◆第11話「炎の超高速ロボ」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
ある日、勝は「エクシードラフトに勤めている姉に渡してくれ」と、見知らぬ少年から「挑戦」と描かれたFDを手渡される。本部で確認したそのFDの中身は、警察やエクシードラフトの装備開発も行っている御用メーカー、中光機械の工場への、爆破予告であった。現場へ向かったエクシードラフトは爆弾を探査するが、一向に見つからない。予告の時間が来た時、吹き荒れる謎の突風! 吹き飛ぶ警察の皆さんとパトカー!
うん確かに、「時限爆弾で爆破する」とは一言も言っていなかった、心理的盲点を突いた見事な爆破予告トリック!
炎を噴き上げる工場に、実装したエクシードラフトは乗り込んでいく。
実装後、車から飛び出すシーンが追加。
ところでいつも思うのですが、拳はスーツを着た後で、ヘルメット装着前に顔をぱんぱんするのは首に悪そうなのですが、誰か止めた方がよろしいのではないでしょうか。その内、死因とかになりそうでドキドキします。
耕作「あいつ……いっつも顔を叩く癖なんかあったばかりに……」みたいな。
工場内部でエクシードラフトを待ち受けていたのは、謎の竜巻。その攻撃を受け、超吹っ飛ぶエクシードラフト。敵は目に見えないほどの超高速で動いているに違いない、とターボユニットを起動して追撃する3人だっが、音速の壁を前に脱落するブルースとキース。ただ一人目標に追いついたレッダーが目にしたのは……ロボット?! 遂に敵の姿を捉えたレッダーであったが、限界を超える駆動の影響もあり、反撃を受けて敗北、隼人は警察病院へとかつぎ込まれる。
ここまで圧倒的だったエクシードラフト(もといレッダー)、まさかの完全敗北。
それにしても隊長は、根性と個人能力で、マシンスペックを超えてしまうとかますますトンデモで、誰かに似てきました(笑)
エクシードラフトではこれを受けて、ターボユニットの強化計画が進行。レッダーが目にしたロボットの外見情報を元に謎の敵への対策を進めていく。
これまで数々の超人ぶりを発揮してきた隊長ですが、画才はびみょーだった事が発覚。
まあこの場合はむしろ、短時間の交戦中にえらく細かいディテールまでよく覚えている、ところに関心するべきなのでしょうが。
というか、トライジャケットには、記録カメラは付いていないのでしょーか。
ソルジャンヌですら、搭載していたのに。
通信機もついていないみたいですし、本当はレスキューする気ないのではないか(笑)
どうしてそこまで前のめりに、戦闘特化型なのか。
しかしまあ、この絵が「エクシードラフト叶隼人隊長が見たと主張する謎のロボット」としてTVなどで公表されていたとしたら、小学生達が存在を疑うのも仕方ない(笑)
安静中の隼人だったが、ロボットの襲撃を受けた際に工場長が呟いた「まさか……」という言葉が気になり、病院を抜け出すと素敵イラストを持って話を聞きに行く。
「やはり……ポセイドン」
それは、2ヶ月前まで中光機械で開発が進められていた、海中作業用のロボットであった。
「水の抵抗をほとんど感じないロボットが、地上に上がった……」
「そうか、それであれだけのスピードが!」
なんか、怪獣ぽい説明と超論理(笑)
一方、例の少年が乗り込んで去って行ったバンを見かけた勝はその後を追い、野々村研究所という建物にたどり着く。忍び込んだ地下でポセイドンを発見する勝……それは例の少年・カズヤの脳波で動くロボットであった!
元来、カズヤの父親によって海中作業用に開発されていたポセイドンだったが、その性能が軍事目的に転用される事を恐れた中光機械は開発中止を命令。カズヤは失意の父親を説得し、自らが脳波操作のドナーとなる事で、ポセイドンを海中専用に改修しよう、それなら軍事利用の恐れは無い、と訴え、それは成功する。だが……やはり会社はポセイドンを認めず、博士は自殺。カズヤは、博士の助手だったタマキによって再改修を受け、地上でも動けるようになったポセイドンを用いて、亡き父の復讐をもくろんでいるのであった。
「陸上でも動けるようにするとー、軍事利用の可能性が強くなって会社に怒られるかもしれないけど〜、科学者として追求せずにいられなかいら仕方ないよね、てへっ☆」
という野々村博士が、地味にマッド。……まあ基本的にレスキューシリーズは“マッドになって初めて一流”という世界観なので、ごく日常的な出来事ではあるのですが。
「俺も、親居ないんだ。君がお父さん亡くした気持ち、だからわかるんだ」という勝の言葉に、復讐に凝り固まったカズヤの気持ちは徐々にほぐれていく。エクシードラフトに事情を説明しよう、という説得に応えるカズヤだったが、プロレスラーみたいな黒幕と繋がっていた助手の髭面は勝を人質にし、これまで通りにポセイドンを動かす事をカズヤに強要する。
勝たちを乗せ、野々村研究所を飛び出していくバンを目にする耕作と拳。おそらく隼人から情報を得てやって来たのだと思われますが、そこを描いたシーンが無いため、えらい唐突に(^^; 二人はバンを追撃するが、ポセイドンにしばき倒され、大ピンチに。だがその時、改良したターボユニットを組み込んだ、レッダー改が現れる!
左手に格好いいシールドが付属したレッダー、そこから剣も出てきて、一気にヒーローっぽいデザインに。正直トライジャケットはあまり格好良いと思ってなかったのですが、ぐっとバランスが良くなり、このバージョンアップは歓迎したい。
レッダーvsポセイドン、超高速の戦闘。そのスピード、マッハ0.99!
一方、ブルースとキースはバンを追い、助手席から転がり落ちた勝を無事に助けるが、タマキはポセイドンを回収し、カズヤを連れたまま逃亡してしまう……逃げられてはしまいますが、レッダーvsポセイドンだけに集中してしまわず、ブルースとキースに別の役目を割り振った上で見せ場を与えているのは、今作の良いところ。
その上で、人間としてのスペック差を強調する事で、隼人を抜けた存在とする見せ方のバランスは、今のところ巧く回っています。
今回、日向姉弟に親が居ないという設定が出てきましたが、これは小山姉弟の引き写しと考えて差し支えなさそうで、前作の反省をもろもろ踏まえつつ、改めて『ウインスペクター』の後継作品を志向していると見て良さそうです。
次回、「このままでは東京が壊滅」……って、どれだけ凶悪なんだ、ポセイドン。
なお今回、特命でインターポールに出張した桂木本部長に代わり、恰幅のいい本部長代理・一色哲夫警視監が登場。
なんらかの伏線なのか、役者さんのスケジュールの都合なのかは、現時点では不明。
◆第12話「マッハのロボ戦線」◆ (監督:小西通雄 脚本:宮下隼一)
新装備・ガードラーの特訓を行うレッダー、ブルース、キース。
どうも、形から入るタイプっぽい日向隊員の放ったバズーカの弾丸を、着弾に先回りして迎撃するという荒技を披露。
はーしれー エイ○マーン たまよーりもはやくー
一方、隠れ家に逃げ込んだタマキはカズヤに、自分が野々村博士を殺害していた事を告白。タマキの真の目的は、ポセイドンを兵器として売り込む事。その為にタマキはカズヤをそそのかしてポセイドンの性能をデモンストレーションし、仕上げとして、捕らえたカズヤの脳波データをコピーする事で、ポセイドンを意のままに操ろうとしていた。
エクシードラフト本部には桂木本部長から、タマキがパリで香港マフィアと接触、その男、武器商人のチャーリー・ウォンが交渉の為に来日するという情報がもたらされる。
ここで遂に、EDで物議を醸していた、耕作の変装技が炸裂。
老婆に変装して香港マフィアを油断させた耕作は華麗な格闘技で相手を気絶させてすり替わり、迎えの運転手になりすますと港でチャーリー・ウォンご一行を車にご招待。その向かう先は……
マフィアは消毒だぁぁぁ!
「子どもの命がかかっているんだ、何だってやってやるぞ」
人気の無い採石場に香港マフィアご一行を連れ込み、3人で銃を向けて脅迫するエクシードラフト(笑)
日本の警察、おそろしぃぃぃぃぃぃ!
そう、ここは世紀末TOKYOディストピア *1。
科学と危険に満ち溢れた、暗黒未来都市。
合い言葉は一つ、「人を見たら元傭兵だと思え」。
香港マフィアからタマキとの取引場所を聞き出したエクシードラフトは隠れ家へと急行。しかし、油断かましてヘルメット外して突入したため、手痛い反撃を受ける(笑)
エクシードラフトの隙を突き、コピー終了したカズヤの脳波でポセイドンを起動するタマキ。だがシステム上の問題なのか、ポセイドンは暴走。隠れ家は大炎上し、エクシードラフトはカズヤを救出すると、タマキを逮捕。
残るはポセイドンのみ……銃を向けるレッダーだったが、ポセイドンに亡き父の姿を重ねるカズヤが「破壊しないで」とポセイドンをかばう。カズヤは自らの過ちを認め、「もう止めるんだ」とポセイドンを止めようとするが、ポセイドンはそんなカズヤに銃を向けると、高速移動で走り去って行く……移動経路上のあらゆるものを薙ぎ倒し、大炎上させていくポセイドンの目的地は、中光機械本社!
暴走中の今もなお、ポセイドンのコンピューターには、カズヤの意思、とでもいうべきものがこびりついていたのだ。
自らの呪いを完遂しようとするポセイドンの真実を知ったカズヤは、そんなポセイドンを破壊してほしいとレッダーに願う。それに応え、3人はターボユニットを起動。遂に音速の壁を突破したエクシードラフトは、中光機械本社の前で、ポセイドンの姿を捉える!
東京観光をしながら、激突する3vs1。
高速移動戦闘の表現という事で、東京各地を移動しながらちょっとずつ戦う、という面白い趣向のクライマックス。
それにしてもポセイドンは、エクシードラフト3人と渡り合うわ、ハンドガン(タマキの再改修前から付いていた)はやたら強力だわ、お父さんは軍事利用なんて考えていないとか言われても、むしろ全く信用できないレベル。
これぞまさしく死人に口なしというか、タマキさんは慌てず騒がず博士をもうちょっとうまく転がすべきだったと思います!
やがて……郊外で対峙する3vs1。次々とハンドガンに吹き飛ばされるエクシードラフトだったが、最後は一騎打ちでレッダーがそのハンドガンを破壊し、本体を一刀両断で成敗!
こうしてポセイドン事件は解決。カズヤは父の墓前に花を供え、復讐に瞳の曇っていた少年は、勝を始めとした友達を得る事で少年らしい明るさを取り戻すのであった。
子どもキャラをメインに据えて物語を展開しつつ、パワーアップ展開を巧く盛り込みました。ここまでエクシードラフト(主にレッダー)があまりに圧倒的だったので、パワーアップ早いなぁ……とか一瞬思ったのですが、よくよく考えるともう1クール経過していました(笑)
この時期なので当然、初期から織り込み済みだったとは思いますが、強敵の特性に合わせた<バージョンアップ>が、総合的な《パワーアップ》として成立する、という強化の仕方は秀逸。必要以上のオーバーキル感と唐突さを減じて、うまく抑える事が出来たと思います。
中盤以降もこういった、段階的なバージョンアップがあると面白いなーとは思いますが、さて。
また、微妙にしまらなかったトライジャケットが、デザイン上のアクセントがついた事で格好良さもバージョンアップしたのは、個人的にかなり良し。
次回…………なんかちょっとおかしい。