリンを始める
そこへ襲いかかるラプソディ。
メタルダーに瞬転するも、ストラディバリウスに攻撃できないメタルダー(笑)
Gキックもレーザーアームも防がれ危機に陥ったメタルダーはサイドファントムを呼んでその場を脱出。ラプソディに勝つために自らを強化改造しようとするが、データを打ち込んだコンピュータの解答は、強化不可能
メタルダーの機能は主に戦闘プログラムを司る右半身と、人間的な理性や感情などをプログラムされた左半身、その二つの微妙なバランスによって成り立っており、どちらか片方だけをいびつに強化する事は出来ないのであった!
――君はロボットにしてロボットにあらず――
コンピュータの言葉に悩む流星は、舞からヴァイオリンを借り、内なるタツオの感性の赴くままにそれを奏でるが、そこへ再び現れるラプソディ!
ストラディバリウスを楯にされては攻撃を躊躇い、更にその奏でるヴァイオリンの音色に戦意が昂揚しないメタルダーは大苦戦に陥るが、その時、これまで蓄積されていた経験値によって、精神性がLVアップ!
てれってってててー♪
これにより共鳴してパワーアップした戦闘回路から繰り出されたレーザーアームの一撃がゴッドネロスの計算を超え、ラプソディの戦闘回路を破壊する。とどめを刺そうとしたメタルダーだが、戦闘回路を失い、音楽回路だけしか残っていないというラプソディの命乞いを聞き入れる。
……あれ、ロボットも助けた。
…………モンスター軍団だけ不許可?
もしかして、命乞いを受け入れたら後ろから攻撃された件(4話)が、トラウマになっていたりするのでしょうか。
メタルダーに命を助けられたラプソディは、「ネロス帝国には音楽がわかるヤツがいない!」と職場の愚痴を吐露。メタルダーの為にストラディバリウスを奏でるが、突如現れた機甲軍団員のミサイル攻撃を受け、爆炎に飲まれる――。
海辺でヴァイオリンを奏でる流星……
ゴーストバンクの片隅で、元の音楽ロボットに戻ったラプソディ……
そしてゴッドネロスは、メタルダーの弱点と思われた“人間らしく作られすぎた事”が、むしろメタルダーの力となっている事に気付かぬまま、計算上は有り得ないラプソディの敗北という結末に歯噛みするのであった。
ゴッドネロス様が、古賀タツオがヴァイオリンを嗜んでいる事を知っていたのは、伏線? 明確に古賀博士と過去の繋がりがありそうな感じになってきました。そういえば、前々回に助けた博士の情報は結局どうなったのだろう……。
しかし真剣に、ネロス帝国は組織再編した方がいいと思う。