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『快傑ズバット』感想23

◆第32話「さらば斗いの日々、そして」◆ (監督:広田茂穂 脚本:長坂秀佳
天海山三兄弟の銃撃を浴びた早川は吊り橋から落ちかけた所を東条に助けられる。だが一方、ノリノリで構成員を蹴り飛ばしていた神竜が、いつの間にか崖から海に落ちかけていた。神竜を助けようと手を伸ばした早川、よくわからない内に崖から落下。…………いつもの癖が出た?
ホテルに戻った東条と神竜は、今後の対策を協議する。
神竜「まずこのシルベールは、みどりさんに守ってもらいます」
ど う し て
みどりさんとオサムくんがいつの間にか理沙と一緒に居るのはもう気にしないとして、なぜ、よりによって、みどりさんに。
そして神竜はシルベールの科学合成式のメモを半分に切ると、一つを東条、一つを自分が持つ事で、どちらかが倒れてもシルベールは完成しないようにと策をめぐらす。その上で二人はみどりに理沙の変装をさせ、彼女を囮にする事でダッカーの誘き出しを謀るのであった。
一方、断崖絶壁に引っかかっていた早川、目を覚ますも、また海に落ちる。
その頃、オサムはみどりに偽装した理沙とともに、山道を逃げていた、と三者三様の展開。
しかし、ダッカーの攻撃を受け、蜂の巣にされた神竜が転落死。更に理沙とオサムにもダッカーの魔手が迫る。だがその時、二人の前に現れたのは、満身創痍の早川健
「ああ、天下の私立探偵、早川健だよ。貴様達に散々痛めつけられて、歩けないほどにされた男さ!」
テンション最高潮の早川は「歩けない」と自称しながらも構成員達をあっさり撃破するが、そこへ天海山三兄弟が登場。
「勝つことができるか、早川!」
「貴様ら三兄弟、いくら粋がってみても――しょせん日本じゃあ二番目だ」
ここは実に格好良く決まりました。
決めポーズの最中によろけるほどのダメージを受けていながらも、三兄弟と何とか互角の斬り合いを見せる早川。東条が駆けつけて容赦なく3兄弟を背後から射撃した事により、3兄弟は撤退。ホテルに運び込まれる早川だが、その身に受けたダメージは深刻であった。
今回とにかく詰め込んだ内容に対して尺が足りなかったのか、いつも以上に繋ぎのシーンが全く無いので、適当に補完しながら書いておりますが、実際の本編では、駆けつけた東条が射撃した所でシーンが切り替わり、戦闘ぶつ切り・3兄弟のリアクションも描かれないまま、ホテルに移動しています(^^; 結局全員でホテルに戻ってきたりとか、凄く、いっぱいいっぱい感が漂うシナリオ。
気絶し寝かされていた早川だが、東条が善後策を検討している内に、「許せ これは俺の斗いだ 健」と置き手紙を残して姿を消すと、「このギターで、奴らはきっと現れる」と、海辺の断崖でギターをかき鳴らし、ダッカーを待ち受ける。
そこに現れたのは、胸にそれぞれ、天・山・海と書かれた銀ぴかのスーツに身を包んだ3兄弟。その身に纏うのは、シルベール製の超強化スーツであった!
「どうしてやつらにシルベールが……」と疑問に思いながら、銃撃を浴びて転落する早川健
前回から考えると、何度目だ、という感じですが、それもこれも全ては、被虐エネルギーを最大限まで高める為なので仕方がない。
一方、早川を探す東条達の前に、
覆面!
全身金ピカ!
赤い裏地の金色マント!
という、2013年にわかりやすく例えると、全身金色のBIGマンとしか言いようのない、
パーフェクトな変態が姿を見せる。
その男こそ……!
「始めてお目にかかります。ダッカーの総元締め、総統D(でー)! 私が自己紹介する相手は、今すぐ死んでいただく人達だけに限ります」
構成員に射撃の合図を送る、総統D。だがその時、空に爆音が響き渡る!



ズバッと参上! ズバッと解決!
人呼んで、さすらいの、ヒーロー!

快傑、ズバァァット!!

全ての痛みを、憎しみと怒りの力に変えて、快傑ズバット、ここに参上!
東条達を置いて戦場を移動したズバットは、3兄弟の遠距離砲撃を受けながら、ただひたすら前進していく。
ここは凄まじく格好良く、このままアクションになだれ込むのかと思いきや……何故か場面変わって、ズバットを探す東条達。海岸線を探す彼等は、吊り橋からぶらさげられた天海山三兄弟を発見する(笑) 演出としてのテンポはともかく、絵が凄く面白かったです(笑) 満身創痍のギリギリの戦いの筈なのに、しっかりズバットカード用意されているし。
ズバットは三兄弟を倒した。だが、東条の計算によれば残された時間はあと40秒に過ぎない……果たしてズバットは、早川健は、友の仇を取れるのか?!

「俺の親友、飛鳥五郎を殺したのは、貴様だな!」
「おうとも、奴は儂の正体を見破ったのでな」

対峙する、真紅と黄金。
ズバットスーツとシルベールスーツが、今、激突する!!
「ズバァッ!」
「ダーーーーカァッ!」
意表を突く奇声と共に飛び上がり、ズバットの互角の戦いを見せる総統Dは、更に黄金キャノン砲を乱射。烈火のごとき砲撃を受け、ずたぼろになっていくズバット
ダッカーーーーーーキーーーック!」
総統Dの跳び蹴りからの連続キックに追い詰められるズバット。だが、友の仇を目の前に、全ての痛みをパワーに変える快傑ズバットは、倒れない!
ズバット・ア・タァァァァァック!!」
「ダーーーーカァッ!!」
空中で交錯するズバットと総統D。着地した二人はそれぞれ大きいダメージを受けてもはやまともに立つことも出来ないが、それでもただひたすらに、仇敵へ拳を振るう。
ズバット、てぇい!」
ダッカー、てぇい!」
限界を超え、よろめきながら、全身全霊を振り絞って殴り合う二人。
決着や如何に?!
そして……離れていくカメラ。
ここまで31話、途中の色々なあれやこれやを、クライマックス戦闘のカタルシスで吹き飛ばして文字通りに快傑してきた作品が、その最後の戦いにおいて、戦闘を俯瞰してしまうという、なんだか凄まじい演出。
そして――ズバットを探していた東条達は、崖の上で、金ピカの死体を発見する。
息絶えた総統Dの覆面の下の素顔は……神竜伸介! 3兄弟や総統Dがシルベールスーツを入手できたのは、神竜がメモを二つに分ける、と言って手にした時に、その内容を全て記憶していたからであった。神竜は国際秘密警察の刑事として働きながらダッカーの総統として暗躍し、前回と今回、一行の行動が妙に迷走気味だったのも神竜の巧みな誘導が原因であると言えた。
警察関係者(しかも東条の親友)をダッカー総帥に据える事で、例の、東条が早川の実験を見た途端にズバットスーツが5分のタイムリミットを過ぎると粉々に爆発する情報がダッカーに流れていた件、について、一応、なんとなくの理由はつきました。
さすがに今回、神竜伸介/総統Dとかクレジットされなくて、本当に良かった(笑)
しかし神竜は20代で刑事をやりながらダッカーを一代で築き上げたとも考えにくく、とするとダッカーは、世襲制の悪の秘密結社だったのかもしれません。
首領Lはたぶん、先代・先々代から組織に仕える、大番頭みたいな存在。
最後の最後で「世界征服を目指している」という目的が明かされましたが、神竜が表の顔を国際秘密警察の刑事としたのも、各支部長にやたらに海外出張が多いのも、その為の活動だと考えれば辻褄が合います。
神竜伸介は、悪のプリンスだったのだ!
また或いは、真っ当な刑事としての活動中に総統Dを倒した神竜が悪魔の誘惑に負け、覆面姿の総統Dにすり替わった……年齢にそぐわぬ喋り方を見ると、そんな可能性もあるかもしれません。
かくて総統Dは悪行の報いを受け、ここに人誅を受けた。だが、死体の傍らに残されていたのは、ずたぼろのズバットスーツの残骸だけ……果たして早川は無事なのか? そしてどこへ消えたのか……?
場面変わって、飛鳥五郎の墓に、花を手向ける早川健
流れ出すエンディングテーマ(歌入り)。

「飛鳥、おまえの仇………………とうとう、取ったぜ!」

そして……
飛鳥の墓へやってきた東条は、墓石に手向けられた花束とズバットカードを目にして、早川の勝利と無事を知る。

「悪の大組織、ダッカー全滅」

東条「とうとう、やったな、早川!」
みどり「え?」
オサム「ズバットは、早川さんだったの?」
最後の最後まで、ヒロイン?、壮絶に蚊帳の外。
スト2話も、むしろゲストの理沙が正ヒロイン扱いでしたし!
今、斗いの日々は終わった。友の復讐を終えた早川は、さすらいの私立探偵として、いずこへともなく去って行く。どこかで悪が嗤い、弱者が泣く時、彼はまた、風のように現れるだろう、友の形見の、ギターの響きと共に。

男はひとり道をゆく 男はひとりゆくものさ
かたい誓いに命をかけた 波の彼方に何がある

そのまま、2番の歌詞でエンディングに突入。
……

突然現れる飛鳥五郎の恋人と、超繊維シルベール
突然存在を明かす悪の大組織ダッカ
突然乗り込めるダッカー本部
突然特攻野郎と化す東条進吾
突然前線に出てくる首領L
突然判明する真犯人と真の大ボス
突然明かされる飛鳥殺害の理由

ストーリー上の重要な要素が、すべからく取って付けたように解明される困った最終2話ですが、さすがに、玩具の売り上げ不振による思いっきり打ち切りだったそうです(企画当初から1年予定だったらしい)。まあ確かに、この番組を見て、ズバッカー欲しい!……とは思いません(^^;
今なら、フィギュアーツでズバット出たら、ちょっと悩みますけど。
とはいえ、今作に物語的な辻褄を期待していたかというと正直そうでもないわけでありまして、どちらかといえば、忙しくて一つのエピソードとして構成がぐちゃぐちゃになってしまったのが残念。また、打ち切りではあるものの、作品のテンションとしてはこのぐらいの話数が限界だったのでは、とは思わないでもありません。予定通りの話数だったらクライマックスはしっかりと伏線を敷いていって盛り上がったかもしれませんが、一方で、ぐだぐだなエピソードも増えた気はするので、良し悪しというか。
まあ、首領Lなんかは面白いレギュラーだったのに、ぞんざいな最期になってしまって可哀想でしたが。
みどりさんは……あと20話増えても正ヒロインに昇格できる気がしない。
それにしても、全ての罪を着せて、早川が快傑ズバットの死を完全偽装しているのが恐ろしい。
伝説の快作、堪能させていただきました。