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『世界忍者戦ジライヤ』感想5

そろそろ覚えよう、縞縞の人は、星忍・烈牙(れつきば)。
飛び道具を額から取り外して投げつける、というところは好きなんですが(笑)
◆第7話「ジャングルのハンター 獣忍マクンバ」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:高久進
学校の授業で絶滅の危機に瀕する野生動物の話を聞き、毛皮売り場に「おれたちの命をかえせ」と書いた半紙を貼り付けて回って補導される学。
「殺される動物の気持ちがわかるかよ!」と泣く学を見ながらうんうん頷く父さんは、
悪の忍者一族を虐殺した過去を持ちます。
その頃、日本の密輸組織と取引をしているアフリカの世界忍者・獣忍マクンバが、組織の情報を書き残した密猟者ハンターの手紙を追って来日。既にマクンバによって始末されたハンターの名はジョー。哲山の愛弟子の一人であり、彼が結果的に遺言となった手紙を送ったのは、師・哲山であった。
「命。これ以上の言葉はあるまい」
道場で満足げに習字をする哲山めがけて、飛び込んでくる火槍! 貫かれた半紙の、「命」の文字が燃え上がるのは格好いい。そして哲山の命を狙い、切り込んでくるマクンバ。マクンバの動作の度に、獣の吠え声のSEが入る、という演出も秀逸。
足の怪我も癒えて完調に近い父さんは、相変わらずの格好いい生身アクションでマクンバを撃退。哲山のアクションは単純に強いというだけではなく、基本は長物で足を狙いにいく、という特徴付けがされているのも良いところ。後に、足を潰しにいくなどのリアルな殺陣、というのを『七星闘神ガイファード』という作品がアピールしますが、約10年前に山地哲山がやっていた、という事実。
「動物たちはもちろん、人の命は尊いものだ。わかったな」
ジョーの手紙を知り、密輸組織の調査に向かう闘破に哲山が告げるのですが、前回の今回で命の尊さを説いても、親子揃ってまるで説得力はない(笑)
忍び込んだビルで、スニーカーに仕込んだ針金で鍵開けしてしまう闘破(糸状のものを口で湿らせると硬化する、というギミックは忍者の小道具らしさが出て、秀逸)。
とある、魔法使いの出てくるマンガで
「思うに我々の技能は非常に盗ッ人向きなんじゃないかと思うね」
という台詞があるのですが、現代に生きる忍者は、まんますぎて危険。
闘破の潜入により密輸組織が取引を早めるという情報を入手した妖魔一族、戦力強化の為に武器をかすめ取ろうと画策し、闘破より先に取引現場へ乗り込み、「我等は妖魔一族、武器をもらいにきた!!」……って、この人達はもう、面白すぎます。
しかくマクンバの待ち伏せを受け、カラス天狗一匹、木っ端微塵。
続けてもう一匹、大爆死。
ここはマクンバの実力を見せる為のシーンなのですが、ざくざくやられていくカラスさん達が可哀想すぎます。まあ《種族:妖怪》なので、一週間足らずで復活しますが!(もしかしら新規に補充されているのかもしれませんが、個人的には再生説を採りたい)
烈牙もマクンバに退けられ、挙げ句の果てに、社長の操るクレーンで倒されそうになる紅牙。
妖魔一族の横槍に様子見していた闘破と学はその光景を目撃。
学「あいつは悪いやつだ、いい気味だ!」
……だが。
「命!」
武闘着っぽい新衣装で背後に姿を見せる父。
「命だ。妖魔一族は戸隠流の敵には違いない。しかし闘破、人の命が絶たれるのを、おまえは、黙って見ていられるのか!」
説得力は皆無ですが、ここで、主題歌とともにジライヤへの変身シーンになる演出は格好いい。
特撮ソングというのはイントロだよなぁ、と改めて思わされます。
なお父の立場からすると、袂をわかったとはいえかつての友(毒斎)の娘、紅牙さんに関しては小さい頃を知っている縁、とかもありそう。
ジライヤvsマクンバ……の合間に繰り返し挿入される、クレーン車に吊り上げられてネットの中でもがく紅牙さん(笑)
ジライヤvsマクンバ→もがく紅牙(海に捨てられそう)→ジライヤvsマクンバ→もがく紅牙(海に捨てられそう)→ジライヤvsマクンバ→もがく紅牙(海に捨てられそう)……とカットの切り替えが続いて、凄く面白い事に(笑) 
戦闘の合間、一瞬の隙をついてジライヤの剣がネットを切り裂き、紅牙を救出、紅牙は捨て台詞を残して逃げていく。
「ジライヤ、余計な事をするんじゃない。私はいつでも脱出できたんだからね! フン!」
フ……フラグ立った!
義理の妹との間に好感度設定がある上に、まさか7話にして早くも敵の女幹部とフラグ立てるとは、恐るべし、山路闘破……!
ジライヤがマクンバと戦っている間に、哲山は密輸組織のチンピラ&社長を撃破して大活躍。社長にパンチを炸裂させた際に凄い音がしていましたが……大丈夫か……命。
戦力的にジライヤを食ってしまわないか心配された父さんでしたが、今回はジライヤが世界忍者の相手をしている間に関係する悪人を叩く、というバランスのいい展開。今後もうまく、使い分けてほしい所です。
倉庫にマクンバをおびき寄せたジライヤは、幻術発動……と思ったら学が影絵の要領で仕掛けた虚仮威しだった、というトリックなのですが、ついてきた学の存在意義を出しつつ、強敵として描写されたマクンバとの戦力差を家族の協力と精神的に動揺させる事で埋める、と丁寧な構成(そこまで考えていなかった可能性もありますが、結果的にそうなっている)。
混乱して逃げ腰となったマクンバを追い詰めるジライヤ。
「マクンバ! 俺は命の大切さは知っている。だが、卑怯者のおまえだけは許せない!」
磁光真空剣・真っ向両断!
あー、まさか作品自ら、実質的な殺っちゃってます宣言を明確にしてくるとは(^^;*1
この辺りの「悪人に人権はない」が露骨なのも、今作の70年代臭が強い所ではありますが。こうやって流れで見ると、この2年後の『特警ウインスペクター』が如何に革新的だったかがわかります。今作でも世界忍者が純然たる悪人にして単純明快な“敵”とは限らず、例えば紅トカゲさんレベルでも生き延びるとか、色々と萌芽は見えるのが面白い所ではありますが。
あと高久進は基本的に70年代よりの人ですが、「卑怯者」は高久さんの中でマジックワードなのだろうか(笑)
こうして密輸組織は壊滅。ジョーの仇を討った山地一家は、アフリカに想いを馳せるのであった……。
ナレーション「命。それは何者にも代え難い尊いものだ。山地一家は、人間はもちろん、動物たちの命をこよなく愛する地球家族であった」
怖いわー。
忍者家族、線引きがドライすぎて怖いわー。
普通なら、回のテーマと内容の乖離っぷりに頭抱えて呆れる所なのですが、6話までを踏まえた上で、最初から最後まで説得力が絶無でかえって面白くなってしまったという、奇跡のエピソード(笑) 特に前回、「音忍一族を殲滅した」という過去を語るエピソードの直後に来たのが、非常に効きました。たぶん順番が逆だったら、両話とも、何だかなぁ、とスッキリしないものになってしまったと思います(特に今回)。まさに、ミラクル戦士ジライヤ。
また今回は、全編通して演出が秀逸。細かいギミックが面白かったです。


◆第8話「暗殺はデートの後で」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:藤井邦夫)
闘破とケイに、来日したアメール国の元プリンセス・マイラ平和大使のガードを突然指令する哲山。
……どう考えてもこの二人が一番不審者なのですが、哲山はなんか世界各地に妙なコネを持っていそうなので、既に根回し済みっぽい気もします。
そしてマイラ平和大使は、かつての独裁王政の復活を画策する支持者達によってその命を狙われていた!
マイラの暗殺を妖魔一族に依頼する世界忍者・剛忍アブダダを演ずるは、大月ウルフ!!
下手に固定セット作るより面白くなる時はありますが、本日の毒斎様の根城はなぜかライブハウス。周囲に陣幕を張るとどこでもアジトに早変わりするのが、零細企業・妖魔一族の素晴らしい所。
そして裏では暗殺を依頼しているアブダダが、叔父様として忍者衣装抜きで平然と宿泊先のホテルに姿を見せる、というのもいい。
妖魔一族の襲撃を受け、どさくさの中でケイは「忍法・顔移し」を用いてマイラの身代わりを務める羽目に。一方、マイラを救出した闘破は、彼女の願いを聞き、彼女の母の思い出の地だという鎌倉に向かう事に。
鎌倉デートは、しっかりと鎌倉ロケ。
『ジライヤ』はメカ特撮が無い分の予算を、キャストとロケに回しているのかしら。
姪っ子を手にかけるのはさすがにしのばれる、と言いつつ結局直接出てきたアブダダは、なぜかビーム砲を使用。それだけかと思ったら、ラストは地割れを起こし、大爆発! と思わぬ破壊力でジライヤ、恵美破、突破を苦しめるが、「忍法稲妻落とし」を受けて幻術を破られ、磁光真空剣でずんばらりん。
突破さんはもう少しジライヤに突っかかる役割かと思っていたのですが、全然そんな事は無し。そして烈牙と同じフレームに入ると本当に危険。
次回、あの男が帰ってくる! (BGM:『暴れん坊将軍』OPテーマ)

*1:ただし、変にテーマとして拘って中途半端になるよりは、この方がいい。