はてなダイアリーのサービス終了にともなう、旧「ものかきの繰り言」の記事保管用ブログ。また、旧ダイアリー記事にアクセスされた場合、こちらにリダイレクトされています。旧ダイアリーからインポートしたそのままの状態の為、過去記事は読みやすいように徐々に手直し予定。
 現在活動中のブログはこちら→ 〔ものかきの繰り言2023〕
 特撮作品の感想は、順次こちらにHTML形式でまとめています→ 〔特撮感想まとめ部屋〕 (※移転しました)

『世界忍者戦ジライヤ』感想6

◆第9話「ワナワナ罠のパコ作戦」◆ (監督:岡本明久 脚本:高久進
カラス天狗による銀行強盗を追う麗破と突破だったが、それは妖魔一族による罠で、麗破が捕らわれてしまう。
「妖魔一族がこんなはした金を狙うと思うのか。くれてやる」
と札束をばらまく紅牙さんは気持ちよさそうではありますが、内心、
(もったいない……)
とか思っていそう。
多分、そのままお金持って帰っているし。
麗破の身柄はボードと引き替えだと言われて、山地家に土下座しに来る突破に、ボードを渡す哲山。「麗破は国際秘密捜査官だ」と、二人が隠していた事をあっさりバラす(笑)
この辺りの、どうでも良さそうな伏線をどうでもいい感じに解消してしまうのは、前作同様。父は何でも知っている。
むしろこれをチャンスに妖魔一族のボードを奪ってやろう、と作戦を練るジライヤと突破であったが、妖魔一族に見破られて逃げられてしまう。ついでに人質の麗破を始末する(お約束)のかと思いきや、ボードを奪った事に満足して、あっさり返すのが実に妖魔一族らしい。
しかし、そこに現れる白馬。
復活のフクロウ男爵、紅牙さんを抱きしめてボードを奪う。
そして、投げ捨てる(ひどい)。
ボードの残り半分を持ってこいと妖魔一族に告げ、走り去るフクロウ男爵だが、そこへ立ちはだかるジライヤ、
「俺は昔の俺とは違う。あれから戦いの場数を踏んだ」
(忍者語訳:「戦い」=「殺し」
ここでジライヤとフクロウ男爵の戦闘を挟んだのは、実際にジライヤが戦闘力を上げている事を明確に示す演出で良かったです。相変わらず、馬にまたがりっぱなしのフクロウ男爵のアクションもなかなか凄い。
そして、敬虔なキリスト教徒なのに、十字架に爆弾を仕込む男爵。
ジライヤをまいてアジトへ戻ったフクロウ男爵の前に、馬を脅えさせる男・山地哲山現る。
哲山は木の枝で男爵を撃破。
「殺生は好まん」
(忍者語訳:必要とあればいくらでも殺るが、別に殺しが好きなわけではないし、無駄な殺しはむしろ素人のやる事である)
そんな哲山に男爵は自分がパコを求める理由、「パコによって愛を満ちた世界を造りたい」という理想を語り、哲山はその志に共感。協力して毒斎からボードの半分を奪おう、とフクロウ男爵にボードを託し、ジライヤ・麗破・突破の3人に、男爵をフォローするよう指示するのであった。
富士の裾野で対峙し、お互いの持つボードを合わせる毒斎とフクロウ男爵。その時ボードが光り輝き、遂にパコの在処を読みとる毒斎。同時に毒斎は足下に仕掛けていた罠を発動し、男爵の背を毒矢が貫く! ジライヤ達の助けも間に合わず、更に烈牙の矢を受けたフクロウ男爵は、最後の力で取り戻したボードの半分をジライヤに託すと、「あいしゃるりたーーーん!」の叫びとともに、滝壺へと落下。
格好いいシーンなのかどうか、よくわからなくなってしまいました(笑)
パコの隠し場所を探し当てた妖魔一族であったが、ドリルで掘ったらなぜか、大・爆・発
今回も、カラス天狗、無惨に木っ端微塵。
妖魔一族はパコを手に入れ損ねて撤退するが、果たしてボードの情報には何の意味も無かったのか……?
「毒斎は私の策略にはまったのだ」
実は万が一を考え、哲山がボードに細工、それと知らずに互いを合わせても偽情報を浮かび上がるようになっていたのであった。そして偽情報の場所には、遙か先人が邪悪な意志を持つものに対するトラップを仕掛けていた。かくて再び、本当の隠し場所を知るべく、ボードを巡る争いは続くのであった……。
富士をバックにいななく白馬を見て、「惜しい男を失った」と呟く哲山。
滝に落ちたので基本的に生死不明ですが、ナレーションで「さらば城忍フクロウ男爵」と言われてしまいました(笑) 復活するかどうかは、話の都合と人気次第、といった所でしょうか。
早くもパコの隠し場所が判明してしまうという驚愕の展開かと思いきや、父さんの偽情報でした、というオチ……なんですが……えー……あれー……父さん明らかに、フクロウ男爵も始末する気満々だったような。
実力差を見せつけた上ですぐには殺さず、同調した風を装って自陣営に引き込み、妖魔一族抹殺の為の捨て駒にするとか、父さん、えぐい、えぐすぎる。
恐るべし、戸隠流宗家!
恐るべし、山地哲山!
今後も使うかはわかりません、弓矢をアクションに取り入れてきたのは面白い。
全編アクション満載に、各種勢力が入り乱れてパコの秘密を争う、と一回ここで『ジライヤ』の基本をまとめたようなエピソードとなりました。
全体的に『ジライヤ』は、何かくびきが外れたのか、撮っている側が楽しそうなのは好印象。