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『世界忍者戦ジライヤ』感想7

◆第10話「生か死か!霊幻忍法の恐怖」◆ (監督:岡本明久 脚本:高久進
忍者vs功夫
と、トンデモ伝奇武侠小説のアオリみたいですが、そんな第10話。
横浜中華街へ春節祭見物に出かけた山地兄弟、同年代の中国人美少女に声をかけられてふらふらついていった学が「もっと強くなれる、龍の力を得る薬」と言われて、赤邪丹という変な薬を飲んでしまう。ダーク学となり、暴れ回る学は闘破に取り押さえられるが、薬の副作用で激しい頭痛に苦しんで入院してしまう。赤邪丹の正体は麗破曰く
「今、現実の厳しさから逃げ出したいヤングの間で流行ってるの」
という興奮作用をともなう麻薬であった。
「ヤング」ってこの時代に流行した単語だったのだろうか……と思わず調べてしまったのですが、Twitterで教えていただいたりしたところ、むしろ60〜70年代の流行り言葉で、高久さんの脳細胞に変な形で降臨したっぽい。
……或いはこれ、実は麗破さんが見た目通りの年齢ではない、という伏線とかだったらどうしよう(笑)
そして学に薬を渡した少女の正体が紅牙さんの変装だったという衝撃の展開。
戦闘力は麗破どころか恵美破ともどっこい疑惑がある紅牙さんですが、意外とオールマイティ。10代前半の少女を演じきれる心の強さも含めて。
麗破の頼みで突破と共に赤邪丹の取引現場を押さえようとした闘破だったが、気付かれて逃げられてしまう。紅牙を追う闘破の前に立ちはだかるのは……酔っぱらい。もとい、世界忍者、漢忍・緑龍。
酔拳使いの緑龍vsジライヤの戦いは、かなり力の入ったカンフーアクションで、とにかく中の人が凄い。
今作の生アクション路線は、息切れしないで今後も期待したいところ。
突破と幾度か戦った因縁を持つ緑龍は香港の犯罪組織に属する名うての暗殺者であり、妖魔一族と取引して赤邪丹を日本に広めようとしていた。
毒斎様「日本のヤングどもは享楽に走り、刹那的に生きておる」
ゴッドネロス様でさえ、「ヤング」とか言わなかったのに、言わなかったのに!(笑)
突破から緑龍の恐ろしさを聞く闘破だが、戸隠流忍術で倒してやる、と意気盛ん。いつにも増して人の話を聞かないなぁと思ったら学の件で頭に血が昇っているようで、この辺りは構成が巧い。そんな闘破の様子に、「彼はカンフーを甘く見ている」と心配する突破、不安を感じる哲山。
紅牙を追っていた麗破と突破が待ち伏せを受けて緑龍に破れ、麗破の救援要請を受けて飛び出していこうとする闘破に、哲山は言葉をかける。
「闘破、忍法とは、心と体を鍛錬し、正義を守るための武芸だ」
「親父、いったい何が言いたいんだよ」
「少しでも心に油断が、慢心があれば技を鈍らせる。それを忘れるなよ」
しかし哲山の忠告もむなしく、緑龍の幻術攻撃にはまってしまうジライヤ。苦戦するジライヤに更に背後から斬りかかったのは、火忍チャン・カンフーの息子!
表記が、火忍チャン・カンフーの息子
なんだか扱い酷い(笑)
個人名は無いのか(^^;
スーツを切り裂かれ、危地に陥るジライヤは磁光真空剣で起死回生を狙うが、緑龍の幻術に阻まれる。幻の龍の炎を浴び、宙づりにされるジライヤ、更に迫る火忍チャン・カンフーの息子の刃! かつてないピンチに、果たしてこのまま「ジライヤは中国忍法の、餌食にされるのだろうか」……結局、中国忍法になってしまいました(笑)
世界忍者2体投入で、まさかの続き展開。チャン・カンフーの息子は最後の最後まで出てこないので、キャスト表記は仕方ないとして、次回予告で見せてしまったのは勿体なかった気がします。
そして次回、割と早くパワーアップの模様。出だしがバタバタしていた割には、一通りのキャラ話→LVが上がって少し調子に乗り出す闘破→大ピンチ、とスタンダードながら構成が真っ当で話にノリやすいのは、世界観がトンデモなだけに、今作のいい所。