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『大鉄人17』感想8

◆第15話「ゴメス!戦場に散る」◆ (監督:若林幹 脚本:伊上勝
ルミちゃんの操る戦艦ロボとの戦闘で片目を失い苦境に追い込まれた17は、小型の飛行メカをコックピットへ突撃させ、催眠ガスを打ち込んでルミちゃんを気絶させる荒技で戦艦ロボットを撤退に追い込む。
17の用いた催眠ガスの5時間の効力の内に戦艦ロボを捜し出そうとするレッドマフラーの基地へ、ゴメスからたれこまれる戦艦ロボットの位置。「彼は私が、簡単な罠にかからない事は承知です」と、ゴメスがブレインの支配の為に自分たちを利用しようとしているのを承知で剣持はゴメスの電話に乗り、三郎くんがルミちゃんを救出。
…………あれ、確か、「ルミの操る戦艦ロボットへ攻撃を仕掛けるという苦渋の決断を佐原博士がくだす!」みたいな次回予告だった記憶があるのですが、ルミちゃん、割とあっさり助けられてしまいました。
そしてルミという手駒を失ったブレインの隙につけ込もうとするゴメスは、ブレインの超生産能力による再生を上回る、多段仕掛けの爆薬を武器にブレインを支配下に置こうとするが、密かにブレインの真下に設置した筈の爆薬は、既に解除されていた! 反乱に失敗したゴメスは戦艦ロボでお仕置き出撃。戦闘中に逃走を試みるが、ブレインに先手を打ってハッチを閉じられてしまう。
更にブレインは、もしゴメスがこれ以上の逃亡を試みようとするならば、「チーフキッドが戦艦ロボットの機関室に移した爆薬が爆発するだろう」と告げる。
そう、ゴメスの打倒ブレインの秘策を失敗に追い込んだのは、彼の腹心の筈のチーフキッドの裏切りだったのだ!
やはり、数々の運転手扱いがいけなかったのか……
或いは、剣持との三角かげふんげふん
チーフキッドはつい先日までゴメスの腹心中の腹心で一切裏切りフラグなどは無かったので、衝撃といえば衝撃の裏切りなのですが、逆に、理由が無さ過ぎて成り行きに思い悩む所ではあります。ポジション的にも、実働部隊の特攻隊長みたいな感じで、三下っぽさ全開でしたし。むしろこれから、幹部扱いで作戦指揮されてもちょっと反応に困るというか(笑)
まあ、そんなポジションなのでやたらに最前線に立たされまくっていたので、ある日ふと「俺の扱い、悪くね?」と気が付いてしまった可能性はありますが。
覚悟を決めたゴメスは戦艦ロボで17に突撃するも、遠慮のない17の攻撃にあっという間に追い詰められる。17のグラヴィトン発射口が開き、死を前にしたゴメスは監視カメラに向かって叫ぶ。
ゴメス「チーフ、貴様に勇気があるなら、この戦艦ロボットに仕掛けたTNT火薬を爆発させてみろぉ!」
チーフ「……」
ぽちっとな
物凄くあっさりと火薬を爆発させたチーフ。戦艦ロボは大爆発し、キャプテン・ゴメス、ここに散る。
戦艦ロボが轟沈した後、何故か近くの地面に落ちていたゴメスの帽子(爆風で吹き飛んだ?にしても距離的に無理が)に、野の花を捧げる剣持。
相変わらず、被り物が時空転移する世界です(そういう意味では一貫している)。
ゴメスさんリストラ回でしたが、ゴメスの最期よりも、チーフキッドの裏切りの方が衝撃的になってしまいました(^^;
空中戦艦vs巨大ロボット、という絵面を終始格好良かった。
それにしても毎度の事ですが、ルミをブレインの洗脳から治療中に
「17、まだ駄目なのか!」
とか、役に立たない癖にしつこくやかましい三郎くんに、17はぐーぱん一発ぐらいしても許されると思う(死にます)。


◆第16話「どこへ!? 消えた人消えた町」◆ (監督:内田一作 脚本:伊上勝
道の真ん中に土偶ロボ
という凄い横山な展開(笑)
そしてそのロボットの吹き出す泡を浴びた人間は溶けて消滅してしまう。
真夜中、器用に窓をノックする17に乗ってその現場に連れていかれた三郎くんはレッドマフラー隊に報告するが、痕跡があまりにも完璧に消滅していた為、事件性を認められなかった上に、寝ぼけていたのでは扱い。剣持と博士のトップ会談により、今更ながら強制的に休暇を与えられる。
その頃ブレイン党には、ブレインが招き寄せた新たな幹部が登場。
その名は、ブラック・タイガー
東南アジアの暗黒街の伝説の黒幕にして、バラモン密教を操る、謎の怪僧!
(見た目はちょっと太めの仏教僧+サングラス。チベットから来たとか言っているし、割と危険)
身に付いた三下根性の賜物か、ぴしっと直立不動で迎え、早くも部下扱いのチーフキッド。
何のために裏切ったんだ、チーフキッド
ブラックタイガーは、ハスラーの作った細菌ロボ(冒頭登場の土偶ロボ)を操り、早速17打倒の為に作戦を開始する。
その頃、ルミちゃんに連れられた三郎少年はルミちゃんの友人宅へ。そこで、東大目指して現在浪人4年生という学ランの男、岩山鉄五郎と知り合う。
三郎の護衛の筈の海野隊員、岩山家の玄関先に泊まっていたクラシックカー(どうやらマニアらしい)に興味津々でいじっていた所を不審者だと思われ、岩山にどつかれる。
不審者……というか、なぜか運転席のドアを開けて車の中に乗り込んでいたので、犯罪者です。
自分で「レッドマフラー隊だ!」とか名乗っていましたが、不祥事です。
……そういえば以前に隊員がアサルトライフル担いで自宅に帰ってましたが、もしかしなくてもこの世界では、「レッドマフラーだ!」といえば、大抵の軽犯罪は揉み消せるのでしょうか
それは上層部も佐原博士以下を危険視するわけです
しばらく海野vs岩山のドタバタアクション。
岩山はレギュラー化するのかはわかりませんが如何にもなコメディリリーフで、ブラックタイガーも登場時の音楽がややコメディテイスト、全体的にコミカルな演出が増えるなど、『メタルダー』に続いて、こちらもテコ入れというか路線変更の空気。他作品を考えても、話数的に大体この辺りが、反響を受けて人気が今ひとつの場合に手を入れ出すタイミングなのか。
その後、岩山家のクラシックカーコレクションを見せて貰っている所に本部から連絡があり、連絡を絶った偵察部隊の探索へ向かう海野隊員。休暇中の三郎くんには伝えるな、と剣持に厳命されて「何でもない」とそそくさと消えていくが、その姿を不審に思った三郎は、何故か周囲の無関係な人々(ルミちゃん、ルミちゃん友人、鉄五郎)に八つ当たり。
(おかしい! みんな僕に何か隠している)
というかその人達は、基本的にレッドマフラーと何の関係もないゾ。
いきなり走り去る
そして「僕には17が居る」と17のもとに行くが、休眠中なのか17は三郎くんをスルー。
「ロボットはやっぱりロボットか。僕が勝手に友達と思っていただけだった」
急にやさぐれる三郎くん。
一方、事件現場で無人ジープを発見した海野と村中の前に姿を見せる、ブラックタイガーと細菌ロボ。ピンチに陥った二人は起動した17に救われるが、ブラックタイガーは「3000年の昔からバラモン密教に伝わる秘密細菌を食らわせてやる」と謎の印と呪文を唱え……通信機でハスラーに連絡して第2スイッチを押してもらう(笑)
吹き出す腐食細菌をまともに浴び、倒れた17、思わぬ大爆発。
……こんな展開でかつてない最大のピンチを迎えていいのか17?!
ところで、町は消えていない
衝撃の嘘サブタイトル。
サブタイトル詐欺は割とありますが、ここまで堂々と嘘つくとは(笑)
ここまでハード路線だった作品に急にコミカル成分が増大した事で現場に戸惑いでもあったのか、いつも以上に突拍子もない三郎くんの行動を始めとして、全体的に作品の空気をどの辺りに落ち着かせるかに困っている感じ。まあ、無理もないかもしれませんが……それにしても、あれだけ派手にゴメスを裏切った後に、新幹部の下で全く立ち位置変わってないチーフキッドが凄すぎる……。