敬愛する長石多可男監督の監督デビュー作という事で、いつか見てみたかった『カゲスター』が配信開始! という事でさっそく見てみました『カゲスター』1話。
OP(演出:長石多可男)は、基本的には作法に則ったベタな作りなのですが、主人公のアクションシーンの背景に空を横切っていくジェット機を合わせるという映像が非常に鮮烈で、凄く長石多可男。
それにしても、こう……あり得ないかっこ悪さカゲスター(笑)
個々のパーツはそうでもないのに、全て揃うと、風呂敷&ほっかむり&手ぬぐいに見えるという、この絶妙なバランス。
そのくせ、マントの模様は何故かアメリカナイズ。
派手さと丸さのアンバランスが、癖になる格好悪さを生み出しています(なおデザインは、後に戦隊シリーズなどでも活躍する野口竜氏)。
中身の方は、まあ如何にも70年代半ばという感じ……この頃の作品はどうしても、コメディ部分のセンスが今とズレが大きいのが、けっこう厳しい。
社長令嬢のお嬢様とその丁稚のバディものかと思ったら、お嬢様に口でロープをほどかせるとか、影夫さんが結構凄い。恐らく前年の『仮面ライダーストロンガー』(ストロンガー&タックル)への意識はあったのかと想像されますが、東映特撮で男女のバディものは案外と珍しくて、この後だと……宇宙刑事シリーズを経て、約10年後の『スピルバン』ぐらいまで行かないと無いのかしら。
化粧しているのでよくわからないのですが、クレジット見る限りカニヘルメットの変な悪役は、導師カク……?(ではなくて、魔神提督でした!) この悪役が、何をしたいのか今ひとつわからなくて凄く困るんですが(笑) お嬢様を狙っている理由が単なる身代金目的なのかそれとも怨恨なのか、さっぱりわかりません。両方かもしれませんけど。
そしてカゲスターとベルスターが出現した理由についてはは、「高圧電流で細胞が分裂したんじゃないかな……よくわからないけど」と、思いっきり土俵の外に放り投げました(笑)
潔いけど、凄い。
何が凄いって、その「秘密」について、視聴者として特にドキドキを感じる余地がないという構成が凄い(笑)
もしかしたら、特に作品における「秘密」でない可能性すらありますが!
アクションは独特で面白いと言えば面白いですが、あとは長石監督回だけ見ればいいかなぁ。