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『特救指令ソルブレイン』感想13

そういえば、本部長の回想シーンにデミタスが一切存在していなかった事に、今更ながら気付く。前作の最終回でウインスペクターの一員として一緒に渡航が明言されていたのになぁ(^^;
◆第23話「竜馬から大樹へ! 」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:杉村升
前回ラストからの続き――炎の中、メサイヤに向けてギガストリーマーを構えるファイヤーを止めるソルブレイバー、
「ファイヤー、メサイヤは本当は人間かもしれません!」
「そんな事はどうでもいい!」

よ く な い よ !!
竜馬さん、ご乱心(^^;
いやここは、「(ロボットなのは間違いないので、人間を元にしているとか人間の心を持っているとか、)そんな事はどうでもいい!」という事でしょうが。
省略しすぎて、大変な事になっています。
そして藤波博士の口から語られるメサイヤの正体。
なんとメサイヤには、交通事故で重体だった日本人旅行者の脳が使用されていた!! ボディ部分は完全な作り物であるメサイやだが、その脳は、まさしく人間のものだったのだ! そして、万が一の情報漏洩などを考えて脳に仕掛けられた自爆装置を、外す事は不可能。どう転んでもNATOは、全ての事実を闇に葬るつもりであった。
この時の博士の「私は反対だった」と、この後の大樹の
「僕は最初から破壊するのには反対だった! ロボットでも人間でも同じ命じゃないですか!」
という台詞が嫌な形でかぶってしまったのは、たぶん、脚本のミステイク。
そもそも「最初から○○すれば良かったんだ!」的な台詞はヒーローにふさわしくないし、意識的だったら、さすがに悪質すぎます。
本部で思い悩む面々だが、「やる事は最初から変わらない」と、竜馬のメサイヤ破壊の決意は固い。メサイヤがただのロボットではない事に薄々気付いてはいた竜馬だったが、市民の命を守る為には、破壊やむなしという結論を悩み抜いた末に出していた。
そんな中、ソルブレイン本部にメサイヤから電話がかかってくる。その要求は一つ、「東京のど真ん中で爆発してほしくなかったら、自爆装置を解除しろ」。
爆発まであと3時間半……非情な決断を下した本部長と竜馬は要求を受け入れたふりをして、本部に姿を現したメサイヤを捕まえて破壊しようという作戦を立てる。だが、メサイヤは保険として、都内のある場所に時限爆弾を仕掛けてから本部を訪れていた。メサイヤの思わぬ作戦に、もう態度から嘘がバレバレの、駄目駄目な人達
事ここにいたって真実を告げる本部長、逃走するメサイヤ
毎度の事ですが、大樹が綺麗事を言うのはヒーローとして構わないのですが、言うだけ言って、棒立ちなので困ります。大樹がメサイヤを救いたいなら、本部長の作戦が流れるままにしないで、“ここ”で立ち上がらないといけない筈なのですが。
竜馬と大樹はメサイヤを追い、他の面々は仕掛けられた時限爆弾を探す事に。メサイヤに追いついた竜馬だが、市街地であった為に攻撃をする事が出来ず、逆に手榴弾の連打を浴びて、着化が強制解除されてしまう。
ファイヤーの着化が強制解除されたの、通算でも3回目ぐらいだと思うのですが、凄いぞ、NATO榴弾
「戸惑うな、情けは無用だ!」
と、追いついた大樹にギガストリーマーを託す、やたらに覚悟完了している竜馬さん。
別働隊が時限爆弾の発見と解除に成功し、ブレイバーはウォルターからの情報を元にメサイヤの向かう石油コンビナートに先回り。現れたメサイヤにブレイバーは引き金を引くが、放たれたプラズマ光波弾は一つも当たらず、やがてエネルギーの尽きたギガストリーマーを地面に投げ捨てたブレイバーは、マスクを外し、素顔でメサイヤと向かう。
彼が手にした家族の写真を見た時……もはや大樹にメサイヤを撃つ事はできなかった。故意に無駄弾を撃ってギガストリーマーを使用不能にした大樹は自らを刑事失格だと罵りながら、叫ぶ。
メサイヤ……好きな所へいけ。誰もおまえを止める事はできない!」
人の欲望の過ち……いきすぎた科学の暴走……救われるべき者を救う事の出来ない己の無力さ……様々な思いが去来し、涙を流す大樹を前に、メサイヤは呟く。
「俺は人間でもない。ロボットでもない。ただの化け物だ」
大樹の取り落とした家族の写真を拾ったメサイヤは車に乗り込むと、コンビナートから離れた所までそれを走らせ、そして――非情なカウントと共に、彼は自爆して果てる。束の間、人の心を手に入れて。
かくて事件は終わった。
「私はメサイヤを救う事ができませんでした」
「いや、おまえは救ったんだよ」
やりきれぬ思いを抱える大樹を正木は励ます。
……いやここは大樹は、警察手帳を返納する所ではないかな……。
悪い筋では無かったのですが、
この話の困った所は、

説得に成功する→メサイヤ、周辺に被害に及ばない所で自爆
説得に失敗する→やむなく撃つ

の二択が大樹の中にあるのではなく、
俺におまえは止められないと叫ぶ→メサイヤが自ら引いてくれた
と、大樹が説得も阻止も諦め、全てを放り投げた結果でしかない事。
まあ、大樹が物凄い腹黒い策士でこれが説得だったなら話は別ですが。
家族の元を訪れながら、ロボットの体を気にして姿を見せられないメサイヤ、などを先に描写している事で、メサイヤがその言葉に打たれて一人で自爆する、という流れ自体は不自然ではないのですが、結局、大樹はメサイヤの前で自分のやり切れなさを叫んで涙を流しただけで、説得に繋がる行動は一切示していない。
その癖、本部長がいい話だった事にしてまとめてしまう。
せめて、ソルブレイン本部前に姿を見せた時に大樹の説得台詞の一つや二つでもあれば、またちょっと話は変わったのですが。
これならラストは、大樹がメサイヤを救えず、かつ一般市民を大災害に巻き込みかけた事に対して辞表を提出し、それを本部長が留める、ぐらいの展開にしてほしかった所です。
何故ならこのエピソードの大樹は、
メサイヤを救う事>一般市民の被害を阻止する事
になっていて、本人の言う通り、まさに刑事失格。
メサイヤを救う事<一般市民の被害を阻止する事〕になっている竜馬に対して、いや「どっちも大事だ」というのは良いのです。だがそれが逆になってはいけない。
メサイヤが人間の欲望の被害者だから周囲を巻き込んで大自爆をしても構わないというなら、先日のバズーカ教官だって何をしてもいいという事になりかねません。メサイヤはこの時点では犯罪者ではありませんが、石油コンビナートの職員達も加害者ではない。それならいっそ、「俺がおまえと一緒に死んでやる!」ぐらいまで言った方が、まだいい。
この本末転倒こそまさしく、『ソルブレイン』、ではあるのですが。
そしてラスト、
「大樹、俺は自分のやりかたを間違っていたとは思わない。しかし、あらためて、人間の生き方をおまえに教えられたような気がする」
そう言ってギガストリーマーを大樹に託す竜馬。
「ギガストリーマーは、人命を救うためのものだ。俺より、おまえの方が持つ資格がある」
竜馬さん、無事に呪いのアイテムの譲渡に成功
それらしい事を言って、厄介払いした!
まあ、竜馬さんの立場からすれば、散々悩んだ挙げ句に「敢えて撃つ」という非情な決断をした目の前で後輩が「好きにしろ!」とかわけのわからない事を叫んでいたら、それは嫌がらせの一つや二つしたくなるというものです。
そういえば、メサイヤの上下左右に撃ち分けた、プラズマ光波弾による二次被害がどの程度のものだったのか、とても、気になります。
メサイヤ役の堀田真三さんは随分大きくクレジットされているなぁと思ったら、東映ニューフェイス宮内洋の一つ先輩というベテラン。『キイハンター』や『Gメン’75』を始め、時代劇など数多くの作品で悪役を演じ、『忍者キャプター』の風魔烈風、『アイアンキング』の不知火太郎など、特撮番組でも馴染みの深い大物でした。前作『ウインスペクター』ではダメオヤジ回の殺し屋・影山として出演。見覚えのある顔だなぁと思ってはいたのですが、どうも、色々な時代劇で見ていた模様。