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『カウボーイ&エイリアン』感想

カウボーイ&エイリアン 未体験ロング・バージョン [Blu-ray]

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荒野で目を覚ました壮年の男……脇腹には流血と傷跡、左手には謎のブレスレット、そして足下に女の写真。自分は何者なのか? どうしてここに居るのか? 記憶を失った男は、脱獄囚と間違われてごろつき3人組にからまれ……ぶち殺す
開始5分から、色々オカシイ。
ごろつき達から服と銃と馬を奪った男は傷の治療の為に近くの街へと赴くが、そこでは地元の農場主の駄目息子が騒動を引き起こしていた……。
神父、医者(何故か酒場のマスター兼)、保安官、元軍人の冷酷な農場主、その駄目息子、など、お約束的な登場人物が続々と登場し、その街へ現れた流れ者の主人公……と西部劇展開で話は進みますが、しかしそこに、未知の敵が迫っていた――!
内容は、ずばりタイトル通り。
西部劇+異星人侵略もの
です。
タイトルは原題ままですが、ニュアンスとしては、「&」というより「+」。『カウボーイ+エイリアン』という方が、内容からはしっくり来るというか、つまるところB級の雰囲気というか。
主人公にダニエル・クレイグ、農場主役にハリソン・フォード、と主演クラスの配役は豪華だったりするのですが。
西部劇の世界に宇宙人を侵略させよう、というコンセプトは頭おかしいですが、造りは、意外と普通。
登場人物の配置といいシナリオといい手堅い構成で、どちらかといえば、パロディ映画として見るべき作品なのかもしれません。
あまり西部劇に造詣が深くないのですが、その辺りわかると、より楽しいのかも。
記憶喪失な上に寡黙な主人公は、終始、過剰反撃ぎみ。何かある度に暴力で解決しようとします。この主人公の過去が徐々に明かされていくと、どんどん駄目人間であった事が判明するという流れは面白かったです……肝心の記憶の取り戻し方が、斜め上でしたが。
内容の割に登場人物が多くそれぞれの掘り下げが遅いため(お約束通りに配置されているのでだいたい読めるのですが)、全体的にキャラクターの印象が薄いのは問題点。もう少し登場人物を絞って早めに印象づけた方が良かった気はします。特にヒロイン。ヒロインの微妙加減は、かなり終盤まで、実はヒロインでは無いのではと思っていたぐらい(笑) それでもクライマックスからエンディングにかけて全員しっかりと拾ったのは立派でしたが。
最後はそこそこ盛り上がっただけに、前半の盛り上げどころが、もう少し早く欲しかったところ。
空中戦のシーンとか、最初の30分の内に入れて良かったと思います。
ううーん、個人的にはもっとバカ映画を期待していたのですが、思いの外、真面目に作った映画でした。
真面目にバカではなく、奇天烈なコンセプトの映画を真面目に撮ってしまった、という感じ。
オカシイはオカシイのですが、もう一段、弾けて欲しかった。