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『世界忍者戦ジライヤ』感想11

◆第17話「夢破1 浜名湖に潜む魔王!」◆ (監督:辻理 脚本:藤井邦夫)
暴れ回る鎧武者……「魔王」の夢を見た哲山は、闘破を浜名湖に向かわせる。
「魔王」とはかつて戸隠流の忍者が壮絶な戦いの末に封印し、現在は花忍一族が守護する、伝説の鎧であった。身につけたものはその纏う霊気によって莫大な力を得るが、闘争と血を求める阿修羅となり果ててしまうという、恐るべき呪いの武具である。
……この世に色々あるけど、浜名湖に魔王が潜んでいた、というのは、歴史的に初ではないだろうか。
そんなわけで、浜名湖レークサイドプラザ協賛、タイアップ編。
…………いつも思うのですが、この手のタイアップって、本当に広告効果あるのでしょうか(笑)
トランクに忍び込んでいた学に買収された闘破はホテルに宿泊するが、従業員の人達は微妙に怪しげ。実は彼等は市井に潜んだ花忍一族の仮の姿であり、「魔王」を狙う外部の人間に神経を尖らせているのであった。
どうやら哲山は事前に渡りをつけてくれていたわけではなく、「野宿しろ」など、スパルタです。「密かに接触しろ」と言われたのに、ホテルマンに堂々と聞いてしまう闘破も闘破ですが。
妖魔一族から「魔王を売り渡せ」と持ちかけられていた事もあり、闘破を怪しんだ花忍一族は警戒態勢を強化して全員集合。
ぷらぷら歩いていた従業員が、忍び装束に変身した途端、激走したりするのが楽しい。
ところが花忍一族には、既に毒斎様の調略の魔手が伸びていた。上忍・黒猿は「魔王を使って、忍びの世界を征服しようではありませんか」と言い出すと、妖魔一族の登場に合わせて一族を裏切り、頭領を後ろから切りつける。次々と討たれていく一族からくのいち・夢破を逃した頭領は、「魔王」の在処を語る事なく、
「黒猿、忍びの最後を、よく見るがよい!」
と壮絶な自爆。
通りすがりの闘破を敵と勘違いした逃亡中の夢破であったが、ジライヤスーツを見て誤解を解くも
「魔王」は私が貰う! 私は魔王を着て阿修羅となり、必ずおまえを倒す」
と斜め上な方向で、黒猿に宣戦布告。
本日もモブ気味な烈牙さんを撃退し、二人はモーターボートを奪って逃走に成功する……。
ゲストヒロインの夢破さんは、ちょっと眉の太い80年代アイドル顔で、凛々しい女忍者にいいキャスティング。
率直なところ、麗破か紅牙さん素顔にこのキャスティングだったら、凄く盛り上がるのですが(笑)
ゲスト敵の黒猿さんも、繋がり気味の眉毛が素敵。
夢破は闘破の説得を拒否して「魔王」を入手しようとするが、妖魔一族につけられ、「魔王」の隠し場所を知られてしまう。黒猿は浜名湖底の洞穴で遂に「魔王」を発見し、装着。ここで妖魔一族に対し、水上バイクで駆け付けたジライヤのアクションシーンは秀逸。
いったいぜんたいどうやって、全身鎧を身につけた状態で湖面に浮上するのかと心配させた魔王黒猿は、洞穴の上に存在していた島の岩肌をぶちやぶりながら登場。いよいよ、目覚めた「魔王」vsジライヤ! という所で次回へ続く。


◆第18話「夢破2 霊気が燃える大砂丘!」◆ (監督:辻理 脚本:藤井邦夫)
あらゆる忍術を跳ね返す「魔王」の力に追い詰められるジライヤと夢破だったが、駆け付けた哲山によって窮地を救われる。
その一方、「魔王」を入手した黒猿にあっさり裏切られる毒斎様、この圧倒的安定感。
「魔王」を倒す秘術があるのでは? と闘破に詰め寄られるも、そんなものはない、とにべもない哲山は学と風呂へ。
「闘破は焦っている。焦っている内は、どんな事をしても勝つ事はできん。カラス天狗が監視しているのにも気付かないようではな」
どこまでも、圧倒的貫禄。
夢破は「魔王」の力の前に戦意を失い、復讐は諦め「忍びの世界の事は全部忘れるわ」と闘破に告げる。
また毒斎は黒猿とジライヤの共倒れを狙い、「だから今は黒猿に協力するふりをするのだ。それが利口というものだ、ふははははは」
圧倒的小物感を発揮。
しかし毒斎様は、そこがいい。
一人で黒猿を撃破せんととした闘破は妖魔一族の襲撃を受け、花忍一族の裏切り者をざくざく斬殺するが、「魔王」の纏うイデ霊気バリアに磁光真空剣を阻まれ、敗北。なんとか逃げ出した闘破の前に立つ哲山。
「闘破、なぜ今の自分が勝てぬかよく考えてみるといい」
『ジライヤ』の特徴的な所で、物語の軸を「親子関係」そして同時に「師弟関係」に置くことによって、山地闘破/ジライヤは、未熟でしばしば敗北するキャラクターであるが、教え、諭され、学ぶ事で成長する主人公となっていて、この構造は実に良い。
「闘破、焦りを捨て、勝とう思うな」
「魔王」は戦う気持ちに反応して、霊気を増幅させる。「魔王」を打ち破るには、闘志を捨てながら無心でその懐に入り込むしかない。もしや夢破はその為に忍者の世界を忘れると言ったのでは……? 彼女の真意を知る闘破であったが、その夢破が搭乗していた遊覧船が妖魔一族によってジャックされてしまう。
遊覧船の乗客を救いたければ大砂丘「魔王」と戦え、とジライヤは脅しを受け、モーターボートで遊覧船の救出に向かうは山地哲山!
……と見せかけて、哲山に注目が集まった所で水中から近付いたジライヤが急襲。慌てた紅牙は乗客の子供を人質に取ろうとするが、夢破を見張る学のサポートとしてやってきていたケイに阻止される。学を人質にされた烈牙も夢破に退けられ、妖魔一族は撤退。
最強のカード(山地哲山)を囮にしてジライヤが奇襲、更に二重の伏兵(ケイ)を仕掛けるなど、単調なパワープレイに陥らないのが今作のいい所。仇役である妖魔一族の在り方も含め、“忍者”という点を強く意識しているのでしょうが、敵が小狡いが、味方もしっかり策を巡らせるといのは楽しい所です。
これぞまさしく、兵は詭道なり
……遊覧船のエキストラの皆さんは、ちょっと余裕ありすぎましたが(笑)
特に、「あー、一仕事終わった」感満載で退場していく船長さん。
遊覧船の乗客を救ったジライヤは後を哲山に任せ、夢破とともに大砂丘へと向かう。磁光真空剣・稲妻落としすら弾き返す「魔王」を前に、ノーガード戦法を取る二人。対峙する敵意を見失った「魔王」の霊気は衰え、磁光真空剣の一閃で至近距離からその体を貫くと、弱った所を、斜め両断!
かくて「魔王」はその力を失い、黒猿は消滅。伝説の鎧は再び封印され、山地一家はその守りを夢破に託すと、浜名湖を去っていくのであった。
次回、
また奇天烈な見た目の世界忍者
と思ったら
遂に、逮捕
そして
あいしゃるりたーーーん
予告だけでお腹一杯すぎます(笑)