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『特捜エクシードラフト』感想7

そーいえば、『ソルブレイン』終盤では主要ゲストの名前がキャスト表記されていたのに、また出なくなってしまったなぁ。
カタカナで書くの面倒くさいのですけど、適当な漢字を当てるのはポリシーに反するのです。
Wikipediaの放映リスト見ると漢字で書いてあって、おそらくはムック本など資料に基づいているのかとは思うのですが、一方でしれっと嘘書いてある事もままあるわけなので、本編から判断できない材料はあまり用いたくない、という面倒くさいこだわり。
◆第13話「禁断の地獄拳!」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:増田貴彦)
最近続いている蒸発事件には、行方不明者が格闘技の経験者であるという特徴があった。背後関係を洗い出すエクシードラフトだったが、そこへ拳の友人・コグレが失踪したという情報が入る。事件の影にあったのは、闇の格闘試合を開催し、違法賭博を運営する組織。彼等は試合の駒とする選手を集めるために罠を張り、薬を用い、コグレもまた彼等の標的となってしまったのだった。友の為、その妹の為、拳は怪しげな格闘団体への潜入捜査を試みる……。
別々に発生した「格闘家の蒸発事件」と「空手家であるコグレの行方不明」(最初の時点では、妹から連絡が繋がらないと電話があっただけ)を劇中で誰かが関連づけるというシーンが無い為に、拳が目の前の事件をほっぽって「俺、友達探していいっスか?」と私事を優先しているようにしか見えず、それを本部の面々が「あー、いいよいいよ」と許可してしまっている為、折角ここまで、捜査と私情の公私混同に一線を引いてきたのだが、台無しになってしまいました。
さすがに脚本上では存在していたと思うのですが、“誰がどう見ても関係あるのがわかる”からって、描写を省いて良いわけではなく、むしろ絶対に抑えておかないといけない部分だったので、勿体ない。「もしかしたら、関係があるのでは?」って、一言入れるだけで良かったのになぁ。
そこを関連づけておいて初めて、潜入捜査の説得力も出るのですが、そこが無い為に「手術が迫るコグレ妹の為にコグレをさっさと見つけたい拳の無茶をみんなが同情して聞いてしまう」という、非常に良くない形になりました。
格闘技団体に流しの格闘家として売り込みを図る拳、団体の代表であり暗黒格闘技の主催者でありちょびひげのおっさんである藤王館長と激突(笑) 館長は拳の動きと必殺の大旋風蹴りに、過去の記事を思い出す。
拳……
「覇王」とか呼ばれてたのかぁぁぁ!!(笑)
売り込みに成功した拳は、借金取りに追われて困っているような三文芝居を打つが、この下手な小芝居のせいで、むしろ借金取り役の二人(隊長&耕作)がエクシードラフトである、と藤王サイドにばれてしまう。まあ、拳の経歴洗えばすぐにわかりますしね……むしろこれで何を誤魔化せると思っていたのだろう、3人とも。
そして翌日、闇の闘技場に招かれた拳だが、藤王サイドは尾行する隊長達の乗った車をバズーカで撃破。そして拳の前に現れたのは、薬でバーサクしたコグレ! 激闘を繰り広げる二人だったが、拳の連続攻撃がコグレの正気を取り戻させ、更に隊長達が突貫。実はバズーカで破壊されたのは、遠隔操作による無人車と人形による囮だったのだ。
エクシードラフトは実装し、藤王館長は闘技場を爆破して逃亡。自爆の際に鉄骨の下敷きになったちんぴら達のレスキューをレッダーとブルースに任せ、キースは藤王を追うと、ターボユニットで車を補足し、対峙。
冒頭には敗者に対して目つぶしを決め、中盤では拳とやりあった藤王館長、ここでもトライジャケット相手に近接戦の構えを取る(笑)
魂の震えるものがあったのか、あえてトライジャケットを脱ぐ拳。
夕日をバックに、拳を打ちあわせる二人(笑)
まあ今回は、これが面白かったからいいか、みたいな。
というか勢いで夕方にしてしまいましたが、えーともう……手術、終わったんじゃない……?
と心配されましたが、拳が藤王館長を撃破、逮捕。コグレを連れて4人で病院へ向かうと、ちょうどコグレ妹(なお、ユウコという名前)は手術室へ向かうところ。コグレ達は手術前の妹を無事に元気づけるのでありました。
肝心な所で大ポカやっているけど、まあ悪くは無い、という、今作らしいシナリオ(^^; どうして今作は、内容そのものは悪くないのに、展開の重要な所が抜けたシナリオが多いのか。


◆第14話「遙かなる父の家路」◆ (監督:三ツ村鐵治 脚本:酒井直行)
貿易会社で強盗放火事件が発生! 出動したエクシードラフトは火災を消火し犯人を逮捕するが、隼人は社長の高橋に不審を抱く。高橋は元暴力団員であり、その経営する貿易会社は、麻薬密輸の疑いで内偵が進められていたのだ……。
社長と強盗の目配せで、どうやら狂言、というのは最初から表現されるのですが、もうちょっとこう、エクシードラフトを呼ばずに済ますような地味な方法は無かったのでしょーか(笑) 派手にやりすぎた為にレッダーにあっさり逮捕されてしまった強盗犯人ですが、それにしても、エクシードラフトは怖い。
銃弾効かないし、やたらに戦闘力高いし、時速数十kmで走って追いかけてくるし。
走って追いかけてくるというのは、心理的になかなか恐怖だと思うわけです。
そんな事件の後、耕作を訪ねて面会の男がやってくる。
男は、クドウ・トメゾウ。ヤクザ者を専門に狙って30年間無敗を誇っていたが、3年前に耕作に逮捕されて今日、刑期を終えて出所した元・天才スリ師であった。すっかり心を入れ替え、最初に「村岡の旦那に挨拶に」と、昔気質な雰囲気のトメゾウは、3年前の逮捕の折、幼い息子に対して気配りを見せてくれた耕作に対して、恩と感謝を感じていたのだった。
ここのやり取りと逮捕時の回想で、耕作のいい人ぶりが光ります。隊長が「いい人」という感じではない分、拳の「わかりやすくいい人」よりも更に「クールを気取っているつもりだけどどう見ても凄くいい人」な、耕作が際立つ。
耕作への挨拶を済ませ、息子にスーパーファミコンを買って帰ってやろうとするトメゾウ。それは、父が船員として遠洋航海に出ていると信じている息子からの「おみやげはスーパーファミコンにしてください」という手紙に応える為だった。しかし、スーパーファミコンは19800円、所持金は12000円弱……これではとても、お土産に買って帰れない。いったいどうすればいいのか……思い悩むトメゾウだったが、誘惑を振り切り、家路を急ぐ。しかしトメゾウはそこで、学校帰りの息子が「未だにスーパーファミコンも持ってないなんてー」と馬鹿にされている光景を目撃してしまう。
「どうしても、もう一度だけ……」
その頃、強盗放火犯が、高橋と手を組んでの狂言を自供。高橋の目的は、警察のがさ入れの前に、強盗の仕業に見せかけて密輸の証拠隠滅を図る事にあった。だが、取引に関する情報は、1枚のフロッピーディスクに収められている筈だという。エクシードラフトはFDを手に入れる為、高橋の行方を追って動き出す。
一方、息子のため再びスリに手を染めたトメゾウが財布を盗んだ相手は、その高橋であった。財布と、その中に納めていたFDを盗まれたことに気付いた高橋は、部下にトメゾウを追わせる。「銃を使っても構わん」と言われた途端に、商業地のど真ん中で銃を抜いてしまうチンピラ達、発砲事件発生の報を受け、現場へ急行するエクシードラフト。
高橋さんが、凄く迂闊な人である事だけは、間違いありません。
トメゾウが倉庫に追い詰められた所で、エクシードラフト到着。高橋の持ち出したグレネードランチャーがうなりを上げるが、ガードラーを駆使したレッダーにかなうべくもなく、逮捕。
耕作はトメゾウに事情を問いただすが、トメゾウは一切の言い訳をせず、再びスリを行った事を告白して涙を流す。やり切れない思いに憤る耕作に、本部長代理はトメゾウ息子の手紙を見せる。トメゾウの行為が、息子の為だったと知る耕作。
「トメゾウのお陰で高橋を逮捕できた。……しかし、罪は罪」
本部長代理の下したお裁きは……
江戸所払い
じゃなかった
トメゾウにスーパーファミコンとソフト一式を与える、というものであった。
ここは濁しつつ思わせぶりな台詞もあったりで、明確には描かれないのですが、トメゾウの「2,3日、ゆっくりさせてもらいます」という台詞から判断するに、捜査協力に対する金一封という大岡裁きスーパーファミコン譲渡&数日は家族と過ごす時間を与える+その後で改めて逮捕、という所でしょうか。
前作でやりすぎたので、かなり濁して大岡裁き路線に見せつつ、ギリギリ一線守った、という感じか(守れていない気もしますが、世界観リセットされているわけですし、大岡裁き路線でもそれはそれで良いと思います)。
まあなんにしろ隊長が自宅を把握したので、もう、どこへも逃げられない。
本部長代理の方は、事情からすると急遽登板の割に、うまく作品の中に入り込んでいて素晴らしいなぁ。
本部長復帰の際には、殉職回とか作って欲しいぐらいの勢い。